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ヴェスパラスト大陸記  作者: 揚惇命
最終章 真実をその手に掴み悪を討て

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ゴブリンとコボルトを処理する

 オックスは無事に魔王であるマリアナの元に辿り着いた。

「お前たち、すまぬ」

 オックスとアレクシアを守ったオークたちは殲滅されていた。

「全く、手こずらせてくれたがこれで終いだ」

「それはこちらの台詞じゃな。マリィ・ミリィ、追いかけてきて間延びしたコボルト共を殲滅してやるのじゃ」

「さてと料理してあげるとしますか。久々ね犬の肉は」

「コボルトのお肉は美味しいのです」

「この、鬼どもが、上等だ。そっちは2人。こっちは複数だぞ。そして、俺はこの姿で戦ってやる」

 コルトはそう言うと巨大で大きな山ぐらいの大きさになる。

「圧倒的、巨体から繰り出されるパンチで押し潰されてしまえ」

「私たち双子鬼に対して、犬畜生が勝てるとでも思ってんのかしらねマリィ」

「そうなのですミリィ」

 コルトが巨体からパンチを繰り出すがマリィとミリィはそれを軽々と受け止めた。

「なんだと〜〜〜〜〜」

「あらあらその程度なのです?」

「次はこちらの番よ」

 マリィとミリィは受け止めたその腕を持ち上げて振り回す。

「これはいかん。解除だ」

「腕が消えたのですミリィ」

「厄介ね。あの水晶玉」

 コルトは術を解除するとコボルトに戻って、マリィとミリィの攻撃を交わした。

「ふぅ。あの巨体を軽々持ち上げるお前らのが厄介だ」

「ほぅ。これがその水晶玉か」

「雪女!?それは俺のだ返せ」

「そうはいかん。ふむ。確かに父の力を感じるな。では、破壊してやるとしよう」

 マリアナは水晶玉を握り潰し、中の魔力を自身に取り込んだ。

「うむ。これは良い。少し若返った気分じゃ。こんな感じかの」

 マリアナはケルベロスに変化した。

「ガルルルルルル。この姿になると無性に肉が喰らいたくなる。コボルトの肉はさぞ美味かろう」

「まさか、水晶玉を壊して力を吸収したって言うのか!この魔王の出来損ないがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「酷い言われようじゃな。だが、お前たちの言う魔王が人を滅ぼすためだけに存在すると言うのなら妾は出来損ないで構わん」

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 コルトはケルベロスとなったマリアナに骨まで食べ尽くされた。

「やはりコボルトの肉は美味い。では、次はお前たちじゃ。妾に反抗したのじゃ。根絶やしにされても文句はなかろうな」

 コボルトたちは、シュンと項垂れ、マリアナにお腹を見せて、尻尾を丸めた。貴方に降参しますという意思表示だ。

「この役立たずの犬どもが。こうなれば私自らが相手をしてやらねばなりませんな」

「ほぅ。軍師が戦って良いのか?いや、使い捨ての軍師であったな」

 マリアナの挑発にピキピキと音を立てて怒り狂うゴーブ。

「言わせておけば、出来損ないの雪女風情が、この俺に指図すんじゃねぇ」

「では、相手をしてやろう」

「あんな小鬼、鬼の本当の怖さを思い知らせてやるのです」

「そうですわ。魔王様は、少しお休みください」

「お前たちがそう言うのなら妾に仕えてくれることになったコボルトたちと遊んでおくとしよう」

 魔王のマリアナが下がりマリィとミリィがゴーブの前に立つ。しかし、ゴーブは不敵な笑みを浮かべるとマリィとミリィに指先を向ける。

「ククク。この俺の能力の前にひれ伏せ。リジューヴァネイション」

「何なのです。身体がどんどん小さくなっていくのです。ミリィ」

「まさか、年齢を操れる魔法だと言うの?」

「ククク。確かに俺は小鬼だ。双子鬼であるアンタたちよりも小さいがお前たちを子供の姿にしたらどうだ。ククク、お前たち、そこの雪女の側近どもを押し潰してしまえ」

「この姿だと力が上手く入らないのですミリィ」

「わかってるわよマリィ」

「やれやれ、敵の魔法に簡単にしてやられて、何をやっとるんじゃお前たちは」

 コボルトたちがゴブリンどもを喰らっていた。

「キキー。ギャァ」

「この犬畜生がコルトの野郎がやられて簡単に寝返りやがって、鬱陶しいんだよ。全員赤ちゃんの姿にでも戻っていやがれ」

 コボルトたちとマリィ・ミリィ、そして魔王のマリアナまで赤ちゃんの姿に。

「なんかやったか」

「何故!?俺の術が効かない」

「実に有用じゃな。この、変化の術は」

「まさか、姿形を固定したっていうのか!?」

「フフフ。厄介な能力じゃが若返りには興味がある。その力も吸収させてもらうとしよう」

「あっ、いつの間に!?」

「お前がドヤ顔をしてあった時にこっそりと奪ってやったのじゃ」

 魔王のマリアナはゴーブの持っていた水晶玉を握り潰すとマリィ・ミリィ・コボルトたちの姿が元に戻る。

「バブバブ、ミリィ」

「バブーバブー、マリィ」

 2人は恥ずかしくて目を伏せていた。

「さて、これで後は知恵の冠をつけたお前だけだなゴーブよ」

「気安く名前を呼ぶんじゃねぇ。俺の主人はデイモン様、唯1人。貴様を仕留めて、デイモン様と新たな魔物の時代を作るんじゃ。じゃ?なんじゃ、ワシのしゅがたがきゃわって」

「どうですか?己の術だったものを自身に使われる気分は、ヨボヨボのゴーブ爺さん。この通り、全盛期まで若返った私に勝てるのかしら?」

「にゃ、にゃめやぎゃって、ワシは、みゃだ、みゃけるわけには、いかんのじゃ」

「これって、もーっと歳を取らせたらどうなるのかしら?今でもヨボヨボのゴーブ爺さん」

「やっやめにゅか。しょしょのようにゃ、ことをす れ ば う し ん ぞ う が ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ」

「あらあら死んじゃった。ごめんね〜。これが知恵の冠ね。はーい、装着っと。これは知識が溢れてくる感じがするわね」

「あの魔王様?」

「いつまでそのお姿で?」

「何々、マリィもミリィも羨ましいの?後で、若返らせてあげるね〜」

 2人は「お願いします」と声が揃っていた。

 こうして、オックスの降伏。コルトを失ったことによるコボルトの降伏。ゴーブとゴブリンの根絶やしで、オズマリア軍の第一陣は、脆くも崩壊するのだった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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