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ならず者・現代に転生する ~異世界の力に目覚めたので平穏な暮らしを目指したが簡単にはいかなかった件  作者: 藤明


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第84話 ギフト相乗効果砲

特殊対策課の臨時で設営された会議室で精鋭が集まり会議をしていた。

大まかな作戦は全体に向けてすでに連絡を終えたので、最後に作戦のカギとなる人間だけが残った感じだった。


切那(せつな)と寛治は『賢者』与謝峰琴音(よさみねことね)の言う事が理解しきれなかった。


「ギフト相乗効果砲?」

「……そんなんできるのか? ……ってか練習必要だと思うんだが……」


琴音(ことね)は待ってましたと言わんばかりの笑顔で迷彩服に身を包んだ女性を呼ぶ。


「ええ、今からイメージを送りますね……」

「はい。では皆さんこちらに……緊張を解いて軽く集中を……」


迷彩服の女性から琴音(ことね)の思念が送られ、その場にいた人間に意識と作戦が共有される。


「……まじか……」

「すげぇ……」

「本気か……」


琴音(ことね)から送られた思念の映像にはとんでもない威力の大砲の「仕組み」が事細かに解説されていた。


(すごいものだな……ギフトの重ねがけで『飢える魔王』の心臓をぶちぬいていくなんて……)

(そうだね。敵味方別れてた人間のギフトを使って……)

(……ん? なんでギフトがわかったんだ?)

(鑑定とかないの?)

(……鑑定?……もしかして……)


「『賢者』さんよ……どうでもいいが、なんで俺たちの「ギフト」を知ってんだ? 同じ時間軸にいた人間は半分くらいだろ?」

「ああ、それはアタシも気になったな……情報網……だけではないな」


「はい。私のギフト『神の叡智』を使いました。あなた達のギフトは把握しています」

「……なんだそりゃ? 神様のギフトか?」

「相手の能力や物事が全部わかる系……か……」

「そうですね。かなり「ズル」いギフトですね。これであちらの世界から飛んできたようなものなので……」


琴音(ことね)が、ズル過ぎるギフトの能力にいたたまれなさそうな顔をするが、そのギフトと自分の命を使って『不死の魔王』を滅ぼした状況を知っていた一同は何とも言えない表情になる。


「……そうか」

「知ってしまうのも問題ありか……」


雲梯摩帆(うんていまほ)が手を上げる。

「琴音ちん。多分この戦法無理。私の能力と魔力が絶対的に足りないよ」

「ことねちん……新しいわね。……じゃなかった。大丈夫よ。瑠衣さんがその辺は何とかしてくれます」

「はい、そのあたりは私の『潜在能力強化』を使用すれば一時的ですがカバーできるかと思います」


「え?」

「なにそれ?」

「……『潜在能力』って、結構ギリギリまで鍛えあげてるつもりなんだけど……」


雲梯摩帆(うんていまほ)が困惑した表情をしていたが、瑠衣が近くへと移動し彼女の背に手を当てる。

「では軽く……」

「へ? ふえ? ええええ?? も、もしかして……」


雲梯摩帆(うんていまほ)が転移魔法を指パッチンで鳴らすと連続でバンバンと消えたり出たりしていた。ついでに近くにいた一休も巻き込まれ部屋中を行ったり来たりして落ちていた。


「すごいっ!! 全然魔力切れしないし、意図通りに動くわ!」

「……酔った……」


雲梯摩帆(うんていまほ)が興奮するなか一休は口に手を抑えて吐きそうになっていた。

寛治が半信半疑な表情で質問をする。

「するってぇと……この若干……無茶な「ギフトの相乗効果砲」を打つには……ルイーゼ……瑠衣ちゃんが必須なんだな。俺の能力でもおそらくここまでの事は出来ない」

「ええ。彼女がいないと成り立たない戦いになります」


「……あと、なんで摩帆(まほ)が必要なんだ?」

「『飢える魔王』は攻撃したポイントにそのまま砲撃を返してくるそうです……地面が吹き飛ぶほどの……」

「「「……」」」


「撃ったらすぐ逃げる感じか……」

「ヒットアンドウェイですね」

「もしもの時に逃げ切れない事も考えて守護騎士の紅華さんも参加していただく感じで……」


「あたしもか……うーん。今度は守れるのかなぁ……地面えぐる魔法かぁ……」


琴音(ことね)が共有した意識を言葉に表す。

「瑠衣さんがその場にいる全員の「潜在能力強化」を行い、政津さんが用意した魔力鋼弾の摩擦を完全に無くし、要さんが重量を最大にあげる。意思伝達を元に歩夢さんが方向を決めて射出。寛治さんが時間をしばらく遅くしている間に、切那(せつな)さんが全力で『移動加速』をかけて、寛治さんが最後に時間を『時間加速』させて射出。あとは摩帆(まほ)さんの転移魔法で直ぐに逃げるだけ……になります」


「言ってるだけだと楽なんだが……」

「少しだけ練習させてくれ……」

「意識は共有出来てるからいいんだけどね……イメージはわかるんだが……」

「はい。一応、この後明日に影響しない範囲で軽く練習を……それに実戦形式の練習はかなりできると思いますよ」


「ギフト相乗効果砲」の射出メンバーは盛り上がっていた。そんな中、取り残された感じの振水(ふりみず)ユキナが疑問を口にする。


「……あの……メンバーに私が入っているんですが……」

「それは、発射と同時に行先を占ってもらいます。魔法陣はこのエリアに既に大量に仕込んであるので、どのポイントが危ないかを事前に占ってもらう感じです」


「あの……そこまで正確じゃないかと……」

「ええ、少しでも次の攻撃が当たりにくい場所……を占ってもらえれば大丈夫です……少しでも」



寛治が作戦会議室にあるこのエリアの地図を見ながら質問をする。

「なぁ琴音さんよ。ここまでしないと『飢える魔王』に攻撃があたらねぇの……いや損害を与えられないのか?」

「『飢える魔王』の攻撃をかわして攻撃出来ればいいのですが、あちらの世界で『達人』レベルの人間ではないと駄目でしょう」


寛治が意図が伝わらなかったことを理解し頭をかく。

「あー、違う、この世界の武器、大砲とかミサイルじゃ無理なのか?」

「ある程度のダメージは与えられると思いますが、攻撃してきたポイントを攻撃し返す……ので……あとは「物理障壁」の様な魔法を使ってくるとの報告もあります」


早風切那(はやてせつな)が同意して解説を補足する。

「あっちの世界で戦った時は遠距離の魔法とかバリスタのでかい槍なんかは『飢える魔王』の魔法の盾に阻まれていたな……だからミサイルを盾で防いだとしても……爆発である程度のダメージはいくと思うが、心臓をぶち抜かない限り再生を続けるからな……」


一休が早風切那(はやてせつな)の発言で大きな体を小さくしてしまう。


「……すまないな……俺が吸収されたせいで……」

「……お前だけのせいじゃないだろ……」


会議室の情報を知らなかった面々が、一休達の発言に驚く。

「「……え?」」


「今の会話だと……『ギフト』を吸収するのか??」

「ああ、その可能性が高い。ギフトかもしれないし、知識かもしれないが、凄い再生速度と、色々な魔法をつかってきやがる。アタシは触手とよくわからん魔法にやられたからね……」


海波は話の内容を聞いてやっと色々と理解をする。

(それでこの遠距離攻撃ってわけか……)

(『ギフト』は使用範囲が限られるものが多いからな。遠距離から一方的に攻撃するのは理にかなっているな)

(なるほどね……でも俺たちは近づいて足止めしなければいけないわけで……)

(大丈夫だろう。同じ場所にいなければいいのだ。前線を固めるメンツを見れば、よほどの速さが無い限りは全て躱し続けることが出来るだろう)

(君の頭のイメージを見ると……なんというか、もう人間じゃない感じだね)



丸亀礼音(まるかめれおん)が空気を読まずに発言する。

「ねぇねぇ、核爆弾でドカーンとやっちゃだめなの?」

「……」

「……」

「……ええ、それは……」

「……」


早風切那(はやてせつな)琴音(ことね)正津成有(まさつ なりあり)の様子を見て怪訝な顔をする。

「……なんだ、ずいぶん口ごもるじゃないか? さては……失敗したらこのエリアごと吹き飛ばすのか?」


正津成有(まさつ なりあり)が前に出て説明をする。

「……予定にはないが、ここにいる転生者、特殊対策課の攻撃が効かない、殲滅できない場合は戦術核の使用も辞さない……との判断になりつつある。作戦本部の人間は通常の兵器だけで何とかなると考えてる……が失敗したら街が無くなると思ってくれ……」

「責任重大……だな」


それからしばらく詳細な打合せが続いた後に解散になった。「ギフト相乗効果砲」の練習はしばらくしたら行う予定になった。


§  §  § 


ミーティングの解散後、最後まで残っていた伴戸志姫(ともどしき)琴音(ことね)が話しかける。


「では……明日……よろしくお願いしますね」

「はい……でも……大丈夫なのですか? 本当にみなさんに知らせなくて」

「出来るならこの手は使いたくないんです……ですが、美来(みく)さんの未来視は、起こった出来事を見ているだけ……要するに、今ある二つの未来は必ず起こると言う事です」


「……全滅する未来……と幸せな未来……共存させるのはわかりますが……」


「情報を持ち帰れる……それだけで優位に立てるはずです……きっと」

「……いくら時を戻せても……魂の記憶は残ってしまうんです……死んだときの記憶も……つらいですよ?」


伴戸志姫(ともどしき)は悲しそうな顔をしていたが、琴音(ことね)はあっけらかんとした感じだった。

「大丈夫ですよ。ここにいる皆さん。一度「死ぬ思い」を一度はしていますから」

「……割とドライなんですね……」

「はい。明るい未来を勝ち取るためにはなんでもします」


「……あなたが言うと……説得力ありすぎですね……わかりました。私が耐えられるかの勝負になりそうですね……」


「そうですね、エネリエス様も何やら裏で動いてくださっている様なので、それに期待ですね」

「エネリエス様がこちらの世界に?」

「いえ。力を貸していただける……くらいですよ。あなただけでなくてエネリエス様の信徒達にも力が降り注いでいましたからね。あちらの世界の門が開いた時に」


「私に宿ったこのものすごい力……その時に使えと言う事ですね」

「ええ。おそらく」


琴音(ことね)伴戸志姫(ともどしき)を慕う「光の女神教」の信徒に目配せをする。信徒たちは恭しく彼女に頷いていた。


§  §  § 


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