3話 予言
ようやく休み時間になり、先程の話が気になる遥斗は、直紀が座る席へと向かった。
「で?さっきの…アポカなんちゃらってのはなんなんだ?」
「アポカリプティックサウンドね…。て言うかはるちゃんがそんなに飛び付くなんて珍しいね。いつもは「ふーん」とか「へー」て流すのに」
実際遥斗は今まで彼のオカルト話に興味を示したことが無かったのだが、何故か今回の話だけは気になってしょうがなかった。
「何となく気になるんだよなぁ…?とにかく、それが何なのか教えてくれ」
「はいはい。そのアポカリプティックサウンド、黙示録のラッパは、聖書に書かれた"ヨハネの黙示録"って言う予言て奴なんだ」
「予言…?」
「そう、予言。それには簡単に説明すると、世界が終わる時、天使のラッパが七回なると書いてあって、一度なるたびに天災や災害が起こり、沢山の動植物が死に、人間も死んでゆく。そして最後の七回目のラッパがなる時この世界は滅亡する。そう書かれているんだ」
「でもそう言う滅亡の予言て今までも沢山聞いたことあるけど、どれも外れてるし大して話題にならないんじゃ?」
「確かにその通り。マヤ文明の予言やら果ては聖徳太子の予言やらで滅亡の予言はもはやそこら中に転がっているよ。だからこれもそれらと変わらないかも知れない。でもこの予言は最近じゃあ「もしかすると現実になるんじゃないか」って話題になってるんだ」
「現実に?まさか幾つかは当たってるとか…それともさっきの映像の音の事とかがあるから?」
「そういう事。まさに当たってる部分があって、さっき見せた映像で撮られた音、実はあの音が鳴る度に何かしらその街で災害が起きているんだ。あの映像も実は大地震が起きる直前に取られた物らしい」
「天使がラッパを吹く度に災害が起きる…」
「そう、だから近いうちに何かが起きるかもしれないって、僕らの間じゃ話題になってるんだ」
「ちなみに今まで何回その音が確認されているんだ?」
彼は不敵な笑みを浮かべこう言った。
「六回」