義理堅い魔物
3将軍の1人ウエストリンギアの陣。
「嘘でしょ。モス、ダメだって、明日は大事な日なんだから。あっそんな。後ろからだなんて。ほんと、ねっ。これが終わったらまた毎日相手してあげるから。今は、ほんとにダメ」
「ダメと言いながら、ここからは甘い汁が垂れているよエスト。あぁ、エストの匂いも味も最高だ」
「ダメだってば、そらされると弱いんだって、嘘、いつもより深いところに来てる。もう耐えられない。あっあっあっ。逝っちゃうーーーーー」
「やっと、気絶してくれたね。ごめんよエスト(僕は、僕を暗闇から助けてくれた君をどうしても守りたいんだ。あのクソ魔王がここまで信頼してくれて、外に出してくれたこのチャンスを活かすために。あのままあそこにいたら君はもっともっと壊れてしまうから。なんだろう、遠くに見えるあの巨体は?そうか君か?戦場に舞い戻ってきたようだね。なら、善は急げってやつだね)」
モスキトもまたウエストリンギアを抱えて前線へと向かうのだった。
そして、ここは3将軍の1人でリーダー的存在のプリンスの陣。
「あぁん、プリンス君〜。もっともっと頂戴」
「わかっているわかっているさ」
それを見ている兵士たち。
「ゾンビ女とやっている。あうあうと喘いでいるだけなのに、わかっている?何が?俺たちの苦労も知らないで、自分は宜しくってか。ふざけんな。こうなったら俺もゾンビ女でも構わん。この欲求不満を解放させてもらうさ」
ゾンビ女に近づく兵士だがゾンビ女により首筋を噛まれる。
「ぐぁぁぁぁ。お前、何しやがる。あんな、男にはやらせて、俺にはやらせないってか」
「プリンス君だけ」
「あぅあぅと何言ってるかわかんねぇんだよ。クソが」
そこにプリンスがやってくる。
「貴様、俺のアカリに何しようとした?」
「あっ、何しようとしてたかだ?お前と同じことを魔物のお前よりも人間様の方が気持ちいいってことを教えてやろうとしてやったんだ。有り難く思え。魔物さんよ」
ビキビキビキビキとプリンスの額に怒りが込み上げてくる。
「お前みたいなやつはゾンビにするのも癪だ」
「あっ?既に噛まれたからゾンビ化が始まってんだろうが。あっ成程。俺のことを治してやるからお前の女に手を出すなってか。熱いねぇ。だが、それなら飲めねぇよ。テメェだけ女と宜しくやろうなんて虫が良すぎるだろうが」
「何勘違いしてるんだ?キマリ、おいで久々の人間のお肉だよ」
「御主人様、宜しいのですか?」
「あぁ、骨まで喰らい尽くしてやれ」
「かしこまりました」
「くんなくんな。こんな魔物まで支配してるなんて聞いてないぞ」
「成程、お前は元エンペラード兵のフリをしたオズマリア兵だったか。デイモン様には後で詫びを入れるとしよう」
「お前、俺にこんなことしてどうなるかわかってんだろうな。オズモンド様が黙っちゃいねぇぞ!」
「オズモンド様?誰だそれは?デイモン様だろうが!」
「がぁぁぁぁぉぁぁ。イタイイタイイタイイタイ、もう食べないで。あががががが」
「キマリ、満足したかい?」
「はい(実験生物として腹ペコの状態で居た私と相対した少年。人間を食べたくなんてなかったのですが腹ペコで自制が出来ず、腹の中で消化できず吐き出したらゾンビとなっていましたね。私のせいで辛い目に遭わせてしまったと貴方に仕えることを決めましたが、話もできないゾンビとなった幼馴染たちと毎日話す貴方の姿がとても哀しいと思うようになりました。貴方の心を救ってあげたい。でも、貴方と最悪の出会いをした私には何もしてあげられない。せめて、幼馴染たちが本来の姿を取り戻すことができたとしたら貴方のことを止めてくれるのでしょうか?母を売り、オズマリア帝国での地位を得て、どんどんと醜悪になっていく貴方様を見ているのが辛い)」
「どうしたんだいキマリ?」
「いえ、なんでもありません。そこは寒いでしょう。さぁ、こちらへ」
「うん。マミ・ユミ・アカリ、行くよ」
4人は、キマリの肉布団の中で眠るのだった。
突如、奇襲を仕掛けられたカイル陣営。
「マジかよ。本当にケルベロスとベルゼブブ何攻めてきたんだが」
「だから、言っただろ。奴らのことだ。俺を見れば向かってくると」
「スパーダ殿は、良い意味でも悪い意味でも目立ちますからな」
「オックス、取り敢えず褒め言葉と取っておくさ」
「久しぶりに血と肉が踊っているぞ」
「スパーダ、久しぶりだね。2対1で悪いんだけど相手をしてもらうよ。その前に」
ケルベガーとモスキトが背中に背負っていた人間の姿をしている女の子を降ろす。
「その娘たちは?」
「君が人間とイーリスの息子で良いのかい?」
「ほぅ。お主が人とイーリスの子か。聡明そうに見えるが馬鹿だな」
「あぁ、って馬鹿は余計だ」
「俺の妻で、かつてフラワーリーフ王国の姫君だったそうだ。名をダイアンサスという。俺の大事な女だ。スパーダ、勝手なことを言っているのはわかっているが俺とモスをボコボコに殴れ、我らは負けてお前たちに捕えられたということにして、投降したいのだ」
「僕の方も似たようなものだよ。僕の大事な妻であり、ダイアンサスの姉でもあるウエストリンギア。彼女をこれ以上、醜悪にさせないために捕虜になりにきたんだ。迷惑をかけるけど宜しく頼むよ」
「ごめん被る!」
2人がその言葉に唖然となる。
「お前たちが義理堅いことなど重々承知だ。自分たちを暗闇から救ってくれた大事な女を守りたい。大まかそんなところだろう。だが、俺はかつての友と戦えることを本気で楽しみにしていたのだ。カイル・オックス、手は出さんでくれよ」
「わかったわかった。勝手にやれっての」
「スパーダ殿の思う通りに」
「というわけだ。正々堂々、殴り飛ばして捕虜にしてやるから遠慮するな。お前たちとて、暴れたかったであろう」
「全く、お前程の戦闘狂でありながら知恵も働くやつ知らんわ。だが、それも良かろう。長い間、閉じ込められていて、体も鈍っていたところだ。相手をしてくれよう」
「相変わらずだねスパーダ。良いよ。僕も本気で相手をするよ。覚悟してね」
「おぅ」
スパーダとケルベガーとモスキトが戦闘を始めるのだった。
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