週末のお出かけ……の次は校外学習!
「な、なんで夢咲くんがここにいるの!?」
「あ、鈴原ちゃんだ!!」
そう、この子はクラスメイトの、しかも副委員長の鈴原さんだ。下の名前は……なんだっけ?
僕、不登校だったせいで学校行ってなかったから人の名前覚えるの苦手なんだよね。
記憶力はいいはずなんだけどなぁ……。
「と、というか鈴原ちゃんって……もしかしてまた私の名前覚えてないとか?」
「うん。なんだっけ? 琴葉とかだっけ」
「琴音だよ……。夢咲くん名前忘れすぎ」
そうだ、琴音だ!一文字あってた。
……今度こそ覚えなきゃね。
さすがに2度目は悪いもんね。
「おい、透。この子誰だ?」
「ああ、この子はクラスメイトの鈴原琴音ちゃん。副委員長なんだよ。」
そっか。真秀は知らないんだった。
そうやって真秀に説明していたら琴音ちゃんにこう言われた。
「あ、あのここでバイトしてるの黙ってて欲しいんだけど……」
「え? それはいいけど……なんで秘密にして欲しいの??」
「ここの制服、メイド服みたいでしょ? だからクラスメイトに見られたら恥ずかしいし……」
「あー、そういうこと。わかったよ」
まぁ僕にはバラす相手なんて居ないし、秘密にしたいならいう必要もないしね。
あれ、でもクラスメイトは女子だけだからそんなに恥ずかしがる必要も無さそうなのに。
「まさか一番見られたくない夢咲くんに見られるなんて……(ぼそっ)」
ん?今なんか言ってた気がする。
まあ、いっか。関係ないだろう。
「で、ではごゆっくり〜」
決まり文句を言って、琴音ちゃんは去っていった。なんだか少しどもっていたけど。
「美味しかったねー」
「だな。美味かったー」
真秀が美味しいと言っていただけあって
ここのパフェは本当に美味しかった。
僕はいちごパフェを食べてたけど、
真秀のも食べたかったから、少し交換してもらって食べた、プリンアラモードも美味しかった。こういう食べ物の交換こっていいよね。1度で2度美味しいって感じ。
できればこういうのって女の子とかとやってみたいけどね。
……別に僕はよくある『はい、あーん』とかそういうのを期待してるわけじゃないからね!?
ただ単に真秀以外の人と来たことがないし、女の子と来るのって青春っぽいじゃん?
そういうのをやってみたい。それらしい生活をしてみたい。
そういえばここカップルとか多いな……さっき言った『はい、あーん』とかやってる奴等いるし。
おい、イチャイチャするのはよそでやれ。僕が虚しくなるだろ!
他にも女の子同士で来ている子が多い。
というか男同士で来ているのは僕達だけだ。なんだろう、急に恥ずかしくなってきた。早く帰りたい。
「ね、ねえ真秀。もう食べたし早く帰らない?」
「別にいいけど、どうしてそんなに恥ずかしそうなんだ?」
「や、よく見たらここ、女の子とかカップルしかいないことに気づいて……」
「周りが女子だけなんてお前はいつものことだろ」
たしかにそうだけど、僕は未だに慣れていない。朝、学校に行ってクラスが女の子だけとか毎回びっくりする。
感覚的には猛獣だらけの檻に投げ込まれたエサみたいだ。
「ま、食べ終わったし長居する必要もないからな。帰るとするか」
「うん」
「お値段1590円になりまーす」
「あ、割引券あるんで、これ」
「それでは300円引いて1290円になります」
なんでこいつ、割引券とか持ってんだろう。
専業主婦か何かなの。
いつも思うんだけどほんとに用意周到だよね。
ポイントカードとかもいっぱい持ってるし、使えるものならなんでも持ってますって感じする。
情報通だとそういうものなのかな?よくわからないけど。
ちなみに会計とかは真秀がその場で払って僕が後で食べた分を払うって感じだから真秀が奢ってるわけじゃないよ。
なんか僕が会計するとなぜか後ろが混んじゃうから真秀といる時は真秀がまとめて払うっていう決まりになった。
「そういえば今日と明日ら俺の親いないからさ。透ん家泊まっていいか?」
「んー? いいよー」
「じゃ透を送ったあとで荷物持って透ん家行くわ」
「りょうかーい」
まさか真秀が泊まることになるとはね。
真秀の親は出張とかが多いみたいで子供の頃からいない時は僕の家に預けてたりする。
一応家族で仲がいいから。
今は僕が一人暮らししてるからよく真秀が遊びにくる。でも泊まりは久しぶりだなぁー。
といってもなにも起こらないけどね。
子供の頃からの幼馴染みだし、マンガ読んだりゲームしたりするだけで特になにかする訳でもない。
こういう事言うと、たまに興奮し出す女の子とかいるんだよ、と不登校時代真秀がそんなことを言ってた。
怖いからやめて欲しい。どこに興奮する要素があるんだ。
真秀は1人だと暇なのか土日とかだとよく遊びに来るんだ。
[ピンポーン][ガチャッ]
家に送り届けられてしばらくして真秀が来た。
「ついでにスーパー行って色々買ってきたぞー」
ほんっと準備がいいな、こいつ。
僕は料理はできるけど買い物に行くとすごい時間がかかる。だから買い置きしておくんだけど、丁度さっき材料がないって話をしたら2週間分まとめて買ってきたみたいだ。
これで当分僕が買い物に行く必要は無くなったからいいんだけど。
こんな感じで真秀が買ってきてくれた材料で料理をし、ご飯を食べて、一緒にゲームしたりして1日が終了した。
次の日も真秀は家にいたんだけど、取り立てて話すこともないから割愛。
「んんー、今日からまた学校だぁー」
はぁ、ダラダラできる週末が終わってしまった。月曜日がいちばん辛いよね、みんなも嫌でしょ?週始めって。
しかも今日は校外学習のグループ決めがある。はぁ、誰と組んでも男子は僕だけだよ……。
というか僕は校外学習が楽しみじゃない。だってめっちゃ歩くじゃんあれ。すごい疲れる。
しかも校外学習が終わったらすぐあとに学習交流会がある。そして、中間テストだ。ああもう、イベント詰め込みすぎじゃない?
そんなにいっぱい行事入れなくていいよ。
「お、おはよう!と、透くん!!」
あ、このギャルみたいな見た目してるのに、話し方がまんまコミュ障みたいな感じの子は。
「おはよう。優」
柚山優ちゃんだ。
なぜか優って呼んでと言われたのでそう呼んでる。
「き、今日、校外学習のグループ決めがあるけど……だ、誰と組むか決まってるの?」
「ううん、決まってないよ?」
「じ、じゃあ! 一緒のグループにならない?」
一緒のグループか。
どうせ組むなら少しでも話せる人がいいよね。あっちから声をかけてくれるとは……めっちゃ嬉しい。
ぼっち街道を進まなくてすんだ。
「うん!いいよ〜」
とりあえず1人、一緒のグループになってくれる子が見つかった。
5人グループだから…………あと3人かぁ。
「さて、今の時間は校外学習のグループ決めをやるぞー」
「「「はーい!!」」」
「えー、誰と組むー?」
「そりゃあ夢咲くんでしょ!」
「だよねー!絶対人気だよね、夢咲くん!」
「早く誘おーよ!」
「えー、でもどうやって……」
なんかやたら僕の名前を呼ばれてる気がする。
すごい気まずい。なのに誰も誘ってくれないし
。そんな遠巻きに僕を見なくてもいいじゃないか。そんなに僕と同じグループになるのが嫌なのか。
『あいつ入れんの?まじ最悪ー』とか言ってないよね?
泣くしかない……そんなこと言われてたら。
しばらくして僕のグループが決まった。
メンバーは、琴音ちゃん、優の僕が知ってるメンバーが2人。
初めて話すメンバーが伊藤 真奈美ちゃんと中村 由奈ちゃんだ。
こうして無事、僕のグループが決まり
みんなが楽しみな、僕にとってはそうでもなかったけど……校外学習の日を迎えたのだった。