3-43(回想 後編)名探偵うさみの事件簿 3推理目
名探偵うさみの事件簿はまだまだ続くわよんッ!
《主要な用語》
◎冒険者ギルド
アザレアの街役場の2階にあるわ。冒険者が集い、依頼を受け成果を報告して達成報酬を得る場ね。殺伐とした雰囲気かと思ってたけれど優しい人が多かったわ。
でも、いわゆる冒険者! っていうニオイがぷんぷんしているわ。わかるわよね? 臭いじゃなくて、ニオイよ。……ん〜まぁ、ちょっと汗臭くもあるフロアだけど、仕方ないわよね。みんな一生懸命働いてるのよ。
◎身分証、メモリアルツリー
人とともに記憶を刻む、とも言われる木――メモリアルツリーをもとに作られたのが身分証よ。その人の魔力に反応して文字がじんわり浮かび上がるところは私たちとアルヒが文通するのに使う錬成アイテム、【大切な貴方へ】と似ているけれど、それより数段感度がいいわね。魔力を流し込むことを意識しなくても反応するもの。
まぁ、老若男女が身分証の保有義務があることを思えば、当然の仕様かもしれないわね。
身分証の詳しい説明は、『3-14 メモリアルツリー』で振り返ってもらえたら嬉しいわ。投げキッスしちゃうかも。
私たちは、このメモリアルツリーにスズツリー=ソウタの手がかりがあるのではないかと踏んでいるの。だから、冒険者ギルドに詳細情報の提供を依頼中よ。私たちの冒険の謎を解く、ヒントの一つになるような気がするのよね。
《主要なアイテム》
◎瞑想の湖の結晶
瞑想の湖でアルヒ似の少女が湖の中から取り出した輝く蒼の球体。
「大事にとっておいて。きっと何かの役に立つから」
とミミリに言ったそうよ。
一体、どういうことなのかしらねん。謎は深まるばかりだわ。
《これまでにわかった事柄の時系列》
※わかりやすく前回分とまとめているわよ!
・スズツリー=ソウタ200歳。アルヒを作る。
↓
・心無い者に、錬金術の本や【アンティーク・オイル】を含む錬成アイテムを盗まれる。(犯人はアルヒたちの友人だったみたいね)
↓
・スズツリー=ソウタ、家の周りの川に「大賢者の涙」の成分を付与する。
・スズツリー=ソウタ、審判の関所を作る。(おそらく大賢者の涙と同時期ではないかしら)
↓
・スズツリー=ソウタ、雷竜にアルヒたちを託し、行方不明に。(この時から現在までに100年経過しているわ)
↓
・スズツリー=ソウタを探すため、アルヒとポチはしばしの別れ。(しばしと言っても100年間よ?)
↓
・ミミリの両親、この地にやってくる。この時点でミミリは母親のお腹の中にいたわ。
↓
・幼いミミリをアルヒに託し、ミミリの両親が旅に出る。
・うさみの生命活動開始‼︎(拍手〜!)
↓
・ミミリの両親、ゼラの窮地を救い、いくつかのアイテムを託して頼み事をする。
(この時点でゼラのご両親がご存命だったかは定かではないわ。おいそれと聞けないのよね……)
↓
・ミミリ13歳、ゼラ15歳の時、ゼラがこの地へやってくる。
↓
・ポチとアルヒの再会。
↓
・ミミうさ探検隊、プレ冒険をする。
↓
・旅立ち。
↓
・審判の関所クリア!
↓
・人と人とが行き交う街アザレアへ到着
↓
・右も左もわからないから、いい情報を得るために名声を集め工房を有名にする!←今ココ!
(難易度が高い依頼の対価として、質のよい情報を代わりにいただきましょうっていう算段よ)
まだまだわからないことだらけだわ。
でも、ゼラの過去を知ることができたの。
ゼラの両親の仇、トラウマを作ったモンスター、蛇頭のメデューサ。絶対許さないわ。
《主要なアイテム》
◎マジックバッグ(武器専用)
錬金術士ルートのクリア報酬として、ゼラが貰った錬成アイテムよ。ミミリが軽〜くメッ! してくれたとはいえ、まだまだワンパク悪バッグね。
からくりパペットのドロップアイテムとして手に入れた斧2本、ゼラはいつになったら使えるのかしら。
それにしても、このバッグのおかげでゼラは『伝説の暴漢』になってしまったわよ。だってゼラはブツブツ独り言を言ってるような構図になってしまうんだもの。まったく、困ったアイテムよ。
《まとめ》
人と人とが行き交う街アザレアで、私たちはたくさんのことを学んだわ。
それもみんなみんな、優しい人々のおかげ。
右も左もわからない、しかも身分証不携帯の怪しい私たちに優しく親切に接してくれたもの。おかげで自由に羽を広げて活動することができたわ。
ゼラの過去についても知ることができたわね。ゼラの力になるため、ミミリと一緒に頑張るわ。
けれど……、私たちが冒険をすることになったキッカケ……、スズツリー=ソウタやアルヒの【アンティーク・オイル】、ミミリの両親については部分は未だ闇の中。
この謎を解き明かすべく、私たちは冒険を続けていくわ。もっともっと工房も有名にしなきゃ。たくさん依頼を受けて、その名を周辺地域に轟かせることができれば、自然と情報はつかめるはずだもの。
もちろん、ただ待つつもりはないわ。情報は積極的につかんでいくわよ!
当然、冒険を楽しみながら、ね?
まぁ、この、名探偵うさみさんがいれば難事件も迷宮入りさせずにバッチリ解決よん! うさみさんに、任せなさ〜い!
……ここだけの話。
最近、新しい魔法も練習しているのよ。
やっぱり、みんなの役に立ちたいもの。
ミミリとゼラの目の前に立ちはだかる不届者は、私がけっちょんけっちょんにやっつけてやるんだから!
そして……。
待っててね、アルヒ。
私はいつだって貴方を想っているわ。そして、ポチも、もちろんアユムもね。
愛しのくまゴロー先生も、ついでにピロンもねッ!
……なんだか、私の中でゼラとピロンの扱いが同じな感じがするけれど、細かいことは気にしない気にしないッ。ふふふっ。
とにもかくにも!
次にアルヒに贈る手紙で成果をお知らせできるように。私たち、頑張るわ。
早く、貴方たちに会えますように。
そうだ! 心配しないでね。
私はミミリたちも守ってみせるし、もちろん私自身も守ってみせるのよん。
だって私は可愛い可愛いうさぎのぬいぐるみであり、魔法使いであり、画伯であり、名探偵であり!
――そして何より、ミミリのぬいぐるみであり。大切な貴方の家族なのだから。
この本が、私たちの冒険の謎を解く、一助となることを願って。
ミミリのぬいぐるみ うさみ
第3章、最後までお読みいただきまして本当にありがとうございました。
2022年2月中旬から始めた連載も気がつけば120話目。非常に感慨深いです。
ここまで執筆を続けてこられましたのも、ひとえに皆様の応援のおかげです。誠にありがとうございました。
今後の投稿についてですが、第3章の完結に伴い、一度完結設定をさせていただきます。
第4章はさらにパワーアップしたミミリたちの冒険をお届けできますよう頑張りますので、第4章の連載開始をお待ちいただけましたら嬉しいです。
連載開始にあたりましては、Twitterや活動報告にてご報告させていただきます。
また第4章でお会いできますことを願って。
読者の皆様のご健康とご多幸をお祈りしております。
うさみち
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うさみち




