6話 一日の終わり
直紀と別れて10分ほど歩き家に着いた。
「ただいまー」
「……」
いつもの様に家にはまだ誰も帰ってきてはいなかった。
母親は仕事で帰りはいつも遅く、姉も生徒会の集まりやらで、ほぼ毎日遥斗が初めに家に着いていた。
主に朝は姉が朝食と弁当を作り、母の帰りが遅い日は、遥斗が夕飯を作るのが決まりだ。
遥斗自身、朝は弱く作る余裕がないが、料理は好きなの夕飯の支度をするのは苦では無かった。
「さてと、作るか」
冷蔵庫を開け、食材を確認し献立を決める。
足りないものは近所のスーパーに買い物に行き、慣れた手つきで料理を作り上げていく。
暫くして、玄関の扉が開く音がした
「…ただいまぁ」
「おかえりー」
「あ、美味しそう。全く…朝はダメだけど料理だけは一丁前よね遥斗は」
「…悪かったな料理以外はダメダメで、ほら、夕飯もう出来るから着替えてきなよ」
「そこまでは言ってないじゃない!」
姉とそんな会話をした後、完成した料理をに並べ、姉と二人で食卓を囲んでいた。
暫くして、母親が帰宅した頃には、二人はある程度食べ終わっていた。
そして母も輪に入り三人で食卓を囲み、一ノ瀬家の平和な時間は過ぎていった。
「そう言えば二人とも確か明日から冬休みでしょ?だからって夜更かししちゃだめよ?」
「へいへい、分かってますよー。それじゃ俺は部屋に戻るかな」
「私もそろそろ課題やんなきゃだし部屋に戻るね、お母さんおやすみ」
「二人とも、おやすみなさい」
そして二階の自分の部屋に戻り布団に入った遥斗は、明後日のクリスマスが待どうしくて堪らなかった。
そして遥斗は夢の中へ引きずり込まれていった。
ーーあぁ、憎い…憎い憎い憎い憎い!!何故分かってくれない!!どうして人間ごときに慈悲をかけるのか!!
私が!!私こそが、貴方様の慈悲を受けるに相応しいはずっ!!それが叶わぬと言うのなら!!私は貴方に宣戦布告しよう!!私が…!私がーー
「…うおわっ!」
はぁ…はぁ…
(なんだ今の夢は…誰かが戦っていた…?)
「…まぁいいや、寝よ」