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Noah's of War  作者: 佐上 充
7/14

7話 幸せの最後

十二月二十五日 夜 十八時三十分



楽しみだった香織とのデートを終え、遥斗は表情を緩ませながら帰宅した。


(ついに!ついにキスまでしちゃったよ俺!香織の照れた顔可愛かったなぁ…)


一つ大人の階段を登った遥斗は、香織からプレゼントされた可愛らしい刺繍の入った帽子を眺め、香織の事を考えながら部屋で余韻に浸っていた。


今日は日曜日と言うこともあり、遥斗の誕生日を祝うためキッチンでは、母と姉がいつもより豪華な夕飯とケーキを用意していた。

遥斗は姉に呼ばれ一階のリビングへ向かい、家族に誕生日を祝われながら、ニヤけた表情で豪華な料理に舌鼓を打った。


「…彼女とのデートが楽しかったのは分かるけど、ちょっとそのふざけた表情何とかならないの?」


「遥斗も大人になっちゃって、お母さんなんだか寂しいわぁ」


「〜♪」


そして一通り食事を終え、食後に誕生日のケーキを食べていると、姉が丁寧に包装された小さな箱を渡してきた。


「はい、誕生日おめでとう。これ、お母さんと私からよ」


「おぉ、有難く頂くよ。じゃあ、早速」


包装を解き箱を開けると、中にはシルバーのチェーンに白と黒のリングが二つ掛けられたネックレスがあった。

遥斗は早速それを手に取り首にかけた。


「なかなか似合うじゃない?あれこれ考えた甲斐があったわ」


「うんうん、いつもより男前に見えるわよ?」


「なんか照れるな…二人ともありがとう」


「遥斗のプレゼントがまさかのお母さんと被っちゃってね、二人して指輪買ってきちゃったもんだから、折角だしチェーンも買ってネックレスにしようってなったの」


「急ごしらえだけど似合っててよかったわ。ね?お姉ちゃん」


「ありがとう、大切にするよ」


そうして家族と幸せな瞬間を共有し、誕生日を満喫した遥斗は、そろそろ部屋に戻ろうと立ち上がった。


…ブォォ……ブォォォ……ブォォォォォ!


遥斗は外から聞こえる妙な音に気が付き思わず動きを止め、全身から汗が吹き出るのを感じていた。


聞き覚えるのある音は断続的に、そして、徐々にハッキリとした物になって行く。


「あら?なんだか騒がしいわね。何かしらこの音?」


そう言い母はリビングの窓を開け外を覗いた。

その時、何かが母の首元を通ったように見えた。


「…え?」


気がつくと、母の頭がコロコロと遥斗の足元に転がっていた。

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