13.アースとクリス様のその後
クリス様はお試し(?)お見合い期間を終えて、国へと帰っていった。
「陛下、私アーサー=ポートエクスは正式にクリスタル王女殿下をと思っています」
本気なのか。会話できてなかったけど、大丈夫か?
「そのように向こうにも書状を送っておこう。それにしてもな、お前がクリスタル王女と碌に会話ができなかったという報告があがっているのだが、本当か?」
俺がアースに睨まれた。真実じゃん。
「あの……緊張して」
「どこの初恋の乙女だ?緊張して話ができない?包容力を疑ってしまう。そこは余裕でエスコートをするような心の余裕が必要だな。それでいて、誠実さを感じさせるような話術も重要となってくる。軽薄な男は概して嫌われる」
まぁ、陛下の言い分はあっている。
「リチャードを見ろ!余裕でエリンと付き合っているぞ。会話もなんのその。その分だと、孫も…と期待してしまう」
いや、孫についてはどうかなぁ?
余裕なのは、エリンが幼い頃から付き合ってるし。付き合い長いからなぁ。
アースの今の状態で孫とか期待できない……。
「善処します……」
それしか今のアースには期待ができなかった。
数日後にラップトップ王国より返事の書状が来た。
書状には、クリスタル王女も同じ気持ちであり、速やかに婚約をしたい。
という旨の話だった。
うーん、これはアースも話ができなかったけど、クリス様もって事か?
速い…。
数日後、クリス様はこのポートエクス王国へとやってきた。
確かに思い返せば彼女も碌にアースに話しかけたりしてないんだよなぁ。
「これからお世話になります。クリスタルと申します。よろしくお願いします」
と、使用人達に頭を下げだした時は使用人達の方がアワアワとしだして大変だった。
「クリス様、王族たるもの簡単に頭を下げてはなりませんよ」
と、俺は助言をしたが
「他国から来たんですもの。やはり使用人といえども誠意を見せた方がいいでしょう?」
そう言われると俺も「そうだなぁ」と思ってしまう。
謁見の間で、クリス様は国王陛下に挨拶をし、今後アーサー王太子殿下の婚約者として王城で暮らすという話を聞いた。
「本当に婚約式とかしなくてよいのか?」
「ええ、無駄に税金を使う必要はありません。婚姻の儀だけで十分でしょう」
婚姻の儀は行うんだな。つまり。そこで貴族たちにお披露目という事になるのか。一部の貴族からは「早く王太子妃となられる方を見せてほしい」という話も出ているが。まぁ、クリス様のアラを見つけて、「彼女は王太子に相応しくないから、他の人……例えば我が娘などはどうか?」とかいう話に持って行きたいんだろうな。見え見えで恥ずかしい。
そうこうしているうちに、婚姻の儀が執り行われた。
この際も高位貴族は「うちの娘の方が……」等と煩かったけど、その家と王家との縁が出来ても王家にはなんの利益もないんだよね。ご愁傷さまです。
クリルタル様は眩い美しさで王城のバルコニーから国民に手を振った。国民からは「他国から妃になる人だろう?期待はできないよなぁ」などとの声もあったものの手を振るだけで、そんな声も吹き飛ばしてしまった。
なんてことでしょう?アース、言葉にはしないけどクリス様の腰を引き寄せてる!これにはビックリ!独占欲が強いんだろうか?アースはアースで手を振っている。
国民の声は「美男美女でこの国も安泰だなぁ」と、なった。
見目で政治をするわけじゃないんですけど。
頑張れ、アース!




