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1.俺は本気だけど?


 俺は今までずっとこの国、オパニオン帝国に尽くしてきた。そして、親の力も借りずに皇太子様の側近をするまでになったと自負している。それなのになぜこのような仕打ち?


「リチャード=エイプリル!貴様は我が側近としてあるまじき行為を行ったと我が愛しのワムから聞いたぞ!

 リチャード、貴殿はワムに言い寄った挙句、自分に(なび)かないと分かると、ワムに不当な公務を割り振ったな?他にも学園では様々な嫌がらせをしていたことはワムから聞いている!」

 皇太子さまは、ワムという平民の女性に目移りしている。俺が諫めても、一切聞かずに『自分は皇太子なのだから』というナゾ理論で看破してくる。正直相手にしたくない。側近としては失格なのだろうが、それが現実。

 正論を言うと『皇太子なのだから、己を律してください』なのだが……。皇太子妃候補のセレナーディ=セイリュウズ様は早々に立ち去り(相手にしなくなり)、今は隣国でバカンスを楽しんでいるという噂だ。


「聞いているのか?リチャード!」

 正直なところ、聞いてなかった……。

「お前を国外追放とする!!異論は認めない!!」

 はぁ?このお花畑カップルの側近は誰がするんだ?お花畑の側近だろうか?この国、終わったな……。

「謹んでお受けします。では、家に帰って荷づくりなどしたいのでこの辺で御前失礼します」

 



 エイプリル家は建国時からの超がつく名門侯爵家。

 代々、この家から側近を輩出し、側近は宰相となってこの国を動かしている。

 今回の騒動についても、父さんの耳にはすでに入っている事だろう。


 結構遅い時間に父さんが帰宅した。使用人の皆様、毎日遅い時間までご苦労様です。その分他家よりも給金はいいと聞いたが。

「父さん。既に聞いていると思いますが―――」

「ああ、お前が皇太子の側近から外れるどころか、国外追放なんだろ?まったく、仕事を増やしおってあのバカ造」

 皇太子様の事を若造(ばかぞう)と言ったのだろうか?聞き間違えだろうか?不敬だが、俺も納得してしまう。

「はぁ、こうなるとなぁ。後の王家が心配だ。頼みの皇太子妃候補には早々に立ち去られ、お前は国外追放だろ?次代の王家はお花畑か?花見でもするのか?俺は仕事人間じゃないぞ。好きで徹夜で仕事してたり、残業して遅く帰ってきてるわけじゃないぞ?」

「あの……父さん。酔ってらっしゃる?」

「俺は仕事中に酒は飲まん!こうなったら、最終手段だな。一家で国外に出る」

「本気ですか?領民は?」

「代理領主に全権を譲る!」

 父さんも本気だ……。

「国外かぁ、時間に余裕ができるなぁ。お前と二人の時間も増えるのかな?」

「やだわ、あなたったら!」

 本当に嫌がってるのか?うちの両親…。

 


本当は婚約破棄からのざまぁを書きたかったのです。それが何故かこんな作品になりました。終わりよければ良しかなぁ。

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― 新着の感想 ―
主人公は、リチャード=エイプリル侯爵家令息、オパニオン帝国の皇太子の側近。行く行くは、宰相と言う立場か。ここで、問題発生、皇太子は、皇太子妃候補セレナーディ=セイリュウズ様と言う方が居るのに、平民出の…
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