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病室の出来事

「どういうことなんだ……」

 病室の窓から夜空を見上げて、1人の少年は呟いた。不思議そうに首を傾げる少年の名は伊吹という。

 基本入院中の人間は、外出は基本的に出来ない。だが、伊吹は別である。既に余命が決まっているため、死期を早める行為でもない限りは、止めろとは言えない。

 だからと言って、したいことを何でもやらせる訳にも行かないため、学校へ行ったら、当分は安静にすることを約束した。


 伊吹の病室には、ベットが6つあった。扉から見て左右それぞれ3つずつ置かれている。1つ1つにベットを囲うようにカーテンがかかっている為誰が入院しているのかは目視できない。ただ1つを除いて。

 伊吹のベットである右の窓側だ。ベットの横には小さな戸棚と冷蔵庫がある。戸棚類は、お見舞いに来てくれた人がお菓子や飲み物、花束を置くためにある。……ただ、なんと言えばいいのか、伊吹の戸棚には母が今朝持ってきた。腕時計だけだ。

 小さい頃父親から買ってもらった物で、ずっと大切にしている。それももう、壊れて動かなくなってしまったが…。


 暫くすると、看護師の1人が伊吹の元へ来た。彼女の名前は、清野姫子。歳は外見だけ見ると25、6歳くらいだろう。髪型は肩にかかっているかどうかと言った所で、ミディアムだ。

 顔だけを見るならば、誰でも目移りしてしまいそうな顔立ちだ。だが、世の中大事なのは顔だけではない。

 ──中身だ。これは、時として外見以上に必要事項になる事だってある。彼女はその時だ。

「やぁ、伊吹くーん!検温の時間だよー!さぁ、早く脱ぎたまえ!」

伊吹は逃げる足が有れば、猛ダッシュしていただろう。


冷静さを取り戻した伊吹は落ち着いたようだ。

「姫子さん、何でそんな元気なん──」

 ですか?と聞こうとしたが、出来なかった。

 急に伊吹を抱きかかえたからである。まるで我が子のように……。

 抱きかかえた途端に患者衣を検温できるくらい脱がせ ─少し欲が混じっている─た。

 ……清野姫子、25歳独身。最後の2文字が今の姫子を象っている。誰か早くこの人を貰ってあげて、心からそう願いながら、伊吹はいつもの様に検温された。

理想の看護師ってどんな人ですかね?まぁ、人それぞれだと思うんすけど、個人的にはやっぱりお姉さんタイプが1番ですかね。甘やかさ──……しっかりしてそうで。

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