1-41 『見習い錬金術士ミミリの冒険の記録 3錬成目』
【ガラスの粉末】
あらかじめ色ごとに分別したガラスの砂をゴリゴリと粉末になるまですりつぶして、他の錬成アイテムにも使いやすくしたものだよ!ただ、すりつぶす前には下準備が必要。綺麗に洗って汚れを取り除いた後に、水気を拭き取るか、よく乾かしてから使ってね。色はたくさんあるけど、個人的には黄色と赤が好き。赤っていっても、すりつぶすと薄いピンクみたいでとっても可愛いの!
・ガラスの砂(各色)×5
【絶縁の軍手 失敗作 特殊効果:軍手をはめた状態で嫌われたい対象へ触れると、一時的に絶縁状態になる。効果継続時間は、対象者の機嫌が直るまで】
この効果はすごいよ!怒りたくなくても怒っちゃうの。ゼラくんの顔も見たくないし声も聞きたくな〜い!って思っちゃうの。思ってもないことを口に出したりね。ちゃんと頭ではダメだってわかってるんだよ。でも、ゼラくんを目の前にするとダメだった。いつかまた使う日がくるかなぁ。
・木綿の糸 ×2
・【ガラスの粉末】×1 (お好みの色)
【絶縁の軍手 良質 特殊効果:品質が良質以上の場合、絶縁効果が発現。電流を通さなくなる】
失敗作の後、試行錯誤を経て完成したアイテム。この軍手をはめておけば、雷電石の採集や錬成もへっちゃら。だけどあくまでも軍手部分にしか効果がないの。静電気は嫌だけど、全身このアイテムに身を包むのも嫌だよねぇ。だって変態みたいでしょ?
・木綿の糸 ×2
・【ガラスの粉末】 ×1 (お好みの色)
・木の屑 ×1
【雷電石の粉末】
とにかくとにかくすりつぶす!んだけど……、【絶縁の軍手】なしにやるのはかなり刺激的。多分、電撃で意識を失うよ。すりつぶすたびにバチバチと火花が散るから目が痛くなるのが難点なんだけど、目を保護できるゴーグルみたいのがあったらいいのかなぁ。ゴーグルしながら錬成するとか、なんか職人さんみたいでかっこいいかも!
・雷電石 ×3
要検証
【睡眠蝶のしびれ粉 最高品質 麻痺(大) 追加効果:対象の身体の自由をめまいや麻痺などで奪う。大量に摂取した場合深い眠りにつくことがあるが、生命を奪うには至らない】
ソウタさんが雷様のお酒に盛ったと思われるしびれ粉だよ。多分、睡眠蝶の鱗粉を使ってるんだと思うんだけど、他の構成アイテムは検討もつかないや。それに、最高品質ってすごすぎるよねぇ!私もソウタさんに少しでも近づけるように頑張らないとね!
・睡眠蝶の鱗粉
・?????
・?????
○雷様のブレスレット
雷様の加護の証として、可愛い猫のチャーム付きのブレスレットをもらったよ。お互いの居場所がわかったり、雷様が姿形を変えても雷様だってわかるみたい。ドラゴンもカッコよかったけど、猫はとっても可愛かったな。雷様の正体を知らない人の前で、「雷様!」って呼ぶわけにはいかないだろうから、何かあだ名考えないとだよね。うぅ〜ん。カッコよくて、それでいて可愛い名前。雷だから、ライちゃんとかどうかなぁ。怒るかなぁ。
○雷のロッド
使用者登録も無事に済んで、新たに仲間になってくれた私の新しいロッド。もちろん、今までの木のロッドも大事に使うよ。時と場合に応じて使い分けることになりそう。
ちなみに使用者登録が済んだこのロッドの持ち主に対する雷属性の攻撃は無効化されるよ。
☆今回の採集活動の感想☆
雷様と出会った時には、私たちが怒らせちゃったからどうなるかと思ったんだけど、緑の扉の部屋では仲良くなれた気がして嬉しかったよ。うさみやゼラくんとも仲直りしてくれて本当に良かった。最後のほうでは、雷様とゼラくんは目で語り合うくらい仲良しになってたしね!
それにしても、雷様がまさかソウタさんのお友達だったなんて世間は狭いよねぇ。そしてアルヒとも面識があったなんて。
ソウタさん、一体何に悩んでいたんだろう。錬成メモから、すごく追い詰められている感じが伝わってきたんだ。大事に思っているアルヒたちと離れることも苦渋の決断だったんじゃないかな。今もどこかで苦しんでいるなら、絶対、助けてあげないと!
あと……。ゼラくん、地上から地下空洞へと続く階段で体調崩してしまったのって、トラウマとかからくる発作なのかなって思ったの。もちろん詮索なんてしないけど、少しでも負担を軽くしてあげられたらなって思うんだ。何か力になれたらいいんだけど……。
とりあえず、帰りの階段ではライちゃんの荒療治で発作を起こすことはなかった(失神してた)けど、同じようなことが起こった場合にどう支えてあげればいいのか、最善がわかるまでは普通に接せるよう心掛けようと思うよ。
変に構えず、自然に、自然にね!
間違っても、「ご機嫌いかがかね」なんて聞くのはダメだよ。笑われちゃうからね!
……ああああぁぁぁ思い出しただけで顔が熱く……。
じゃなかった!ただの、例え話だからね?
そうだなぁ、「調子はどうだい?」とかそんなのだったら平気かなぁ。
ポイントは、とにかく、自然に!だよ⁉︎
あ、そうだ!
今度ゼラくんが具合悪くなった時にライちゃんがいなかったらね、私が代わりに気絶させるっていうのも1つの手かもしれないよね?ソウタさんが雷様にしたみたいに、薬を盛るのもいいかもしれないし、首の後ろを、エーイッて叩いて気絶させるのもいいかもしれないよね。
うーん。やっぱり、エーイッて叩くのは無理かもしれない。痛そうだもん。いい錬成アイテムがないか、考えてみよう。そうしよう!
ゼラくんの属性習得も終えて、私のプレ冒険も終えて、ついに、旅立つ時が来たのかもしれない。
旅立ちに関しては、不安よりも期待と希望に溢れているけれど、その前に、悲しいお別れも済ませなきゃいけないね。
大好きなアルヒ。
私のママ、お姉ちゃん、友達……私の大事な家族。
別れるのは寂しいし、辛いけれど、今生のお別れっていうわけではないから。そうならないためにも、私は旅に出るんだから。
泣かない、のは無理だと思うけど
せめて泣きながらでも、笑顔で
「行ってきます」
って言えるように、頑張るんだ。
私の冒険の記録が、貴方のお役に立てますように。
著者:見習い錬金術士 ミミリ
次話、1章の終話です‼︎
番外編も含めますと、2/14の初投稿以降、毎日更新してきたのでとても感慨深く、達成感があります。
明日から、終話、幕間、回想と続きます。
改めて皆様にご報告ですが、1章の回想を終えた際一度完結設定させていただきます。
現在、2章執筆中なので連載再開予定なのですが、1週間程度のお休みをいただき、2章に向けてのチャージ期間&1章の改稿に充てる期間とさせていただきたいです。
ちなみに、回想の語り手はうさみです。
新たな視点でお楽しみいただけるお話となっていると思います。今しばらくお待ちください。
そして!2章もお楽しみいただけるよう、鋭意執筆中です。よろしくお願いいたします。
次話は明日の投稿を予定しています。
よろしくお願いいたします。
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最後までお読みくださりありがとうございました。
続きを読みたいな、と思ってくださった方がいらっしゃいましたら、是非、ブックマークと☆☆☆☆☆にて評価をお願いいたします。
執筆活動の励みにさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
うさみち




