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ヴェスパラスト大陸記  作者: 揚惇命
三章 仲間集めの旅

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アラクミーたち蜘蛛女衆の協力を取り付ける

 スパーダに連れられてアラクミーがNo.1を務めるアラックネに入る。

「いらっしゃいませ。これはスパーダ様、アラクミー様がお待ちです」

「おぅ。入らせてもらうぜ。コイツも良いよな?」

「はい、そのように聞いております」

 奥の部屋では、アラクミーの他にリリスとミューラが居た。

「へぇ、嬢ちゃんたちがコイツを助けるためにアラクミーに泣きついたってわけか」

「えぇ、貴方のことはアラクミーから大事な人って書いてたからね」

「ちょっとリリス。そんなこと言わないで。私と彼はお客と店員の関係よ」

「それも今日で終わりだ。約束は忘れてねぇよな。コイツを助けたら俺と結婚してくれるってよ」

「えっえぇ。勿論よ。でもね。お仕事を辞めることはできそうにないの」

「何だと!?俺という旦那がいながらキャバクラで女を売るってのか。良いじゃねぇか!妻の働くキャバクラに旦那として行く。それも又、乙じゃねぇか」

「ねっ変な人でしょ」

「こんな男が土蜘蛛族、唯一の生き残りで最強の傭兵として恐れられているなんて」

「おぅおぅ、四天王の色欲のリリスさんよ。それは聞き捨てならねぇな。俺はこんな男じゃねぇ。愛する女のために毎日キャバクラに通う。そんな男だ」

「堂々と言わないで恥ずかしいから」

「カイルが無事で良かった」

「あぁ、コイツが助けるのが一歩遅かったら殺されてたかもな。だけど元はといえばコイツのせいだから礼はいわねぇよ」

「ガハハ、違いねぇや」

「笑い事じゃないんだからねスパーダ。この御方が亡くなってたら私も貴方も魔王様により首が飛んでたんだから」

「あんな、弱腰で籠ってる雪女に何ができるってんだ。おまけにショタ好きで毎日ブロマイドとやらにキスしまくってる女だぞ。あんなのに好かれる男ってのは可哀想ってもんだ」

 3人が俺とスパーダの後ろに目を向けて、顔が引き攣っていた。

「弱腰で籠ってるショタ好きの雪女で悪かったなスパーダ」

「おぅおぅ、どっかから引き篭もりの雪女の声が聞こえらぁ。こりゃ相当酔っちまったな」

「じゃあ、冷ましてやろう。特大の猛吹雪でだがな」

「げぇっ熟女の雪女!」

「お前は本当に口が悪いの。口は災いの元と何度言えば理解できる。アラクミー、お前本当にこんなガサツな男で良いのか?」

「えぇ。それに魔王様、ガサツに見えるかも知れませんが私にとってはそういうところもまた。ポッ」

「こりゃダメじゃ。恋の病というやつじゃな」

「全く、引き篭もりの雪女のせいで酔いが醒めちまったぜ。酒持って来いー」

「はい、ただいまー」

「馬鹿者、酒など持ってくるでない」

「かしこまりましたー」

「何、言ってんだ。行き遅れた年増の雪女の話聞くのに素面で聞けってか?無理だ無理だ。酒持ってこい」

「はい、ただいまー」

「スパーダ、真剣な話があるのだ。酒はいらん。わかったな」

「わーったよ。たく、酒はキャンセルだ」

「かしこまりましたー」

 魔王様が壁について語る。

「へぇ、成程な。それでアイツら俺に大金で協力するように依頼してきたのか。でもどうすっかな受けちまったんだよな。何たって、このアラックネに5年間は通える額だったからな。今更、断るってんならそれ相応の見返りが無いとなぁ」

「このチラチラと足元を見おって、オーナーを呼べ」

「かしこまりました」

 奥から初老の男性がやってくる。

「オーナー、アラクミーの足抜けに必要な金額は幾らじゃ?」

「いくら魔王様と言えどそのようなことされては困ります」

「では、アラクミーとスパーダの婚姻を認めよ。良いな」

「いえ、うちは独身女性のみで運営しておりますので、それも困りますな」

「成程、ではお前たちが裏切り者であるオークと手を結んでいることは知っているのだぞシープマンども」

「!?なっ何のことですかな」

「お前が授かったという能力は対象者をその地に縛り付ける魔法のようだな」

「ククク、引き篭もりの魔王と油断していたのが仇となりましたかのぅ。ワシがあの御方より賜った力はバインドアース。ここにいる女の全てがワシの所有物よ」

「だが心までは縛ることはできないのであろう」

「ククク。だが、魔王貴様が飛び込んできてくれたのは火に飛び入る何とやらだな」

「全く、舐められたもんじゃ。引き篭もりの年増のショタ好きなどと言われてすこぶる機嫌が悪い。手加減できぬゆえ、覚悟せい」

「引き籠ってばかりの無能の魔王が何をいうか。魔族の本懐は戦闘してこそ」

 魔王は言葉を交わすのも無駄と言わんばかりに魔法を唱える。

「ブリザードフリーズ」

 身体がカチカチに凍っていくシープマン。

「そんな馬鹿な!?ワシの身体が凍っていく。こんな力を持ってして何故人間と融和なぞ。口惜しや」

「トドメじゃ」

 魔王はその拳でカチカチに凍らせたシープマンを粉々に粉砕した。

「さて、これでアラクネどもは解放できたかの」

「ありがとうございます魔王様」

「俺はそんなこともしらねぇで、魔王様。すまねぇ。心を入れ替える。俺は、アイツらを許せねぇ。アラクネ族と共に魔王様にお仕えするぜ」

「お前の助力が得られて何よりじゃ。じゃが、年増のショタ好きの引き篭もりのダメダメな雪女と言ったことは許さんがな」

「そんな、冗談に決まってやすじゃねぇですかい」

「フン。どうだかな」

 とんでも無い威力の猛吹雪だったはずなのに俺たちには一切のダメージがない。シープマンどもを的確に凍らせて粉砕してしまった。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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