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転生したら人権のない被差別種族だった件  作者: ニャンコ教三毛猫派信者
第二章 解放の戦士
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第五十三話 け、結婚!?


「心配するなって。もうしばらくしたら休めるはずだから。少しずつノイトラたちの移住を進めていく。

そうしてここに新たな国、ノイトラ王国を建国する。いや、トーマ王国のほうがいいいかな?」


「えっ……」


「とにかく今やってる最中だ。静かにしてろ」


「はい……」


俺は廊下の真ん中で立ち止まり、目を閉じて集中した。今の俺は何でもできる。何でもだ。

無敵になったんだ。分体ぐらい出せないでどうしようか。

俺は意識を集中させ、合衆国の首都フィラデルフィアのど真ん中に分体を出現させた。


とともに、この世のすべてのノイトラたちの頭に同時に語り掛けた。


「ノイトラの諸君。諸君の王だ。初めましての人は初めまして。そうじゃないやつ、ウィッス。

このたび俺は某所にノイトラ王国の樹立を宣言する。つきましては移民を募りたいと思っている。

まずは合衆国の首都フィラデルフィアからだ。老いも若きも全員を歓迎しよう。

特に料理人のエリザベスは必ず移民してくるように。移民希望者はゲットーにいる俺、トーマが受け付ける。

俺の姿も声も居場所も諸君はすでに知っているはずだ。きっとそう、生まれる前から」


俺は通信を切ると分体のほうに意識を集中。大きな看板を出現させてゲットーの町辻に立ち尽くした。

するとどうだろう。通信を聞いて黒山の人だかりができたではないか。

俺は決して命令はしていない。歓迎すると言っただけだ。だがやはりノイトラの諸君にとって魅力的な響きだっただろう。


たとえば十九世紀、俺はダビデ王の血を引くユダヤ人の王だ。アラブ人を追い出してイスラエル王国を作ったから移民を募る!


などとヨーロッパやロシアやアメリカなどに住むユダヤ人の頭に声が響いてきたらどうだろう。

多分、仕事を捨ててでも行くだろう。ノイトラにとってもそれと同じじゃないだろうか。


幸か不幸か、今回これを行えたのは皮肉にもエグリゴリの協力あってこそなのだ。

首都・フィラデルフィアはエグリゴリの送った軍勢によって壊滅状態。

生き残ったのはごく少数の権力者や上級国民とノイトラばかりだが、権力者たちにもはや何もできることはない。

ノイトラたちは自由だった。が、当たり前の話として、農業や収穫物の運搬業者、それに食料の小売店などといったことはすべて人間が行っている。

狭間の世界にいる俺たちはともかく通常のノイトラたちには物質を生み出すことはできず、人間がそれらをしてくれないと飢え死にしてしまう。


だから今のノイトラたちは今回の事件での死者も少なく、また自由になれたとはいえ先行きの不安が極めて濃厚であった。

移民したいと考えるものは多くて当然といえる。と、ここで何だか久しぶりに会う気もするが、ゲットーにマリーとミリーの姿が見えた。


「おっ、ちょうどよかった。お前たちに会えるのを待ってたぞ!」


「王様。いったいどうして。セシル君たちはどうしたんですか?」


「お父様やトントンさんもいないようですが」


俺はいちいち説明が面倒くさいので大雑把に述べた。


「細かいことは気にするな。万事順調。狭間の世界にノイトラ王国を樹立したんだ。

お前たちもこれをもって移民を受け付けてくれ!」


「ええっ」


俺の持っていた刺激的な看板を増やして二人に渡し、移民の申し込みはますます増えていった。

移民受け付けは意外と手間がかかった。名前と受付番号を記入するための紙を用意し、これが百人分埋まったのは受付開始から三十分後のこと。

俺とマリー、ミリーで分担したので一人あたり三十三人分だ。最初の移民団が組織されたところで俺は次の段階に進むことにした。


俺はいったん分体から意識を戻し博士を呼ぼうとしたが、気が付けば周りは奴隷たちに囲まれてしまっていた。


「王様、私たちを解放しに来てくれたんですか!」


「家に帰りたいんです!!」


「待て待て、わかった話を聞け。静かにしろ」


といった瞬間面白いぐらいに部屋から出てきた奴隷たちは静かになった。

面倒くさいがいったんネットに入りなおして条件を絞り込み、俺の周囲百メートル程度にいるノイトラにだけ聞こえるように言った。


「お前たちは地上から連れてこられたノイトラだろう。その心痛は想像を絶する。

家に帰りたいものもいるんだろうが待ってくれ。俺はここに移民を募っているのだ。

もっと住みよい町を建設し、この労働に従事する人数を二倍、三倍に増やすことで負担を半分、三分の一に軽減していく。

必ず必要な仕事だからな。家に帰りたいのはわかるが、頼むから少しだけ待ってもらいたい」


俺から向こうへ何か言うことはできるが、ノイトラから俺に何か言うことはできない。

反応があるのかないのかもわからないまま俺は意識を分体に戻した。


と同時に俺はベンツ博士に話しかけた。


「博士、俺でもできたなら理論上博士でもできるはずだ。博士も分体を作らないか?」


「ちょっと待ってそんなこと出来るの!?」


「出来ると思うわ。ノイトラならだれでも」


「やろうやろう、すぐやろう!」


ベンツは面白いものがあったら何でもすぐに飛びつく性格なので俺の誘いには文字通りの二つ返事で乗ってきた。

手順は二つだけだ。ベンツにノイトラとして生まれつき禁じられている能力の開放を俺が行ってやるだけでいい。

しかもそれは命じるだけですぐ済んだ。俺はやろうと思えばこの世のすべてのノイトラにこのような真似をさせることができる。

が、別に今やる意味はない。俺はベンツと一緒にネットに潜って合衆国の首都・フィラデルフィアで新たな蜜月の時間を始めた。


移民船を作るのである。しかもそれは二種類に分かれている。

第一のタスクは移民船といってもベンツに指示された通りに簡易な車とそれを作る工作機械を生成するだけのミッションだ。

これと並行して第二の移民船を作っていくのだ。それこそが狭間の世界から外へ向かう宇宙船。

こちらは移民船とは違って非常に大規模で時間がかかるし、技術的課題も多い。

そこはベンツとエースに丸投げする。わが王国には今のところ技術者がこの二人しかいないからな。


さて、誤解を恐れずに言うなら今までの物語とここからの物語はかなり毛色の違ったものになってくる。


もちろんノリは一緒だ。とにかく淡々と物語は進んでいき、人が死ぬことも下らんギャグを飛ばすのも世界の秘密が明かされるのも、すべて同じノリで進んでいく。

だが一方でかなりのイメージチェンジがやむを得ず行われることだろう。


首都で車を作ったはいいが予想されていた問題は当然発生する。

俺とベンツ以外に車を操縦できるものがいない。

結局俺の分体が十二時間以上をかけて首都から移動し、狭間の世界につながる小さな通路を走ってエレベーター前に停車。

そしてエレベーターで彼らを俺の本体がいる階層まで、子どもが泣くだのおなかが空いただのと、さまざまなストレスを訴える人々をなだめすかしながら到着。

ここには車を置いてあるので運転して、やっと俺の本体がいるノイトラ牧場にたどり着いた。


ここまで二十時間近くかかっており、肉体的には一歩も動いていないながら俺の精神的な疲労感は相当なものがある。

しかもまだ終わりではない。俺は彼らが到着するとすぐ、分体を動かして車をエレベーター前につける。

分体はそこで消して、またゲットーに出現させられるのでいいが車はそうもいかない。

帰りは運転手の俺一人なので軽いし飛ばせるから人を乗せているときの半分くらいの時間で車を戻せるとはいえ、結局移民させるのに丸一日以上もかかってしまった。


一回あたり百人という高効率だからいいが、あと最低でも五十回くらいは同じ作業を繰り返さないといけない。

もちろんベンツも同じ仕事をしているので半分で済むが、これは緊急作戦会議を開かねばならなかった。

といっても俺に遅れること三十分ぐらいしてベンツが帰ってきたら、まずやるべきは建設作業にほかならなかった。


疲労困憊のベンツの分体が車を定位置に戻したのを見届けた俺は、隣にいるベンツの本体に話しかけた。


「よう博士、お疲れ。俺よりちょっとだけ安全運転だったみたいだな?」


「トーマ君。君が私に話しかけてきたということは……」


「博士も俺に話があった?」


「そうだね。我々の考えていることはどうやら同じらしい。作戦会議をしよう」


「マリーとミリーがいる。二人にも手伝わせるのは?」


「安全性が不安だ。二人に運転させるのはね。まったくの素人だし。というか君は何で運転がそんなうまいんだ?」


「才能かもな。というのは冗談で、安全性は確かに問題だけど……いっそのこと俺が複数の分体を同時に操るとかは?」


「おそらく君は倒れる。君に過剰な負荷を与えるのはナシだ。もっとも、もう与えてるかもしれないが」


「それはそうだな博士。もう少し話してたい気もするが、どうやらその時間もなさそうだ。

この間博士と作業したあの仮設住宅……あの経験が意外なとこで役に立ちそうだな」


「そうだね。この狭間の世界、安定して寒いんだよね。暖房システム完備の家は必要だね。

食料や衣料品、さまざまな物資を貯めとく倉庫もいる」


「しょうがない、なんか頭が痛いけどやるか!」


「ああ。二人とも建設作業をやってもらうよ?」


「おう」


「久しぶりにやることなくて暇だったんだ。やるよ」


親父とトントン、かなり手持ち無沙汰だったところなので肉体労働を命じられても嫌な顔一つしなかった。

ほんのりスリットから人工太陽の光が漏れている薄暗いこのだだっ広い空間にはまずランプの明かりが必要だった。


そのくだりもまったく同じことを首都でやったものである。俺たちは親父たちに明かりを提供して倉庫を建設開始。

そして例の高密度プラスチックで出来た非常に頑丈な素材でできた板材を作って渡した。


車とか家とかをパッとこう最初から作れたらいいのだがそれはエースによると無理とのこと。

ただしこの建設作業中にエースに助けを求めたところ、次のような答えが返ってきた。


「コンセントが必要なんだよね……私は一応それをプログラミングできる。デジタル上でインプットして……」


「わからないけど、つまり何が必要なんだって?」


「私は家を出力できる。でもちょっと待ってて。その前に食料を調達しておいて」


「エースってスゲーな……」


「エグリゴリちゃんも同じこと出来ると思うけど行ってみたら?」


「行けたら行く」


「行かないのね」


俺とベンツと親父とトントン。四人が倉庫作りや食べ物作り、それにこの間の一時的な避難所とは違ってこちらの家には必要になるので家具づくりにも集中していた時のことだ。

エースがおもむろに倉庫にモノを運んでいる俺に近づいてきてこういった。


「出来た。お家、出力できると思う」


「まじでかよ。じゃあ博士、エースにシステムを教えてくれ」


「ああ。この家はエトワールシステムと言って……」


「なるほど」


エースは話を聞くと一旦戻った。そして三十分くらいしてまた外へ出てきて、突然建設予定地にどでかいマンションが出現した。

軽く高さ十メートルはある。俺たちはドヤ顔のエースに対し、エースが思っているよりは好意的な反応をしない。


「あれ、どうしたの?」


「いや、その、エースさん。こんなに高い建物を作るとは思ってもみなかったもので……」


「トントンは言い方が優しすぎる。ハッキリ言って邪魔だ」


「えーっ!? 通勤を考えたらできるだけ職場の近くに集合住宅をまとめて建てたほうが効率よくない?」


俺たちはエースをなにもイジめたいわけだはない。むしろこの意見は正論であることは承知だ。


「それはわかる。トントン、説明してやってくれ」


「ああ。ごめんねエースさん、言葉足らずだったようだね。我々は家具を運び込まなくちゃいけない。

ここは移民たちに生涯住んでもらわなくてはいけないんだ。できるだけ環境はよくしたいからね。

高層階の部屋まで家具を運ぶのはそれだけ重労働になる。正直キツイ」


「あ、それなら私が運ぼう」


「それは助かるけど……」


「それに人口密度がこんなに高いことを計算して暖房設備や倉庫を建設してないんだエース。

つまりこの倉庫や暖房設備はタワマン専用にして、元のやつを作り直しってことだ」


「第一人口密度が高いとさ、ほら……わかるだろ。わからないか。子育ての意欲がなくなるだろう」


との親父の意見にエースは首をかしげる。

そして、非常に人間への理解度が高いことを示す意見を言ってくれたが、あと一歩のところで少しだけ人間を理解しきれていないのが見て取れた。


「どうして? 周囲に人口が多いほうが子育て世帯へのサービスが受けやすいわ。

子育てを引退した世代にも若い世代が頼りやすくなるかもしれないし……」


なんというか、俺も日本に生まれた身としてこんな似ても似つかぬ異世界で、まるで日本で耳にしたような身につまされる議論を聞くとは思わなかった。

確かにその通り、理論上は人口密度が高いほうがエースの言う通りに子育てを終えた世代に子供を預けて親が働く、みたいなこともできそうだ。


だが、子どもが遊ぶ声がうるさいと子育て引退世代がクレームをつけ、子どもの遊び場が取り壊されることもある。

また、逆に子育て引退世代には支援をする用意がある場合でも、明らかに支援が必要なのに支援を受けようとしない、もしくはその問題を認識していない夫婦の子供が幼くして死ぬ、みたいなことも起こる。

後者の場合を具体的に言うとパチンコ屋で親が遊んでいるうちに駐車場で子供がチャイルドシートに乗ったまま蒸し焼きになる、みたいなことだ。


何事も理論通りにはいかないのが人間の世の中というもの。それをわかっているためか、親父はこう返した。


「俺たちの二十年近くにわたる計画はすべて狂った。ここ最近ずっとアドリブで想定外のことに対応するので精いっぱいだった。

だがとにもかくにも、トーマのおかげでここまで来られた。この国は始まったばかりだ。

俺たちの細心の注意がこれからの国を良くしていくのに必要だ」


「わかったわ。私が悪かった。でも取り壊すことないでしょ?」


「ああ。家具を上に運んでくれ。おいみんな、倉庫と暖房と貯水槽を再調整だ。

これが終わったらまた同じのを作るぞー」


「その、ごめんなさい……」


エースが頭を下げると俺たちはいっせいにフォローに回った。


「構わん。同じような建物ばかりだとつまらないし、変化をつけるのも必要かもな」


「珍しく親父と意見があった」


「私も」


「同じく。で、どうしよう。あの建物は目立つけどどういうノイトラに住んでもらおう?」


「あ、集合してると子育ての意欲がわかないんでしょ。じゃあお年寄りは?」


親父はこれを鋭く切り捨てた。


「ノイトラの老人は少ない。それに足腰が悪いと住めても三階くらいまでがせいぜいだろう」


「それは確かにね……じゃあ独身向け?」


「それはいいアイデアじゃないか? 独身ばかりが住むようにして、家だけじゃなく出会いの場にもすればいい。

俺たちもノイトラを単純に増やすっていうトーマの意見は賛成だ」


「それはそうだけど独身向けか……それだったらスポーツのできる運動場とか出会いの場になれるものを色々つけてあげたいね。

せっかく移民してきてくれたわけだし。酒場やレストランとか、飲食できるところがあると出会いや口説きや、プロポーズの場にもなるんじゃないか?」


「トントン、結婚したこともないのに知ったかぶりしてる」


「な、なんだよ。悪いかトーマ?」


「いや別に。妻と子を放置して家に帰らないよりずっといい」


「そいつはだれか特定の人物のことを批判してるのかね、ノイトラ王国の国王さん?」


「いや別に。一般論だけど」


「まあいい。アランの意見も一理ある。この辺一帯の者が通えるように運動場を作る予定地を確保しておこう。子供も遊べるしな」


「ふっふっふ。みんな意外にウブだねぇ。私はもっといいアイデアがあるよ?」


博士は目を閉じ腕を組んで笑っていた。勝利を確信した余裕の笑みである。


「なにっ、博士……そのアイデアとは?」


「この建物は住居ではなくてホテルにしてしまおう。宿泊施設だ。酒場をつけるのは賛成だがね」


これにはやっぱりエースが不思議そうに首をかしげた。


「ええと、こんなところに宿泊なんかしてどうするの。観光地でもあるまいし」


「ふふふ。エースさんの想像が及ばないのは無理もないが、この街にも一つくらいあってもいいと思うんだよね、宿泊所」


「確かに。それならある程度密集した市街地を作ってもホテルで結婚してくれそうだよ。

考えたなディーゼル=ベンツ。意外と人間を知っているみたいだ」


「アラン、知ってるでしょ。私も昔から言ってるけど、私は知性が好き。知性を持つ人間が好き。

それ以外にこの世界に面白いものはないと思ってる。人間のことはいつだって勉強している」


「ホテルで結婚……? なぜ宿泊所で結婚? あ、そういう意味?」


ベンツはさすが学者らしいところがある。下ネタに顔を赤らめることもなく、聞いてきたエースにまっすぐに答えた。


「そうだね。まあそういう意味もあるけど、実際ホテルで比喩なしに結婚するのはメジャーなほうだ。

酒場や運動場などを作ってストレス発散兼出会いの場を作るっていうのは悪くない考えだ。

とりあえず予定地だけ確保しよう。それよりエトワールシステムを作らないとね」


「そうだな博士。ところでここの床、基礎を打ち込むことはできるだろうか」


「出来ないね。その代わり自然災害とは縁遠い。土地はとても安定している」


「なら基礎は要らないかな。三階建てくらいなら……あ、そうだエース。

話のせいで中断してたけど家具を作っといたから運搬よろしく。上の階から順にだぞ!」


「わかった。そっちは任せたわ」


エースは俺たちが作り置きした五世帯分ほどの机と椅子とベッドを見ると、まずは一セット、一人で持って行った。

ちょっと家具が寂しい気もするが、まあよっぽどのことがない限り不満は出ないことかと思う。

不満がでてから住民に新しいのを支給すればよいのだ。支給できるだけの能力が我々にはある。

そのエネルギーを住民のノイトラが供給する。持ちつ持たれつの関係性なのだ。


前回は中途半端なところで突然兵士が襲ってきて少しだけ未完成ではあったが、今回は一日の作業で完成。

さっきので反省したエースが注文通りの家をプログラムして出力してくれたおかげで、通常考えられないほどのスピードで完成したエトワールシステムの住居だ。

正直言って俺らは手際が良いとは言えない。少なくとも家を建ててから移民を連れてくるべきだったろう。


エトワールシステム。俺が適当に考えたのをベンツが手直ししてくれて完成した居住システムだ。

水と暖房を中央棟が管理し、そのそばには食糧庫も。

これによりこの時代にはまだ馴染みのない空調設備と上水道を備えた住居ができた。

こんなの大統領官邸にだってないはずだ。下水さえ整備できればシャワーが用意できるのだが。


「まあこんなところか。さて博士、疲れてるとこ悪いが、もう一度だけ付き合ってくれないか?」


「え? 私もうクタクタで……」


「悪いがわがノイトラ王国では使える人材は限界まで酷使することになっている」


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