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ヴェスパラスト大陸記  作者: 揚惇命
最終章 真実をその手に掴み悪を討て

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性を貪るもの同士

 サイクロプスのサイプスが時間稼ぎもできず土蜘蛛のスパーダに撃破されるのと同じ頃。インプのインプルはサキュバスのリリスと相見えていた。

「リリス、お前がそんなに策略家だったとは思いませんでしたよ。キヒヒヒヒ」

「あらーインプルじゃない。まさか、魔王様を裏切るなんて」

「あの平和ボケした雪女に従うなんてナンセンスですよ。デイモン様と共に新たな魔物の時代を作る。それこそ、魔の本分でしょう」

「で、前魔王様に付いて、魔力の供給のために得た女がそれね」

「えぇ、人間の女ですが実に良い魔力を生産してくれていますよ。身体の中に取り込んでいますから声を聴かせられないのが残念ですが」

 インプのお腹の辺りに女性の顔をしたものが動いていた。

「相変わらず悍ましいやり方するわね」

「人間など所詮、我ら魔の者の餌。あなた方がおかしいのですよ。人間を愛するなど」

「あらー、私たちは人間と共に生きている魔の者よ。人間がいなければ性が吸えないのに、人間を滅ぼそうと考えている前魔王様に付くことの方が馬鹿じゃないの」

「この俺を馬鹿だと。馬鹿だと言ったのか!下半身の事しか考えてない馬キャバスが」

「言ったわね。そっちこそ、下半身の事しか考えてない馬ンプじゃない」

「この、馬キャバスがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。この俺がここで殺してくれる」

 この様子を隠れて見ていたクスネとコノハが会話をしている。

「リリスちゃんのアレは素だよね?」

「えぇ、スパーダの策ではないわね。でも良い感じの挑発になってますから良しとしましょうか」

「でも、まさかクスネ様があの伝説のラミアだったなんて、人間国からの侵攻を土蜘蛛と共に防いだ伝説のラミア。お会いできて光栄です〜」

「もう1人も今ここにいるんだから。笑えるわよね」

「もう1人って、文武両道でその武と知で数多の人間を葬った傑物!?」

「あらあらとんでもない異名が付いてるのねスパーダも」

「スパーダ様のことだったんだ。デヘヘ。後でサインもらわなきゃ」

 その間も2人は言い合いを続けている。

「この下半身ユルユルの人間媚び媚び馬キュバスが」

「言ったわね。この人間よりも小さくて粗末なそれで良く人間の女を満足させられてると勘違いできるわね馬ンプが」

「俺のモノは小さくなーい」

「だったら下半身で勝負する?アタシは別に良いわよ。毎日毎日、愛するダーリンとラブラブで、アンタの粗末なモノで満足させられるわけないから」

「この俺が人間の男に負けているだと。言わせておけばそんなに言うなら勝負してやるよ。お前のことを吸収して、俺の糧にしてやる」

 インプはお腹から女を取り出すと投げ捨てた。

「うっ。やっと解放された。下は入ってるかどうかわかんないレベルだったけど、身体中を舐められて触られてる感じはゾクゾクして、やばかった」

 女が解放されたのを確認したクスネとコノハが飛び出して、インプルを突き刺す。

「馬キュバス、卑怯だぞ。これは」

「クスネにコノハ、何してくれてんのよ!この馬ンプとは私が決着を付けるつもりだったのに」

 インプルから水晶が転がる。

「挑発に乗ったところまでは良かったのですけれど、あのままだったらリリス様が吸収されてましたから」

「何よ。アタシが負けるって言いたいの?あんな馬ンプに」

「恐らくこの水晶の力は対象を吸収する能力でしょう。リリス様を取り込んで、さらなる高みを目指そうとしていたのではないかと」

「要はリリスちゃんが挑発に乗って、喰われちゃうところだったのを助けたってわけよ〜。リリスちゃんを奪ったあの人間は大嫌いだけど。リリスちゃんが悲しむのは見たくないからね〜」

「成程、助けてくれてサンキュー」

「単純で良かったですわ」

「なんか言った?」

「いえ、御理解いただけて感謝致しますわ」

 サイプスだけでなくインプルも討ち取られて、コカトリスのコカットスは、どうするべきか思案していた。

「やれやれ。サイプスの奴で時間稼ぎをしてくれれば良いと考えておったが、流石スパーダじゃ。よもや、瞬殺しよるとは。インプルの方も挑発で吸収の段階に持っていったまでは良かったが女を吐き出すタイミングが早過ぎたゆえ。反撃を喰らって討たれるとは、それにあのラミアがクスネだったとは、どうして、マリアナ様に力を貸しておるのかはわからぬが。それにしてもゴーブの奴、完全にラミアの力は削ぎ落としたと言うておったのじゃがな。ワシの経験則からして、この状態からの巻き返しはほぼ不可能であろう。退くべきだがワシの背を追い討つ輩が来たようじゃの」

「コカットスの爺さん、久しぶりだなぁ」

「スパーダよ。どうしてデイモン様ではなくマリアナ様に力を貸すのじゃ?」

「愛する女のため」

「お前の愛する女はアラクネであろう。魔物同士、デイモン様に処罰されることもあるまい」

「なら、どうしてシープマンたちを使って、閉じ込めた?俺の力を恐れていたからだろう。だから俺を使って、ルイスだっけの命も狙った。俺はどうにも愛する女が側にいるとポンコツになるようでね」

「フッフッフッ。成程、そこまで見抜きおったか。だから、こんなのでスパーダを従えることなどできんとインプルには言うておったのじゃがな。それで、再会を懐かしみにきたわけではあるまい」

「いや、今この場でコカットス爺さんに何かしようとは思わねぇよ。アンタには一度命を救ってもらった恩があるからな」

「さようか。では、この場は一時退かせてもらうとしよう。次はデイモン様と参るゆえな」

「あぁ、次は俺も容赦しねぇ」

 反乱した魔物の第二陣も撃破することに成功したのだった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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