交通管制センター調査 前編
任務当日。
調査チームメンバーが転送ゲートタワーの場所に集まっていた。
拓斗をサブリーダー、結衣をメインリーダーとした編成における今回の調査は地球、人間界における『ディストピア』の関係を見つける。
ありとあらゆる事件が起っている人間界の事件現場を検証しなくてはならない。
転送装置に各々乗り込み、光が眩く。
光がやむとすぐそこは人間界の日本の東京、国会議事堂の地下に設けられた転送装置施設。
ちなみに、転送装置は人間界の日本だけに限らず47カ国にしっかりと存在している。
今回は日本をメインとした調査であるので日本に来たのである。
「どうも、日本国務大臣防衛庁長官の伊井熊忠利です」
転送装置の出入り口に一人の厳格な白髪頭の50過ぎの男が待っていた男はそう挨拶を述べ手を伸ばした。
拓斗と結衣が代表をして握手を交わす。
日本国務大臣防衛庁長官の伊井熊忠利は日本をテロ事件や災害などから守る組織の上役である。
日本の中でも相当な実益を兼ねたエリート中のエリートである男。
「我が国もそうですが、今回は他国でも手をこまねいてる事態でして……」
転送装置施設から出て白壁に覆われた廊下を歩きながら事件現場の詳細な情報を話し合う。
詳細と言っても伝えられた内容にさほどの誤差もない。
しかし、新たな事件がおこっていた。
「今回のは極めて悪質なものです。この日本における交通の要である警視庁交通管制センターが爆撃されました。それも未知の爆撃で火が溢れ出る爆破ではないんです」
「ん? それはどういう――」
拓斗が首をかしげ疑問に思って口したところを横から割り込むように調査隊のメンバー、研究チームの主任であるイール・ハークライト・フォルフィッツが口をはさんだ。
「それは局で新規開発してる製造品だね。これだよ」
イールは空間投影させた映像を見せた。
ある魔道生物を実験動物とした映像である。何か丸い手榴弾型の物体を投げ込むとそれは爆散するような音を上げ液状の物質を撒き散らした。
その液状物質は辺り一帯を溶かし始めていく。魔道生物も肉片が爛れて嘆き苦しみながら骨を残して絶命した。
おもわぬ映像に死体を見慣れていないイリアと希はさっと目をそらす。
「フォルフィッツ卿、これはあなたが開発したの?」
動じた様子も見せずにすかさず結衣はそのことを問いただす。
イールはほくそ笑みながら悪ぶれもせずに答え始めた。
「ええ、そうなんですがね最近研究部に泥棒が入りこんでるらしくいくつかの研究データが持ち出されてしまっていたんですよね。たぶん、最近の事件はこの製品を使用したものでしょうね、ククッ」
「てめぇ! 笑い事じゃないだろう! なにが持ち出されたとかうれしそうにほざいてる!」
「そう怒らないでいただきたいなぁ腰ぎんちゃく君。僕も全力でこの件には謝罪を申し入れたく今回の調査チームに入れさせてもらったんだよ。局長にもこの件は伝えてるんだからね」
依然として笑うイールに虫唾が走り殴るのもはばかられる。
そこへ、日本の国務防衛大臣の忠利が鬼の形相でイールを睨んでいたのがわかった。
結衣が即座に謝罪をしているが「謝ったところで死んだ者は戻らないんだぞ!」と怒鳴られる。
調査の原因はこちらに非があったためであり最初からこの事件は案件としては言っていたのだろう。
つまりは局のしりぬぐいを拓斗たちはさせられることになるのだ。
局員ならば当たり前のことであるが根本をただせば研究部のメンツが原因である。
その元凶は今なお笑ってる。
「今回の事件が君たちの不手際と言うのならば今後は君たちとの関係も考えものだな。早急に事件を解決し帰ってもらおうか」
「申し訳ありません!」
結衣が謝る必要はないだろうと拓斗は思いながら隣のイールをどついた。
イールも笑いながらも謝るがそれが逆に忠利を煽ったにすぎず彼はずかずかと無言で先をあるいていく。
地上エレベーターの前に辿り着く。まず第1陣の結衣を含めた女性だけのメンバーが乗り込み上へ行き、最後は男性陣が乗り込み地上に出た。
女性陣と合流してさっそく裏庭で待っていたリムジンに全員して乗り込む。
「行先はどうするんですか?」
未だに怒りを収まらぬ忠利が投げやりに質問する。
結衣は真剣な顔をして最近起こった事件現場の場所を言った。
3話目の一部内容改変しています。
よかったら再度読んでみてください。
次の掲載は4日後の予定。
早くて明後日になるかもです。
次は現場調査を本格的に行う話になります。




