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ヴェスパラスト大陸記  作者: 揚惇命
三章 仲間集めの旅

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動き出す陰謀

 ここは魔王国にあるオークの村。この村のオークを束ねるオックスは、鎧兜を着て、片手に槍、もう片方に大楯を持つ歴戦の戦闘狂である。

「あぁん。オックス様、もっと私にオークの子を産ませてくださいまし」

「フハハ。我らが王の娘よ。父の役に立てることが嬉しいと見えるな」

「はぃぃぃぃぃぃ」

「オックス様、ゴーブ様が参っています」

「なんだと、すぐに会おう。お前たちは引き続き、攫ってきた人間の女どもに子供を産ませ続けるのだ」

「はっ」

 ゴブリンを束ねるゴーブとオークを束ねるオックスの会談、よからぬことが動き出そうとしていることは明白だった。

「ゴーブよ。遠路はるばる、御苦労だな」

「オックス、我らが王より、命を賜った」

「何、〇〇様から!?申せ」

「魔王国に紛れ込んだ身なりが若い人間の男を殺せとのことだ」

「〇〇様らしくないな。たかが鼠一匹に怯えるとは、それほどの男なのか?」

「しくじってな。我らが村を滅ぼされた。死んだ我が息子たちは、苗床の女からまた産み出すから良いのだが計画に遅れが出たことを〇〇様は、大変立腹している。俺の尻拭いをさせることになってすまない」

「気にするなゴーブ。お前は遅れを取り戻すためゴブリンを増やしておけ、我が精鋭のオーク銃士団にかかれば、人間の男1人など瞬殺ぞ」

「事はそう簡単でもない。どうやら魔王が後ろについたみたいでな。裏切り者の炙り出しをしている。俺のことは最早バレてしまっただろう。この女奴隷どもを連れ新たな隠れ家に向かうところだ」

「魔王が後ろにつくほどの男ということか。人間と共存関係などとのたうち回っていた雪女が。面白い」

「では、後は任せるぞ。オックス」

「あぁ、ゴーブ。気が変わった。俺自ら向かうことにしよう。お前たち、これ以上の遅れは許さぬとのことだ。苗床どもに子を産ませ続けよ」

「はっ」

 オックスは、人間の女を1人下半身に装着すると意気揚々と馬に跨り、駆けて行った。

 サキュバスの村からやっと解放されたカイルことルイスは、近くの森に森林浴に来ていた。そこに鎧兜を見に纏い、人間の女を下半身に装着し、右手に大槍、左手に大楯を持つオークに遭遇する。

「フハハハハ、探して数日でまさか見つかるとはな。お前だな人間の国から逃げ出した若い男というのは?魔王に取り入ったそうだな。悪いがこれ以上、計画に支障をきたすわけにはいかん。ここで摘み取らせてもらうぞ」

「いきなり現れて、随分な物言いのオークだな。お前の後ろにもオズモンドが居るのか?」

「・・・」

「お前はあのゴブリンと同じくダンマリか」

「人間と語る言葉を持ち合わせていないのでな。さぁ、男らしく正々堂々直接対決と行こうではないか」

 どこの口で正々堂々とか言ってんだコイツ。下半身の女を盾にする気満々じゃねぇか。まぁ、俺が人間を斬れないと思ってんだろう。

「おい女、騒いだら舌を噛んで死ぬぞ。大人しくしていろ。わかったな」

「あぁん。はぃぃぃぃぃ」

 その間にも次々に産み落とされるオーク。本当にどの口で正々堂々とか言ってんだコイツ。それにしてもどうやって産んでんだ。あれ?

「不思議か?そうであろうな。まぁ、こういうことだ」

 目の前のオークが人差し指に集めた魔法で女に触れると透明になった。何故、見えるのかって。そこにゆらめきがあるんだ。

「これが俺に与えられた力、マテリアルパーミエイション、物質透過だ。この力で、俺が抱いている女は、入れながらにして、子を産むこともできるのだ。どうだ凄いだろう。安心しろ。貴様の攻撃で女を傷つけるつもりなど無い。全て透けるから安心せよ」

 御丁寧に説明ありがとよ。まぁ、女には攻撃が当たらないってことには素直に感謝しないとな。それにしてもあの力を本人自体に使えたら最強なんだが対象を選択しているあたり、自分自身にはかけられないんだろう。それに相手にかけたらそれこそ無敵のような技だ。透明状態で攻撃できるんだからな。だが残念だったな。

「お気遣い、ありがとよ。じゃあ、正々堂々やるか。うぐっ」

 一体どこから攻撃が。

「正々堂々、我が軍団でな」

 周りで揺らめいているのが見える。クソッコイツ、鼻っから連れてきたオークを伏兵として配置してやがったのか。俺を切りつける時だけ、物質透過を解除してやがる。どこが正々堂々なんだよ。

「フハハ。安心しろ。コイツらは今産まれた弱卒のオークだ。そのため致命傷を与えられないでいるだろ。こんなことなら最強の銃士団を帯同しておくのだった。まぁ良い。どこから攻撃が来るか分からず。俺を相手にして、お前に生き残る術などない」

 確かにコイツの言う通りだ。それにしてもその女が産み落としたオークを伏兵にしたとは。コイツは、ここで仕留めておかねば、誰かと合流されたら厄介だ。

「これでも喰らうのですぅ」

 どこからともなく声が聞こえるとあたり一面にパン粉が撒き散らされた。それにより透明になっていたオークの輪郭が浮かび上がる。

「なんだ!?貴様、1人ではなかったのか。卑怯者が」

「どの口が言ってんだ」

 だが俺を助けてくれた声の主人を見つけることはできない。それはオークも同じだった。果たして、俺を助けた者の正体とは。

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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