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欲しがり義妹VSいただき令嬢~ほしがりの心  作者: 山田 勝
欲しがり義妹VS乗っ取り従姉妹
1/6

婚約破棄&追放された伯爵令嬢

「ウグ、グハ」


 ガタン!バタン


「スザンナ、どうしたの?」


「義姉様、そんなに、私のことを嫌いですの・・・」


「大変だ!スザンナ様が、アリシア様が入れたお茶を飲んで倒れた!」

「医者を呼べ!」


 ・・・そんな。私はアリシア、従姉妹のスザンナにお茶会のマナーを教えていたら、急に泡を吹いて倒れたわ。


 彼女は、お父様の兄の子、伯父様は、画家を志して、爵位をお父様に譲って、平民になったわ。

 そして、伯父様が亡くなった後、スザンナを引き取ったの。


「アリシア様は、スザンナ様に触らないで下さい!」

「ええ、アリシア様がお嫌いな平民出身だからって」


 ・・・えっ、おかしい。使用人達の態度が、カーター様なら信じて下さいますよね。

 私がお茶に毒を入れてないって、


「アリシア!見損なった!婚約破棄だ!君ってやつは」


「そんな。私は毒など入れておりません!」


 ☆数日後


「アリシアが、平民出身であるスザンナを嫌っていたと報告があったが・・・そこまでとは」


「信じて下さいませ。私は何もしておりません」


「・・・アリシアの部屋から毒の入ったビンが出て来た・・・お茶に入っていた毒と同じだ。シビレ薬だ。

 分量を間違えると死に至る毒だ・・・」


「それは・・何かの間違いです。そう言えば、スザンナは私の部屋に頻繁に訪れていましたわ。もっと、お調べになって下さい」


「姉上、見苦しいですよ。もう、姉上とよびたくない!」


「「「私たち使用人一同も、お嬢様の性格の矯正が必要だと思います」」


「修道院に行け!貴族学園は退学だ!」


 ☆


 ・・・私はスザンナ、ようやく、うっとうしいアリシアを追い出した。この伯爵家には伯爵夫人はいない。

 使用人達は平民出身者が多い。下町の話をして、アリシアにイジメられていると吹聴したわ。

 効果出ているわね。


 これから

 義弟のデービットと結婚して伯爵家を継ぐもよし。アリシアの婚約者カーターを奪って結婚するもよし。


「スザンナ、すまない」

「いいえ。伯父様、私が至らないせいでアリシア様を怒らせました。私が悪いのです」

「しばらく、休みなさい。家庭教師達に休ますように言っておくから」

「はい、グスン、ショックで何も手が付きませんわ」


 また、貴族学園に入学して、より高位の貴公子を狙おうも良し。

 マナー、勉学は苦手だが。当主の推薦状があれば、入学出来ると、調査済みよ。


 私は平民生活が長かったから、勉学やマナーが遅れている。アリシアが指導役でうるさく文句を言ってきたけど、

 女は愛嬌、ニコニコ笑って、男を立てていればいいのよ。


 と、その時は、思っていた。


 ☆数ヶ月後


 嵐の日、私の誕生日の日に、

 あいつが、やってきた。悪魔がやって来た。メアリーだ。

 年齢12歳、ツインテールに、金髪碧眼で、悔しいけど可愛い。


「大変だ!この子が、道端でうずくまっていた。至急、医者を呼んでくれ!」

「はい、旦那様」


「誕生日会が中止!義姉上のお披露目会も兼ねているのに、行き倒れた平民の子のために?」


「まあ、デービット様、そのようなこと。私の誕生日会なんて、人の命に比べればなんてことありませんわ」


「さすが、慈愛の令嬢、スザンナ」

「平民を差別しないなんて、さすが義姉上」


 そうよ。もっと、褒めなさい。

 私は慈愛の令嬢スザンナよ。


「お嬢様・・これを」

「まあ、これは」


 御者が、プレゼントを持って来た。潰れてビシャビシャだわ。

 きっと、馬車であの子の下敷きになったのね。


 これが、これからの私の姿だとは思いもしなかったわ。





最後までお読み頂き有難うございました。

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