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17.甘くて、酸っぱい?2

とても短いです。

俺も真剣な瞳でカイを見つめて静かに、だがはっきりと話した。


「私の店のぜんざいを気に入ったのがきっかけで、婚約話を提案されたと伺いました。私との縁はございませんでしたが、近い将来に同じように食で運命を感じるお相手が現れるかもしれません。きっとその方がカイ様の真の運命の人では?」


カイくん。君はたしかに恋をした。だが桃華じゃない、俺が情熱を注いで作り上げたぜんざいに、だ。あれだけ美味しいのだから無理もない、作り手がどんな人なのか気になったのもわかる。けどそれは桃華に恋をしたわけじゃない。だから頼む、俺とどうにかなろうとは思わないでくれ。


「おっしゃる通りです。確かにきっかけは桃華様のぜんざいでした。ですが、玉風会で桃華様を見てさらに恋に落ちたのです」


「カイ様にそこまで思われることは光栄ですが・・・」


「まず友人として親交を深めませんか?玲瓏豊に居る間だけでいいのです。玉風会で初めて桃華様に会ったときから、僕の中で桃華様への想いは段々と大きくなっていきました。今回の玲瓏学院への短期留学も数年かけてようやく叶ったんです。それまではと桃華様への連絡も絶って国で留学ができるように駆け回っていました。留学が終わって国に戻れば、両親が選んだ方と婚約を結ぶ手筈が整っています。留学を終えるまえに僕とお付き合いをしてもいいと思っていただけたら婚約は白紙に戻すという約束ですが、そうならなかったらときは予定通り婚約を結びます。・・・桃華様、僕にとって最後の機会なのです。少しだけお時間をいただけませんか」


カイの真剣な告白はぐっとくるものがあった。今までの人生でこんなに熱い告白を受けたことは正直なところない。俺は玲瓏豊を統べる玉家の一人娘という立場だが、両親からは結婚については今のところ自由にしていいというお墨付きをもらっている。カイは一国の王子という立場で、結婚は義務の一つなのだろう。好きになった人と一緒になりたいというのは、人として至極当然の気持ちなのかもしれない。今回の玲瓏学院への留学も相当な労力だったんだろうと先の告白から察せる。俺はカイに悪い印象を持っていないが、恋愛に発展する可能性があるかと問われれば限りなくゼロに近い。でも、カイの覚悟を知った今、提示された案を無下にしてしまうのはためらわれた。

ならばのカイの熱意を汲んで、大人としてしっかり受け止めよう。そうすれば彼が望まぬ結果になったとしても、俺 (ぜんざい)への未練を捨てて新たなステージに踏み出せるはずだ。


「わかりました、その案お受けします。父と母には私から伝えておきます。よろしくお願いいたします」


「ありがとうございます」


目の前のカイは先ほどの重苦しい雰囲気から一転、ぱあっと花開いたように笑顔になった。それだけでも了承して良かったなと思える。


カイが自分の国へ戻ったあとに笑って話せるように、俺なりにしっかり向き合ってカイの初恋を楽しい思い出でいっぱいにして終わらせてやろう。それが俺にできる最善の方法だ。


嬉しがるカイをみて、ふいに紫雲の顔がブオンっと高速で頭をよぎった。

そうだよ、両親は多分大丈夫だとして。

うーーーん、紫雲(妹馬鹿)はどうしよう・・・絶対めんどくさいことになるよな。




・・・・ちょっと今日は寄り道して帰るか。


今回はかなり短文の投稿となりました。すみません。

次回の投稿は急に書きたくなりまして、「吸血鬼」が出てくる読み切り(か二部構成)の年齢設定ありの小説を予定しています。今週中の投稿を目指していますので、もし気になりましたら読んでいただけると嬉しいです。ここまでお読みくださりありがとうございました。

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