初めてづくしのプライベート!
「あ! メイドカフェだ!」
「え!?」
「あらぽん反応がキモいよ〜?」
「無視でいいだろ、行くぞ?」
うっわぁ……メイドカフェとかさすがあらぽん。イメージ通りだね。
みんながあらぽんに当たりがキツいのがなんとなくわかった気がするよ。うん。
あれっ? いつの間にか僕、剛二君のことあらぽんって呼んでた。
今2回も言ってたよね、あらぽんって。
陽麻君が言ってるとなんか釣られちゃうんだよなー。あらぽんなんて柄じゃないのに。絶対ゴンザレスの方があってると思う。
でもあらぽんって言いやすいからな……あ!
新しいあだ名、ゴンザレス・あらぽん!!
これはいいあだ名かもしれない。
「新しいあだ名、ゴンザレス・あらぽん……」
「ゴンザレス・あらぽん!? なんだそれ、オレのあだ名か!?」
「ゴンザレス・あらぽん? ……確かにゴンザレスみたいな顔かも〜」
「お前まだそれ引きずってたのか……?」
「おい! 確かにゴンザレスみたいな顔って酷くないか!?」
「え〜? そうかなぁ?」
「いや、酷くないだろ。被害妄想だ」
「だよねぇ〜。……ふふっ」
「うーん、ゴンザレス・ゴリラゴリラの方がごつくてあってるかな、やっぱり……」
「ゴンザレス・ゴリラゴリラ〜?」
「余計悪化してないか!?」
「透はいつまで引きずるつもりなんだ、そのあだ名」
「……え?声に出てた??」
「無意識で言ってたのか!?」
「それだけあらぽんの印象が強かったんだねぇ〜。あらぽんすご〜い」
「棒読みなんだが!?」
「ごめんねぇ〜、あらぽん」
「ごめんね、剛二君。これからはゴンザレスって心の中だけで思っとくね」
「心では思ってるのか!?」
「うん」
「透くんって結構毒舌なんだねぇ〜」
「確かに透は割と毒舌だな」
「え、そう? 陽麻君も結構毒舌じゃない?」
「オレから言わせてみればみんな毒舌だと思うんだが!!」
「ボクは毒舌じゃないよ〜、あらぽんに対して思ったことを言ってるだけだもん」
「俺もだな」
「僕もだよ?」
「いじめだ!こんなのいじめだー!!」
「「「いじめじゃなくて弄りだよ/ろ/よ〜」」」
「もう、いいよ……それで」
なんか剛二君と話してるとついついからかいたくなっちゃうね。いいツッコミを入れるからかな。
んー、だけどいじめだと思わないで欲しいね。これは愛のある弄りだと思う!……今日初めてあったけど。最初きも、とか言ってたけど。
それにしても声に出して言ってるとは思わなかった。やっちゃったなー。ま、いっか。
………ふぅ。そろそろ疲れたなぁ。まだ着かないのかなぁ?どこでもいいからカフェで甘いもの食べたい。
みんな忘れてるかもしれないけど、僕、すっごい運動音痴だからね。歩くのが遅ければ体力もないからね。持久走とか地獄だよ。
この気持ちみんなも分かるよね?
「あっ! ねぇねぇ〜、あそこにネコカフェあるんだけど行っちゃダメ〜?」
「お! 行くか!?」
「結構歩いたし、ちょうどいいんじゃない? 僕、休みたい……」
「あー、行きたいって言ってたし行くか」
「わーい! ありがと〜!!」
ナイス、陽麻君。
ちょうど休みたいと思っていたところだからよかった。それにちょっとネコカフェ行ってみたかったし。
僕、猫好きなんだよね。というか動物が好き。……虫は苦手だけど。
まぁ、好きとはいえ陽麻君とは違って野良猫と会話したり昼寝したりはしないけどね。というかできない。僕にはそんな能力ない。
「もっふもふ〜!」
「にゃにゃーん」
「ほらほらおいでぇ〜」
「ふみゃあー」
「よしよ〜し、いい子いい子」
「ゴロゴロゴロ」
「あ〜! すりすりしてる〜、かわい〜」
陽麻君もう猫と会話してる。すごいなぁ。しかも懐かれてるなぁー。猫とキャッキャウフフしてるみたい。あの辺の幸せオーラすごいもん。
「な、なんで離れるんだ!?」
「ふしゃあーー!!」
「わ、分かったって……」
「にゃあ!!」
「なんで陽麻には懐くのにオレはダメなんだ……」
えっと、うん。かける言葉が見つからないよ。
なんだろう。可哀想なくらい嫌われてるね。あ、陽麻君の方に走って行った……あの猫。
剛二君、やっぱり見た目のせいなのかな?
言ってなかったかもしれないけど、陽麻君結構イケメンなんだよね。かわいい系みたいな感じの。話し方とか行動もふわふわしてるからクラスとかで人気っぽそうだなって言うのが第二印象。
ちなみに第一印象は猫と話すヤバめの人。
まぁ、それは置いておくとして。あとは真秀か、どこにいるんだろう。
「にゃー」
「………」
「にゃあ?」
「………」
「にゃあ!」
「……ん? どうした?」
「ゴロゴロゴロ」
「おー、かわいいな」
「にゃーん」
「よしよし」
割と懐かれてた。真秀のくせに。なんか真秀、普通にお茶飲んでる。しかも本読みながら。
1人だけティータイム感すごいんだけど、なんなの。あそこだけ周りの空気が違う。
うーん、真秀もイケメンの部類だからかな。顔の格差って酷いね。
生まれた時から既に平和とか平等なんてないのかもしれないと思うね。こういうの見ると。
「にゃーん」
「……あ」
「ゴロゴロゴロ」
「こっち来たっ!」
あ、僕の方にも来た。すっごいかわいい。ほんとにもふもふしてる。
これは……っ!!
陽麻君がもふもふしたくなるのも分かる気持ちよさだよ。しかもすりすりしたりごろごろしたりしててめっちゃかわいい。……やばい。ずっとここにいたいぐらいかも。
《1時間後》
「そろそろ他のところいく〜?」
「そう、だな……」
「ん? そうするか」
「あれ? 陽麻君はもういいの?」
「ボクはもう満足したぁ〜」
「そっか」
「それにそろそろみんなお昼寝するみたいだから邪魔しちゃ悪いかなぁって〜」
「そうだね。じゃあそろそろ行こっか」
「うん、いこ〜」
みんな思い思いに楽しんだみたいだね。僕も初めてだけど楽しかった!
猫たちも人懐っこい子ばっかりだった。………剛二君ただ1人を除いては。
「それじゃあ次はどうするかー」
「オレ、アニメ〇ト行きたい!」
「却下で〜」
「他のとこで」
「なんでだよ!?」
「とりあえず俺は昼飯が食べたい」
「いいね〜、ボクもお腹すいちゃった〜」
「僕も。なんか食べようよ」
「あ、オレいいとこ知ってるぞ!」
「え〜、あらぽんが?」
「へえー、そうなんだ(棒)」
「すごいな、剛二」
「なんでオレだけ当たりが強いんだよ!?」
「「「別に?普通だけど」」」
「ハモるな!!」
「それで、どこなの〜?」
「美味しいとこ?」
「剛二の事だし可愛い子がいるとかだろ」
「違う!」
「まったく……オレが言おうとしてるんだからちゃんと聞いてくれよ!」
「「「分かった」」」
「それで結局なんなの〜?」
「ふっ……それはな、食べ放題だ!」
「食べ放題〜?」
「僕行ったことないや」
「……それドヤ顔しながら言うことか?」
「別にいいだろ!!」
そんなこんなで食べ放題に行くことになった。実は僕、あまり食べないから行くことないんだよね。
なんか意外と陽麻君は食べれるみたいなことを言ってたけど、どうなんだろ。見た目では少食っぽそう。細いし。
そういえば真秀も結構食べる方なんだよね。僕の分食べてもらったりしてるから。剛二君は絶対食べるでしょ。だってゴリ…じゃないや。体大きいからいっぱい食べそうだよね、うん。
《食べ放題にて》
「よ〜し、いっぱい食べるぞ〜!」
「おし、食べるか!!」
「勝負だっ! あらぽん〜」
「お! やるか!?」
「ボクに負けたらあらぽんのおごりね?」
「いいぞ! オレに負けたら陽麻がおごれよ!」
「ボクまけないも〜ん」
「オレも負けないぞ!」
うわぁ、すごい勢いで食べてる。ほんとに陽麻君食べるんだ。どこにそんな量入るのってぐらい食べてる。
えっと……剛二君は、と。うん。剛二君は見た目通りだね。すごい食べてるね。
これ以上言わなくても伝わると思うから言わないよ。めんどくさいから。
んー、今のとこ陽麻君が優勢かな。剛二君もう限界そうだし。真秀の方は、っと……あっ、いたいた!
あ、好きなものだけ食べてる。お肉と魚と……揚げ物? あとご飯か。
みんなよく食べるなぁ。でもいうだけあって結構美味しいし、食べちゃうのも納得かな。これで1500円ぐらいなら安いかも。
「も、もう無理だ……」
「ん? あらぽんギブなの??」
「ああ」
「じゃあボクの勝ちだね〜!」
「そうだ、な……」
「あらぽんのおごりだよ〜?」
「ああ、分かった……」
「わーい! やったぁ〜、勝った!」
あ、終わったみたい。
結局陽麻君の勝ちか……剛二君ださっ。なんか今日、剛二君踏んだり蹴ったりだね。
ネコカフェでは猫に嫌われ、食べ放題では陽麻君に負けて。ま、剛二君だしいっか。
「じゃ腹ごしらえもしたし、次はーー」
「あらぽんが行きたがってたメイドカフェ〜!」
「お、おい! オレは行きがってないぞ!?」
「遠慮しないでよ〜」
「ははっ、じゃ行くか」
「おい!誤解だからな!!」
こんな感じでメイドカフェとか、ゲームセンターに行って遊んだりブラブラしながら有名コーヒー店によったり。
今日初めてあったはずなのに距離感を感じないぐらい遊んだ。なんか今日だけで初めて行ったとこが沢山あった気がする。
楽しかったけど流石に僕、疲れちゃった。普段はこれよりも動かないからなぁ。いい運動になった気がするよ!
そんなこんなで僕の高校生活初めてのちゃんとした休日を過ごしました。
僕はもう話す気力が残ってないから、こんな感じで、もう……いいかな?
もしまた機会があったら詳しく話すかもしれないね。今日はいっぱい歩いたから、眠くなっちゃったなぁ。今日はよく寝れそうだ。




