僕が目指したこの世界。
「君には夢はあるか?」
「いや、ない」
「君は何故生きている?」
「死ねば面倒なことになるから」
「君には目標はあるか?」
「人並みに生きること」
「君には着きたい職はあるか?」
「夢はないと言っただろう」
「君には、生きている意味がない」
「ああ、知っている」
「そんな人間でも、なぜか死なない」
「ああ、知っている」
「周りに流されていないつもりでも、死ねば負けだという風潮に流されまくりだな」
「ああ、知っている」
「なあ、僕。もう分かってんだろ」
「ああ、分かっている」
「じゃあ、」
「「バイバイ」」
少年は、自分の胸に包丁を突き刺した。
生きる理由がないと、小さな紙に書き残して。