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ヴェスパラスト大陸記  作者: 揚惇命
三章 仲間集めの旅

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心優しい岩男の住む村

 ここは岩男ことゴーレムたちの住む集落だ。そこにゴブリンとオークが滞在していた。魔物にも序列がある。量産型のスライムに次いで岩があれば容易に再生できるゴーレムたちは盾として使い捨てにされるのが運命だ。ゴーレムは岩や土があればそこから作られるからだ。オークやゴブリンみたいに人間の苗床を必要としない種族。それが岩男ことゴーレムだ。

「オックス、お前がよもや敗れるとはな」

「ゴーブ、俺は破れたわけではない。妻のため、手を引いただけだ」

「だが、腕を失い。再生に時間が要すこととなったではないか。それは負けであろう」

「ぐぬぬぬ。確かにそうだが」

「俺も負け、お前も負けた。我らが王がお怒りでなければ良いのだが」

 外からのんびりとした気の抜けた声が聞こえる。

「2人とも、大丈夫でやすか」

「このウスノロのダメゴーレムがタオル持ってくんのにどんだけ時間かけてやがんだ。さっさと寄越せ」

「そう、強くいうてやるな。あれでも戦場では我らの盾となるのだからな」

「フン、逆を言えばそれしか取り柄がないとも言えるがな。まだかこのウスノロ」

「ヘイ」

 2人はタオルで身体を拭くとゴーレムの村の名物岩風呂から上がり、着替えるとこの村の長老の元へと向かった。

「決心は付いたか?」

「我々は魔王様にも人間国家にも付きませんとそう申したはずですがの」

「そんなことが許されると思っているのか。今ここで貴様らを根絶やしにしても良いのだぞ」

「そんなことをすれば、お隠れになられているあなた方にとっても良くないのではありませんかな。ここは持ちつ持たれつというわけには参らぬか?」

「ほぅ。お前は我々が隠れていることを魔王様にバラすとそう脅しているのだな?」

「そういうやり方もあるというだけですよ」

「そうか。残念だ。お前たち、この邪魔なゴミどもを片付けろ」

「キキィキキィ」

 何処からともなくゴブリンの群れとオークの群れが現れた。

「何をするつもりか?」

「知れたこと」

 オックスは槍にて長老ゴーレムを粉々に砕いた。

「何と愚かな」

「その状態でも喋れるのか。そうか、ここには土も岩も豊富だもんな。全て破壊するとしよう。貴様らが2度と刃向かう気の起こらん様にな」

「キキッ?キキッ?キキィーーーーーーーー」

 騒ぎ始めるゴブリンの群れを駆逐する。そこにはさっきウスノロと呼ばれていたゴーレムが居た。

「大丈夫でやすか長老?これは、許さねぇでやすよ」

「止めるのだ多勢に無勢、お前がいくらゴーレム最強の男でもこの数は捌ききれん。逃げるのだ。魔王様の元へ」

「長老。嫌でやす。みんなを見捨てて逃げるなんてできねぇでやすよ」

「この多馬鹿者が」

「あんさんらでやすねぇ。お客様だからこちとら耐えてきやしたけど、この村を壊滅させるってんなら話は別でやすよ。このタタンが相手してやるでやす」

「面白い、底辺の盾としての使い道しかないウスノロに何ができる」

「ほぅ。中々やると見た。相手してやる。正々堂々とな」

 ゴーレムたちも集まってきた。

「タタンに続け、俺たちの村を守るんだ」

「盾が何枚集まろうと我らには勝てん。それが序列というものだ」

 次々に粉々に砕かれていくゴーレムの中タタンは奮戦し、多くのゴブリンとオークを叩き潰していた。

「成程、ゴーレム最強という肩書きは嘘ではない様だ」

「幕引きとしてやろう」

「ハァハァ、みんなすまねぇでやす。オラは誰1人守れねぇでやした」

「そんなことはない。見つけたぞ。今度こそお前たちのリーダーの名前を吐いてもらうぞ」

 ルイスことカイルがこの村に到着した。何故ここに来たのか、それはミューラがゴーレムの村の名物岩風呂で疲れを癒したいと言い出したからだった。本当に偶然だった。そして、ゴブリンとオークもまた偶然ここを隠れ里にしていた。

「貴様生きていたのか。あの傷で、成程我らが王が懸念していたことも頷ける」

「オックス、これ以上、兵を失うわけにはいかぬ。撤退するぞ」

「そういうことだ縁があったらまた会おうぞ」

「待ちなさい」

「ほぅ四天王の怠惰のミューラか。珍しいな研究施設から外に出ているとは」

「貴方たちをそこまで惹きつける人間の王とはそこまでなのか?」

「ククク、人間の王か。そうだな。あの臆病な雪女に比べればマシだ」

「認めるのですね。人間の王がバックに付いていると」

「ほぅ四天王の色欲のリリスも一緒だったか。さぁ、どうであろうな」

 形勢不利と判断したオークとゴブリンが撤退した。追撃をしようにも道をゴブリンやオークが防ぎ追うことはできなかった。

「助かったでやす」

「岩風呂は無事ね」

「お客さんでやしたか。それは失礼したでやす。すぐに準備するでやす」

 えっいやいやこの状況で風呂!?周りゴーレムの残骸だらけなんだけど普通なの?人間の俺には理解できないがこのゴーレムも普通に応対してるところを見ると普通なんだろ。俺も入らせてもらおう。なんて気持ちいいんだ。これが岩風呂。堪能して外に出て周りを見るとゴーレムの残骸からゴーレムが再生されていた。成程、土さえあれば何度でも蘇るのか。長老の元に行き話を聞く。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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