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欲しがり義妹VSいただき令嬢~ほしがりの心  作者: 山田 勝
欲しがり義妹VS乗っ取り従姉妹
5/6

欲しがります勝つまでは

 あれから、数ヶ月、私は北の修道院に収監された。

 実質的な刑務所だ。


 今は、何月何日かも分らない。


 奉仕活動、祈る。祈る。掃除、奉仕活動、


 単調な毎日だ。


「女神の僕、13番、来なさい。面会が来ています」

「はい!指導シスター殿」


 伯爵様が迎えに来た?

 いえ、人の悪意の中で生きた私には分る。


 応接室にいたのは、メアリーだ。


「この、よくも、ノコノコと」


「女神の僕13番、ムチ打ち!」


「ヒィ、有難うございます」


 バチン!


 一回叩かれたここでは日常茶飯事だ。


 モグ、モグ、モグ

「美味しいの~~~~」


 メアリーはステーキを食ってやがる。

 欲しい。欲しい。欲しい。


「スザンナは素質あるの~~~悪魔って言ったの。私の本性を見抜いたの。私は悪魔なの~~」


「それが、どう・・いえ、如何しましたか?」


「テストするの。ほしがりの心を見せるの~~」


「あのメアリー様、ステーキを少し分けて下さい」


「何のためになの~~~」


「毎日、薄いスープとパンで、お腹ペコペコでして・・」


「失格なの~~~~~」


「ヒィ」


 やつはモグモグ食べて、帰って行きやがった。


「指導シスター殿、あの方は何者ですか?」


「知らない方がいい・・・それよりも今日は魚が出るぞ」


「魚!有難うございます!」




 ☆ドングリ良い子孤児院


「はあ、はあ、グヘへへへへ、ゲヒヒヒヒィ、ゲラゲラ~あの顔、ステーキを欲しがるスザンナの顔、たまらないの~~~」


 ・・・私はメアリー、人は欲しがり義妹のメアリーと呼ぶ。

 スザンナに聞いたが、あたしでもほしがりの心の正解が出ていない。


 無心のおねだり。

 人にあげるためのおねだり。


 しかし、スザンナの物欲のおねだりは、頂けない。

 私の母も物欲のおねだりだった。公爵家の庶子、公爵の寵愛をいいことに、

 義姉のものを欲しがって、欲しがって、遂に、婚約者、王太子を欲しがって、

 公開婚約破棄をしやがった。


 父は馬鹿だった。ただの馬鹿だった。

 しかも、顔がいいから始末におけねえ。


 二人仲良く廃嫡、追放、


 市井で私が生まれたってわけ。


 コンコンコン


「どうぞなの~~~」

「メアリー孤児院長付き、あの、私宛てに、差出人不明で、多量のドレスと宝石が届きました。これは、私が実家で持っていたものです。どうぞ孤児院の運営費に使って下さい」


「はにゃ、いいの~~、アリシア様、無罪が証明されて、実家から帰還要請が来ているってきいたの~~~」


「大丈夫です。お母様の形見だけは取ってあります。

 ところで、シスターとしての修行が終わったら、ここで、メアリー様と働きたいですわ。人の心は移ろいやすもの。例え、家族でも、

 私、考えたいのです。答えが出るまで、何年かかっても・・・」


「分ったの~~~」


「でも・・・ここに来た時、メアリー様が、熱心に私の話を聞いて下さって、救われました。それに、お母様の形見を送ってくれた方がいます。希望は捨ててませんから、

 あの、また、答えが出たら、聞いて頂けますか?」


「勿論なの~~」


 私は父の馬鹿は受け継いだ。

 馬鹿は勉強すれば、何とかなるが、

 母の品性の無さだけは、どうにも出来なかった。


 人の物が欲しくて、欲しくて、たまらない。

 しかし、奪えば満足する。物に執着しない。質がわりい。


 ここにいれば、頂き義妹、義姉に奪われて、追放されてくる令嬢の話が聞ける。

 

 アリシアの話を聞いて、心の中で、ゲラゲラ笑ったものさ。


 心の腐ったスザンナから、どう頂いてやろうか。


 腐った魂の頂き令嬢の話を聞いて、ワクワクしたものさ。


 あいつらをはめて、おねだりして、物を奪えれば、


 誰も不幸にならない。

 ただ、頂き令嬢が修道院に行くだけ。


「はあ、はあ、はあ、スザンナのあの顔、気持ちいいの~~~ゲラゲラゲラ、忘れないうちに、顔を描いておくの~~」


 ドン!


「ちょっと、秘書室で変な声だしてはいけないんだからね!ところで、メアリー、王家から養子の打診が来ているんだからね!

 形だけは、孤児院で頑張る健気なやらかし元王太子の子女だからね!」


「違うの~~王家、姫がいないの~~~、政略で必要なだけなの。ピンクブロンド院長!」


「ピキー、私はリディアなんだからね。髪がピンクなだけだからね!」


「先生なの~~おねだりの先生なの~~秘技、階段落ち、上手く行ったの」


「だから、あれは、受け身なんだからね。階段を落ちるためにあるのじゃないんだからね!」


 ここに、いれば、天然の頂き師匠がいる。

 陥れられて、追放された令嬢から、魂の腐った頂き令嬢の案件が来るに違いない。


「ヒヒヒヒッ、アハハハハハ、なの~~~」

「ちょっと、気持ち悪いんだからね!」


 メアリーは忙しい。頻繁に孤児院を空ける。


 それほど、世の中、無実の罪で追放される令嬢が多いのかもしれない。






最後までお読み頂き有難うございました。

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