last
これがラストです。
この日サーシャは塔から離れる。
僕たち二人は互いに約束した。
とても大切な約束を…
守らないかもしれない。
守られないかもしれない。
どうなるかもわからない、不確定な約束を交わした。
でも僕はこの約束は果たされるそう確信している。
僕は僕がこの約束を果たすだろうとそう確信しているから。
この日レイスと会える最後の日…いや最後というのはおかしいか。
三年後にまた会える。
その時私たちは互いに約束を守れているか、守れていたかを知る。
私はいつの間にか、レイスはに心を奪われていたようだ。
たった三年離れるというだけなのに、こんなにも悲しくなる、泣きたくなっている。
私は彼を好きという言葉では表せない感情を抱いている。
おそらくこれが昨日レイスの言っていた本物の感情と言うのだろう。
これは決して崩れない想い。
永遠なもの…一生思い続ける想い…愛しているというものなのだろう。
私はベットから起き上りレイスの寝ているソファーまで歩いた。
どうやらまだレイスは寝ているようだ。
レイスの寝顔は可愛く年相応のもので、やはり愛おしかった。
胸の鼓動が速くなるレイスを見ていると体が熱くなる。
行き場を探すこの想いを沈めるためレイスの唇にそっとキスをした。
レイスの唇は甘くてとても柔らかく感じた。
10日目
国が騒がしくなっています。
それは王様から新しい御触れが出されたからです。
その御触れには
『今日を持って冬は終わる。ある少年、皆は知っているだろう。
レイスという少年が成し得た。
冬の王女様は今日を持って塔から離れる、その前に私から言って起きたいことがある。
皆、広場に集まってほしい。』
と書かれていました。
国のみんなは、ようやく冬が終わる、食料がいつ尽きるかわからないという恐怖から解放されると、喜びをあらわにしています。
口笛を吹くもの、神にお礼を言うもの、抱き合うもの、叫ぶもの、喜び方は十人十色でしたが、心は一つ【ヨウヤク、フユガオワル。ヤッカイナオウジョサマガイナクナル】【ニドトクルナ】と思っておりました。
それは人間としては当然な気持ちなのでしょう、今回のことが起こったのであれば。
なぜ?どうして?冬の王女様はこんなことをしたのか?など原因を考えずに。
「レイス…」
「うん…わかってるよ。また三年後。」
「あぁ…また三年後。」
「「約束だよ(じゃ)」」
塔の中ではレイスとサーシャは指切りを交わした。
「それじゃあ、僕は行くね。」
「あぁ。」
レイスはそう言った後、後ろを向かず塔から姿を消した。
サーシャは見送るとき、自分でも気づかぬうちに涙を流していた。
その雫は気づかれることなく、拭い取られることなく、下に落ち床を湿らした。
「皆の者聞け!私はこの国の国王である。今回皆を呼んだのは、冬の王女様がなぜ塔から離れなかったのかを説明するためだ。」
王様が国のみんなに対し、語り始めました。
国のみんなは初めはそんなものどうでもいいと騒いでいました。
それでも王様はみんなに語りかけます。
すると王様の真剣な訴えに心動かされたのか少しずつみんなの心が動き出しました。
それから王女様はこの国から豪華な馬車に乗り次の国に移動しました。
冬の王女様が国から出る時馬車を遮るように立った少年がいました。
馬車は突然現れた少年に驚き、馬車を止めた時には少年と馬が少し接触しました。
「あぶねえだろ!何してるんだ!」
「ごめんなさい。王女様に…サーシャに渡したいものがあって。」
「その声はレイスか、どうしたんのだ?」
サーシャはレイスの声に反応したため、知り合いだとわかりすんなりと馬車の扉を開いてくれました。
「はいこれ、サーシャにあげようと思ったものを渡し忘れてたんだ。
「これは?」
「これは首飾りだよ。」
「それはわかるが…」
「この宝石はラピスラズリだよ。サーシャ・ラピスラズリからとってこの宝石にしたんだ。」
「…ありがとう。」
「どういたしまして。これ以上止めるわけにはいかないね。じゃっまた三年後に。」
「あぁまたな。」
それから国のみんなは心を入れ替えそれぞれの季節の王女様に対して敬う心を持ち、そこにあるのが当たり前ではなく、一人の人として当たるようになりました。
レイスは相変わらず村のみんなから認識はされなかったのだが、それでも国のみんなとは会話したりするようになりました。
王様も時々城にレイスを招き食事をしたりするようになりました。
レイスも自分から城に行き城にある図書館に
行き本を読んだりしてある研究をしました。
ー三年後ー
再び冬が訪れた。
冬の王女様であるサーシャが再びこの国に訪れたのだ。
国のみんなは冬の王女様を歓迎しました。
サーシャも馬車から顔を出しみんなに手を振ったりして対応しました。
しかしそこにはレイスはいませんでした。
サーシャは塔の中に入りました。
国のみんなはそれを見守った後それぞれの仕事に戻りました。
それを待っていたかのように塔の前に青年が立っていました。
「王女様〜遊びましょ〜!!」
まるで三年前のレイスのように言いました。
さすがにレイスかどうかなどわからないので門を開けるわけには行きません。
「さすがにこれじゃ開けてくれないか。…なら、サーシャ三年前の約束を果たしに来たよ。門を開けてくれないか。」
約束のことを知っているのはサーシャとレイスだけでした。
それを知っていると言うことはこの青年は成長したレイスであると言うことです。
塔の門が開き中に入れと言っているようです。
「久しぶりだなレイス。」
塔の中に入ると三年前と同じところにサーシャが座って待っていました。
「寒かったろ。温かいスープを用意してある。…大きくなったな、それにかっこよくなってる。他の女性から言い寄られるだろ?」
「久しぶりサーシャ。サーシャもすごく綺麗になってるね。サーシャも男性から声からられたんじゃないかな?」
「私はそんなことないぞ。」
「僕もそんなことないよ。」
二人はそれを聞いて笑いました。
「じゃっ答えを聞こうかお姫様。僕と結婚してくれますか?」
「えぇ喜んで。」
こうして二人は結ばれました。
二人はそれはそれは幸せに暮らしました。
レイスが研究していたものも完成し王女様が塔の中にいなくても季節が変えられる道具を作りました。
その道具をそれぞれの国に設置するために最初の三年は他の国を巡り、その後この国に戻り家を貰いそこに定住しました。
レイスが王様に頼んだものは、サーシャとの結婚と家をもらうことだったようです。
その後二人の間には子供もできこの国一番の幸せ夫婦になりました。
「めでたしめでたし。はい、このお話は終わったわよ、早く寝なさい。」
「ねぇねぇ、お母さんこれって本当にあった話なんだよね。みんなはこんなもの作り話だって言ってたんだよ。」
「そうね…みんなにとっては作り話に聞こえるかもしれないけど、私たちにとっては本当の話なのよ。安心しなさい。」
「はーい。」
「それじゃあお休み。」
「おやすみなさいお母さん。」
母親と思われる女性が子供を寝かしつけた後その部屋から出ました。
「だってこれは私たちのご先祖様の話なんだから。ねっ、そうなんでしょ冬の妖精さん。」
「ーー」
「さっ、塔に行きましょ。冬の始まりを告げにね。」
その女性は静かに家の扉を開きました。
近くに生えている木々の葉はとうに落ち秋の終わりを皆に伝えていました。
痛い、痛いぞこの作品。
誰だよこんなの作ったのは。
投稿するのは僕なんだぞ!僕が書いたみたいじゃないか。(書いたのも投稿するのも自分)
僕が痛いと思われるジャマイカ。
やだよ本当に。
これ冬の童話祭のやつだよ。
泣きそうだよ。