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悩める若人たち

 001~002 眠れぬ二人の若人


001―♠01  

眠れない。

 

 ふと深夜に目が覚め、枕元においてあるスマホで時間を確認する。眩しい画面に表示された時刻は既に二時半を過ぎた時刻が表示されていた。

 基本的にはこのような『遠足の前日楽しみすぎて眠れない!』事案は無いのだが、これまた珍しい。滅多にない案件だからこれもまた貴重かもしれない。

 眠ろうと試みるが目が冴えてしまってしばらくは眠れそうに無い。

 仕方なく俺は階段を下りリビングに向かい、テレビのリモコンを手にして番組を見ようとするが、これと言って気になるものは無い。一通り見たところでテレビの電源を切る。

 その後は家族共用のパソコンを起動し、ニュースを見る事にした。

 このパソコンは元々親父の私物だったがいつからか家族共用パソコンになっているが主な使用者は俺か姉貴だ。レポート作成時には大いにお世話になった記憶がある。

 インターネットを開き大手検索エンジンでニュースを一通り見てみる。それからは学校の名前を検索してみる。これは過去にも何回か行っている。学校のスケジュールや進路指導上のメール、捕集の申し込みなどの通知を確認するためだ。今回は当てもなく、ただ興味本位で調べている。だがこれと言って求めるものもなく、俺はパソコンをシャットダウンする。

「はぁ、どうしたものか」

 考える、だが考えるだけ無駄だ。

 俺は重たい腰を上げ自分の部屋に戻って眠りに就こうと試みる。今回は少しいけそうな気がする。明日はどうか分からないが、いけそうな気がして欲しい。


002―♥02

 眠れなくて気分転換に外に出てみました。


 スマホで時間を見ると丁度日付を越えた辺りみたいです。

 外は比較的過ごしやすく、空を見ると星や月が綺麗に見えてます。そんな私は今は近くの神社に向けて暗い夜道を歩いています。

 まぁ、歩いて五分程度の距離なので対して警戒心むき出しに歩く必要はありませんが、時間帯が影響して少し怖い……いや、寂しいのかもしれない。

 脳裏にあの人の事が浮かびます。

どうしてでしょう……。あの人と居るだけで心が踊ってしまう、一緒に入れる事が楽しいと思うようになりました。

どうしてでしょう……。気になって仕方ありません。

暗い夜道を抜け、月明かりに照らされた鳥居を作法に乗っ取ってからくぐります。月明かりに照らされた境内、幻想的と言うか何と言いますか…言葉にするのが難しいです。


明日は球技大会、彼が心配そうにしていたのを思い出すと、なんだか心配になってしまいます…。応援は勿論するつもりですが、どうしてもそれだけでは限界がありそうですので願掛けが必要になるかもしれないです。

私はお賽銭箱に「ご縁が十分続きますように」と言う願いに乗っ取って五十円玉を投げ込み、月明かりだけが頼りの暗い境内で、私は手を合わせ彼への願いを祈る。そしてもう五十円玉を投げ込み、彼との縁が十分に続きますようにと私の祈ります。



003~010 球技大会の始まり。


003―♠01

球技大会当日となり、俺は今日の眠りから目覚め。カーテンを開けて日の光を浴びる。

空は雲一つない快晴で、絶好の球技大会日和だ。だが、髪を弄ると大爆発が起きてる。鳥の巣と言っても過言ではない。

そんな髪を整えるため、俺は洗面所に向かう。だがそこには先客が居た為それは後回しにせざるを得なかった。まぁ、これといって朝にする事は無いからソファで寛ぐぐらいしか無い。深夜に置いたリモコンも位置が変わっている訳もなく、俺は真っ直ぐに手を伸ばしテレビをつけた。朝は安定のニュース、しかもいつも見ている番組だ。

だが、それも意味を成さない。

速報では無い限り内容はネットで調べたものとほぼ同じだからだ。

「おはよー」

洗面所から軽い足音が聞こえてきた。大概軽い足音は姉貴か母さんだが、母さんは既にキッチンで朝食を作ってくれているので、消去法でいくと姉貴しかない。その通り姉貴がドアを開け隣に座る。

「夜起きたでしょ」

「気付いてたのか?」

「そりゃもちろん、足音で気付くよ」

そこら辺には注意をしてたんだけどな…。

それからは制服に着替え、朝食を済ませ、いつもより少しばかり軽めのカバンを持って学校へと向かう。カバンの中はジャージ、体操着、タオル等のサポートアイテムで気持ち的にはいつもより軽いがパンパンに詰まっている。

パンパンに膨れ上がった鞄を片手に人がパンパンに詰め込められた電車に乗り込む。

学校に着くと、グラウンドには各種目で使用される器具、ラインカーで引かれてるラインが見られる。こう見ると緊張してくる。教室には更衣室で着替えたのであろう男子生徒がやる気を見せている。所々汚れが見られるあたり朝練後に準備を手伝ったのだろう。その方々には感謝するとしよう。

さて、ホームルームを済ませた後、俺も更衣室でジャージに着替え、いざ出陣するとしよう。


004―♥02

球技大会当日になりました。昨日のせいか少し眠気が残りますが、陽の光を見て少し楽になりました。

天気は快晴、窓の外には早朝の散歩の方々が見えます。

あっ、子犬が散歩してます!

あっ、ランドマークタワーが見えます!

今日みたいな朝はゆっくりのんびりと、地元を楽しめます。でも、今始まった事じゃないんですけどね…。

そんなスッキリとした朝には顔を洗ってさらにスッキリ!その後はココアを飲みながらゆっくりと過ごします。大概の方はコーヒーでゆったりするものですが、あいにく私はコーヒーが苦手なもので…それに近いココアで朝を迎えます。

朝食は食パンと目玉焼き、それとサラダ。食生活には気を遣いますが、今日はなんてったって球技大会なのであまり重たい物は摂取したくないんです。

それはそれとて、ゆっくり朝食を食べ、歯を磨き、着替えて家を出ます。駅までの十分間、急な坂道を下るんですが、途中に開けた場所があって、そこからランドマークタワーをまた見る事が出来ます!

 なんて地元の話しをしたって一切意味なんて無い事は分かっていますが、どうしても共有したくなってしまいます。

 そんなこんなで大分前から駅の雰囲気が変わった私の最寄り駅、ですが未だに工事をしているみたいです。そんな駅から人がぎゅうぎゅうに詰め込まれた電車に乗って一路横浜へ行きます。女性専用車とはいえ、もの凄く混んでます。鞄を離さないように注意しなければいけません。

 横浜駅についてからは乗り換えですが、いつになっても慣れません。どうしても人に流されて目的とは違うところにいつの間にかワープしてます。

 何とか乗り換え出来た私はまたしても人混みの中揺られる事数分、やっと学校の最寄り駅に着きました。まだ朝なのにもう疲れてます…。

 これから球技大会だって言うのに…。エネルギー切れになってしまっては困ります。まぁ、私よりも彼のほうが心配ですが・・・お祈りしたので多分大丈夫なはずですが…。まだ少し不安です。

 心配です。今更感がありますが、やっぱり心配です。

 心配をしていると誰かが肩を叩きました。振り向くと親しい友人の姿がありました。

 彼女は中学時代からの友人の『宮ノ下加奈子』頼れる親友です。

「あやのんどうしたの?なんか浮かない顔してるけど」

「い、いや…なんでもないんだけどね…」

私はいつも通りに振舞いますが、彼女にはそんな振舞いなんて通用しませんでした。私の心を見透かしたように、彼女は今私が心配している事を当ててきます。

「後輩くんのこと?」

「う、うん…」

ダメでした…私ったら、彼女にさえ私の本心を伝えられない、隠してしまった。

「話には聞いてたけど…なんかあったの?」

「心配なの…」

「と言いますと?」

「彼の事が心配で、頭から離れないっていうか…」

私は彼女に私の本心を伝えた。すると彼女は私に一言こう告げました。

「多分、その後輩くんはあやのんの中で大切な人なんじゃないかな?」

「そうなの…かな…」

「そうだよ、そこまで想えるなら、それ以外ありえないよ」

そうでしょうか…ですが、そうなのかもしれません。彼の事がどうしても…。

「ま、あやのんなりにゆっくり考えてみなよ、私はあやのんを支えることしか出来ないから」

「うん…そうしてみるよ…」

私は少し考えてみることにしました。自分の事、そして彼の事を…。

始まる球技大会、応援も試合も頑張らなきゃ。


005―♠03

さて、開会式がグラウンドにて行われている。朝礼台に立っているジャージ姿の男性は球技大会実行委員だろうか。その人の話が終わると後ろでスタンバイしていた他の男子生徒が横一列に並び始める。その後に前述の男子生徒を基準にし体操の隊形に移動し始める。

鷺沢高校の球技大会は全学年一斉に行われる。軽く体育祭みたいなものだ。さらに特殊でもある。軽く解説すると男女各学年、各種目の一位は他学年との勝負に入る。例えば男子サッカー、各学年の一組が優勝した場合。その三チームで再度試合を行い学校一位を決める。各種目三チームの為、必然的にシードチームが生まれる。シードチームは厳選なる抽選で決定される。そして試合を行い各種目の学校一位を決める。ちなみに学校一位になるとそのチームメイト全員にはなんらかの豪華賞品が贈られるらしい。噂によると学食の麺類一ヶ月フリーパスとか…。まぁ、それらには興味は無い。楽しめれば良いと思ってる。

準備体操も終わり、本部テントにはトーナメント表が張り出されている。

俺達二組の初戦は五組との試合。A1コートが割り当てられていた。

コートには既にガチ勢であろう五組の連中がスタンバイしていた。

俺らにもガチ勢は居るが、少なくとも俺は足を引っ張ってしまうだろう。

「それでは双方、礼!」

『お願いします!』

その掛け声の後、五組ボールから試合が始まった。


006―♥04

ジャージに着替えた私もいざグラウンドへ向かいます。

 開会式の後はすぐにバレーコートへ、女子の種目男子同様にバレー、バスケ、サッカーの三種目です。こう見えても中学時代はバレー部の部長だったので、少しぐらい自信があります。まぁ、言ってしまえばこの三種目の中ではバレーしか出来ないなんて言えない。

 初戦は八組、バレー部の友人がちらほらと見られます。こちらにもバレー部の友人はいますが…相手の方が高身長なので少し苦戦の予感です。ですが神社でお願いもしたので大丈夫だとは思いますが…勝利の女神は私達に微笑んでくれるのでしょうか…。

 心配感むき出しの私に、そっと加奈子が声を掛けてくれました。

「どうしたのあやのん」

「いや…勝てるかなって…」

「大丈夫だよ、私達なら勝てるよね!」

『もちろん!』

 そうだ…私にはこんなに頼れるチームメイトが居たんですね。申し訳ないです。

「それじゃあ、優勝目指して頑張ろう!」

『おぉ!』

 掛け声の後、こちらのサーブで試合スタートです。


007—♠05

 前半が始まって五分、既に一点失点している。試合は前後半含めて二十分。まだ心配するほどではないが少し流れを変えなきゃマズい展開になる。

 そんな時、佐藤が相手からボールを奪う。

「ユータロー!」

 俺の元にボールが来る。どうしたものか、とりあえず相手陣営へと攻める。

「佐藤!」

 俺はまた佐藤にボールを戻す。そしてそのままシュートする。結果は見事ゴール、これで流れを変えられた。

「よっしゃ!反撃開始だ!」

『おう!』

 佐藤の掛け声に皆で応える。

 それからは、前半で一点差をつけて折り返し、後半では一点失点し同点に持ち込まれたものの、チームメイトがゲーム終了間際にゴールを決め試合終了。

 見事一回戦突破を成し遂げた。

 それからというもの、準決勝を勝ち進め決勝戦まで進んだ。

「まさかここまで来るなんて思わなかったね」

「そうだな、俺なんか初戦で負けるもんだと思ってた」

「アハハ!確かに。俺も初戦辺りで負けると思ってたけど、意外にもユータローがアシストしてくれたからね」

 まぁ、基本的にサッカーなどは苦手だ、ゲームなら別なんだが。リアルとなるとムリゲーへと変わる。

 そうやって佐藤と話してると本部放送で決勝戦を始めるという放送が入った。

「それじゃあ行くか」

「おうよ!ユータローには頑張ってもらわないとね」

 そんな茶番をしながら男子一年生、サッカー種目の決勝戦が開催されるA3コートに入る。そしてすぐに決勝戦が俺達のボールから開始された。


008—♥06

 さて、グラウンドの中央ではサッカーで盛り上がってますがこちらも負けられません。

 試合が始まって五分、現在私のチームが勝ってます。試合時間は十五分、あと十分ですが油断できません。一歩間違えたら流れは大きく変わるかもしれません。ですがそんな心配は必要なかったみたいです。

「試合終了!」

 終わりました…一点差で勝ちました。

「ふぅ、危なかった…」

「ギリギリだったね」

 ホントギリギリでした。ミスプレーがあったら確実に負けてました。

「準決勝も勝たないとだねっ」

「もちろん!」

 そうやって皆で盛り上がってる中、私はグラウンド中央のサッカーの試合が気になってしょうがないです。彼のクラスは勝ったのでしょうか。それとも……。いや、そんな訳ないです。彼なら大丈夫でしょう。

 そうでもないと神頼みの意味がなくなってしまいますからね。

 それからというもの、準決勝ではミスプレーが目立ってしまい、試合に苦戦した結果敗退してしまいました…。

「負けちゃったね…」

「あと少しだったのに…」

 ホントあと少しでした…。だからこそ悔しかったです…。

「でもあやのんには彼が居るじゃん」

「うん、負けてないと良いけど…」

「見に行ってみようよ!」

「うん!」

 私は彼の応援のためサッカーのコート応援ブースに移動します。

 お願い…負けてませんように…。

「あっ、ちょうど試合始まったよ!」


009—♠07

 いざ決勝という訳なんだが。実際問題開始三分にしてもう一点失点してる。

 さて、どうしたものか。勝てる気がしない…。

「どうするか…」

「ユータロー、俺と前衛に来てくれ」

「分かった」

 さて試合再開、守りの奴らからボールが佐藤のもとに回される。

「よっしゃぁ行くぞ!」

「おう!」

 俺たち二人はゴールに向けて猛ダッシュ、佐藤が守りによって手こずった時、俺のもとに回されて抜けたら返す。さてゴール目前、佐藤はシュートするがキーパーに止められる。聞いた話キーパーのやつはハンド部のキーパーらしい。

「クッソ、あいつの守り硬すぎ!」

「どうしようもないな…」

 間違いない、この守りを越えなければ勝利は無い。

「浅野君!頑張って!」

 どこからか聞き覚えのある声が聞こえる。

「先輩?」

 応援ブースに視線を送ると、片瀬先輩の姿があった。

 はぁ、こりゃ負けられないな…。

 それからは、片瀬先輩の応援もあり。何とか前半終了間際に一点獲得。後半戦では見事に守り抜き同点で試合終了。結果はPKで決められることになった。双方順調に進んでいき五回裏、俺の番だ。得点は相手チームが三点、俺らのチームが二点。ここで点を取れればまだ勝てる可能性があるが、外したらその時点で負け。俺ですべてが決まる。

周りが静寂に包まれる。絶対に決めたい…決めなきゃダメなんだ…。

覚悟を決めた俺はシュートを打つ。色んな思いを込めた球を…。


010—♥08

 試合観戦のためやって来た応援ブース。

 目の前のコートでは試合が行われていますが…少しマズい事になってます…。一点の失点が発生してます。それに攻めにも困ってるみたいです。

「あっ!後輩君ともう一人が攻めてる!」

 浅野君にボールが回りました!

 浅野君がパスを受けました!

 浅野君がパスを出しました!

 パスを受けたもう一人の子がシュートしました!

 ですが決まりませんでした。相手のキーパーの方の守りに苦戦してるみたいです。

 負けてほしくない…。

 勝ってほしい…。

 浅野君、頑張って…。

「浅野君!頑張って!」

 ふと、無意識にその言葉が出ました。その声が届いたのか彼は私の方を見ました。どうやら少し驚いているみたいです。

「可愛いね、あの後輩君。案外お似合いかもよ」

「もう、加奈子…」

 お似合いって言われても…。いやいや、そんな訳ないですよ。彼に限ってそんな訳が…。

 それからは前半戦で浅野君と一緒に攻めていた子が一点獲得しました。後半戦は全力で守り抜き、一対一で試合終了。勝ち負けはPKで決める事になったみたいです。先行は相手チーム。PKはどんどんと進んで、相手チームが三点、浅野君チームが二点で、次は浅野君がシュートします。ここで外したらその時点で負けです。周りが静寂に包まれてます。

 神様…お願い……。

 負けないで…外さないで…。

 私は祈ります。静かになったグラウンドで、浅野君が勢いをつけるために少し下がります。そしてすぐに勢いをつけてシュートを決めます。

 ですが…その頑張りも空しく。相手のキーパーに止められてしまいました。

 負けてしまいました。

 喜ぶ相手チーム、悔しがる浅野君のチーム。なんだか複雑な心境です。

「あやのん…」

 私は少し間をあけてから加奈子の応答に答えます。

「浅野君は…。浅野君は頑張ったよ…」

 たとえ優勝できなくても、頑張ったならそれで良いと思います。

「少し浅野君の所行って来るね」

「いってらっしゃい」

 私は浅野君のもとへ少し駆け足で急ぎます。



 011 ゲームセット


011—♠01

 はぁ、負けてしまった。俺のミスキックにより、負けてしまった。

「おい!気にするなよ!失敗なんてよくある事じゃないか」

「あ、あぁ…そうだな…」

 コイツ以外にも、チームメイトの皆も「気にするな」と言ってくれた。俺は、こんなにも良い仲間を持って幸せだ。

「浅野君!」

 もう一人いたな。

 俺は先輩のもとに向かう。

場所を移して中庭、ベンチに二人で座る。

「惜しかったね」

「えぇ、自分の中ではいけるって思ったんですけど。そう簡単にはいきませんね」

 あのキーパーを超えるのは至難の業だった。佐藤でさえ難しいのが、よく考えたら俺に出来る訳  。

「そんな事無いよ!」

 先輩は俺の思考を見透かしていのか、否定的な事を思っているとき先輩らしくない強めの口調を見せた。だがそれは一瞬の出来事で、すぐに落ち着きを取り戻しいつも通りに戻った。

「私ね、浅野君の事が心配でね。実は夜中に神社に行ってお願いしてたの。『勝てますように』って。それにPKの時もずっと応援してた。『負けてほしくない、勝ってほしい』って。でも、神様はここまでが限界だったみたい。」

 俺はその言葉を聞いて、先輩に俺は言った。

「そんな事無いですよ。神様のご加護より、先輩の応援の方が俺は嬉しいです。決勝戦の時、俺自身弱気だったんですよ。でも先輩に応援された時、『負けられないな』って思いました。先輩の応援が一番です」

 俺は素直な意見を伝えた。

 すると、先輩は俺の肩に頭を添えてこう言った。

「嬉しい…。私、浅野君の先輩で良かった…」

「俺も、片瀬先輩の後輩で良かったです…」

 なんだか俺に似合わぬセリフだ。それに未だにそういう関係でもないのに、なんだかそう見えてしまう。

「くぅ…」

 俺の腹が可愛らしく鳴った。

「お弁当食べようか」

「そうしましょう」

 そよ風の吹く中庭で食事をするとしよう。そう、先輩と二人で…。

本日分はここまでです。

次回は書きあがり次第すぐに投稿します。

しばらくお待ちください。


さて、最後まで読んでいただきありがとうございました。

ホントに投稿が遅れてしまい申し訳ございません。このサイトの予約投稿を乱用してしまいましたw

今回は過去作とは違った雰囲気を醸し出している本作ですが少し書きにくかったのが現実です。後半のほうはどうしても私の本来の書き方スタイルが出てしまいました。

本作ですが未だにタイトルが未定なので良かったらコメントとかでタイトルの募集をかけますので良いアイデアがありましたら教えてください。

それでは次回をお楽しみに!

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