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ヴェスパラスト大陸記  作者: 揚惇命
三章 仲間集めの旅

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ゴブリンの村

 俺はゴブリンの村に来ていた。いや、正確には捕まった。リリスは逃げ切れただろうか?女であるリリスが捕まっていたら目の前で繰り広げられている陵辱に巻き込まれていただろう。

「お父様、本当にこれが国のためになるのですか!」

 そんなことを虚な目で呟きながらゴブリン共に群がられている人間の女。かってしったる人間の女。ゴブリンどもは魔王様を裏切り、オズモンドについた裏切りの魔族ということだ。

「ガキ捕まえたって?」

「こちらです我らが王よ」

 目の前に来たゴブリンは頭に金の冠を付け、人間の女に跨っていた。王様気取りってか?吐き気が出るぜ。

「人間の男が魔王国に何の用だ?」

「あぁん、もっと私に子を」

「煩い、少し黙っていろ」

 魔法だろうか?ゴブリンが人差し指でその跨っている女の背筋をなぞると声が掻き消えた。だが声を発しているのは口の動きからわかる。一体何をした?

「これは、俺の奴隷が失礼した。うるさくて敵わんが良い苗床なのでな殺すことなどできんのだ。悪しからずな」

「そうか、貴様も話せないのであったな。おい、口のものを解いてやれ」

「はっ」

 口にかまされていた肉の残骸となった骨を取り外される。

「俺に何をする気だ!」

「そんなことより自分の心配をしたらどうだ?お前がかまされていた骨が何の骨だと思っている?」

「まさか、人間の?」

「グフフ。迷い込んだ男だ。生産能力のない男の成れの果てと言えば良いだろうか。そもそも苗床として優秀な女は、俺の元に、生産性の少ない苗床は俺の手足として働くコイツらに、女は殺さんからなぁ」

 コイツらそんなものを俺の口に噛ませていたのか!ふざけやがって。

「どうして人間の女がこんなにいるんだ?」

「攫ってきたからに決まっているだろう。25年前の魔王国の人間国への侵攻作戦でなぁ」

 流石にいきなりボロは出さないか。25年前に攫ってきた。そういうだろうな。だが、それにしては若い女が多い。人間には寿命がある歳を取らないわけがない。明らかに嘘をついているのは明白だ。

「その顔は信じてないな。では、こちらにあの女を連れて来い」

 ゴブリンに金の冠、金の錫杖に金のトロフィー、ジャラジャラと宝石類を散りばめられたネックレスに指輪を付けた男がそう命令していた。長くて煩わしいから以後ゴブリンキングと呼ぶ。連れてこられたのは、とても子供を産めそうにない老婆だった。

「ワシに何をする気じゃ。とうとう喰われるんか。そうか、ワシの番か。そうなんじゃろう?」

「人間の女はどうしてこうも煩いのだ。まぁ、良い。見せてやる我が力をな」

 ゴブリンキングが人差し指に魔力を集め、それを下半身に集中すると、今まで抱いていた女から抜き、老婆に入れた。

「何じゃ、こんなババアに興奮するんか!ゴブリンとやらは、やめんか。この外道が。へっ?若返ってる?それに何で私対抗なんてしてたんだろう!あぁん、ゴブリン様〜私にもっと精をください〜」

 ありえない、年老いた老婆だったはずだ。だが、今目の前にいる女は、明らかに若返っている。それも20代ぐらいに。

「どうだ、これがワシのみに与えられた魔法の力、リジューヴァネイションという若返りの魔法だ。勿論、中も全てだからこの年老いた老婆も子供産める。見ているがいい」

「あぁん、そんな。お腹が膨らんで。ウプッ産まれる〜」

 その年老いた老婆だったであろう人から一度に5人のゴブリンが産まれた。

「ハハハ、これは良い拾い物をした。優秀な女だ。ワシの子を一度に5人も産み落とすとはなぁ。この女を俺の寝室に、そこに転がっている女は、お前たちにやる。一度に3人も優秀だが5人はさらに優秀だからな。ガッハッハッ」

 かつて、こうして産み落とされたゴブリンと人間は戦っていたのか?奴隷の人間の女が産んだゴブリンと?

「さて、話を戻そう、貴様は何者だ。どうして人間の男がここにいる?答えよ」

「・・・」

「沈黙か。面白い。では先ずは腕を切り落とすか。死なない程度に身体を解体して、必ず吐かせてやる」

「我らが王よ。魔王様がこちらに向かってきております。ここで計画を知られるわけには行きませぬ。お逃げください。ここは、我らが足止めしておきます」

「すまぬな、我が息子たちよ。必ずやまた産み落としてやるでな」

「はっまた貴方様の子として産まれることを心待ちにしております」

「命拾いしたな小僧。今はまだその時ではないのでな。引かせてもらう」

「待て、お前たちの上に誰が居る?答えろ」

「・・・」

「沈黙かよ」

 ゴブリンキングが去って、少ししてから俺を助けにきた魔王様により救出される。

「カイル、大丈夫かえ?」

「魔王様?うっ」

「リリス、カイルを介抱してやるのじゃ。クスネ・コノハ、ここにいるゴブリンどもを1匹残らず駆逐せよ」

「かしこまりました魔王様」

「小鬼ども覚悟しろよ〜」

 ゴブリンどもが根絶やしにされる。だが俺だけは知っているゴブリンキングがいる限り、このゴブリンたちは不死身なのだ。また、あの奴隷の女から産み落とされる。そのことがわかっているからあのゴブリンどもはゴブリンキングを流すために足止め役として居座ったのだ。その身を犠牲にしても。ゴブリンキング、奴の不思議な力は一体何だ?どうやって手に入れた。そこにもオズモンドが絡んでいるのか?


 無線にて誰かと言葉を交わすゴブリン。

「◯◯様、申し訳ありませぬ。小僧を取り逃し、決戦のため産み落としていたゴブリンの大半を失いました」

「フハハ、魔王も存外馬鹿ではなかったという事か。それにしてもあの逃げ出した小僧が魔物を束ねようとしているとはな。早急に排除せねばならん。計画に失敗は許されんからな。オックスにも見つけ次第殺せと通達しておけ」

「はい。我ら一同、◯◯様の到着を首を長くしてお待ちしております」

「うむ、大義であったゴーブよ。引き続き、ゴブリンを増やすのだ」

「はっ」

ここまでお読みくださりありがとうございます。

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