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英雄魔女の旦那  作者: ryuu
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プロローグ

遅筆ストーリーです。

作者の気分によって話は更新していきます。

 青年は夜闇の街中を歩いた。

 今日も今日とてクソッたれな人生にため息をつく帰り道。

 朝はいつものように行きたくもない会社に行き、仕事をして終業時刻になったら帰るだけ。

 給料も月給14万程度の安い労働で働かせている。まさにブラック企業での仕事。

 やめようかなぁと愚痴るも一人暮らしなためになかなかにやめることはできない。

 今のご時世は転職が難しい。


「はぁーいっそのこと世界がぶっ壊れねぇかなぁ」


 物騒なことを青年は一人愚痴る。

 精気の薄れた淀んだ瞳で周りの活気だつ空気を見つめ舌打ちし気持ち悪い男のように感じ見られていく。

 そのようなことお構いなしに青年は家に向かって足を止めることなく進むだけだった。

 いつものように。

 だけど、今日ばかりは違うことが起きた。


「ん?」


 耳につんざくような女性の悲鳴が聞こえた。

 その女性の悲鳴に導かれっる様に足を進めてく。

 ふと、気づくと周りも静まりかえっていた。


「え?」


 唖然となり息をのんだ。

 時の流れが止まったかのように、景色は黒ずんで人々が硬直していた。

 いや違った。青年以外のありとあらゆる物や人が時間の流れが止まったように凍結してる。


「なんだこれ?」


 そのような状態の中でも女性の悲鳴だけは聞こえた。

 足はその悲鳴のもとに自然と動いてしまう。

 なんでだかはわからない。


「いいから来い!」

「いや! 離して! あの話はなしって言ったはずでしょ!」

「一度話し合うだけでもいいだろう!」

「話し合うのもいや! 私はそんなことまだ早いし考えてない! 私には仕事があるんだから!」

「その仕事だって僕の力があれば君を出世させてあげられる!」

「っ! ふざけないで! 金でものを言わせて出世なんてしたくない!」


 痴話喧嘩だろうか。

 悲鳴の元は街のビルとビルの隙間の路地裏通りだった。

 黒服を連れた白いスーツを着た金髪のイケメンと明るい茶髪をポニーテールにした黒いスーツを着た18歳位の美少女。

 美少女なだけあり体つきや顔つきも整っていた。

 さすがの彼女に青年も目を奪われた。


「あーなんか厄介な場面に遭遇したな」


 苦虫をかみつぶしたような表情を浮かべてその場から立ち去ろうとした。

 しかし、記憶に蘇る過去の自分と目の前の光景が重なった。自分は手を差し伸べない傍観者にはならないと誓ったあの日。


「おい、そこのお前ら何してんだよ」

「っ! なんで普通の人間が魔空間に? おい、ちゃんと空間は設置したんだろうな?」


 金髪イケメンが焦ったように背後の黒服の部下らしき男に声をかけた。男も冷や汗を流して「はい、仕掛けております」と返答していた。

 なんの会話がいまいちピンとこなかった青年はかまわずに堂々と割って入った。


「な、彼女をどこへ連れてく!」


 逆側から彼女の手を掴みイケメンが食い止めた。


「彼女が嫌がってるだろ? 嫌がってる女性を無理やりというのはいけないことだと思うんだけどね。俺はだから彼女の味方として彼女を連れださせてもらうよ」

「何勝手なことを言う! 彼女は僕の婚約者だぞ!」

「は?」


 その台詞にいらぬ行動を起こしたかと思えば間に入ってる彼女が「私はあなたとの婚約は認めないと言ったはずでしょ」と申した。


「だ、そうだぞ。ならば、君は拉致を要とした犯罪者っだというわけだな」

「っ! いいからその手を離せ! 離さないと君には痛い目に会ってもらうぞ」


 前に回り込んでくる黒服二人組を見て恐怖よりも面倒な事態にうんざりした。


「ちょっと、あなたも助けてくれるのはありがたいのだけど怪我をする前に逃げなさいよ」

「あー、そうだね。逃げたいけどさ傍観者になるのは許せなくってね。あはは」

「え、何それどういう意味?」


 黒服の男二人組が両側から拳を振りおろす。

 もろに顔に強打を受け歯は砕け鼻から血がこぼれ、地面に垂れる。


「な、なんで避けない! コイツあほか!」


 やられた青年ではなくイケメンが驚いた。

 彼の奇妙な行動に。それにはかばわれた美少女も目を見開いて衝撃を受けた。


「はは、痛いなぁ。久しぶりに殴られた」


 折れた奥歯を指でつまみだし地面にほうり捨てる気色な行動に黒服の二人もビビったように後退していく。


「おい、何してる! 追い打ちをかけろ!」

「し、しかし一般人相手にこれ以上攻撃をすると我々の立場が危険です」

「いいからやれ!」


 イケメンの命令に逆らえずに二人組の男は両サイドからの蹴りを放った。

 今度ばかりは青年も抵抗するかのような動きを見せる。

 腕を上げる挙動が見えた。しかし、その直前に青年にかばわれていた美少女が動き二人の蹴りを食い止めた。

 右手に出現させたステッキで。


「は?」


 青年は目を瞬く。

 そこには先ほどまで黒いスーツを着ていた美少女ではなく金糸の装飾を施された白いドレスコートを着た美少女の姿。右手には金属製のステッキ。ステッキの先端には鳥の様なモチーフをしたオブジェの様なものがついている。

 ステッキによって食い止めた二人の足を弾き飛ばしステッキの先端をイケメンにつきつけた。


「これ以上付きまとえば私も容赦しないですよ」

「っ! 僕に歯向かうかい。そうかい、そうかい。だったら、容赦なく君を無理にでも連れ帰るよ。ゴソ、メン。解除する」


 何かの解式なのだろうか言葉を発した直後に、目の前にいた黒服二人組がぶくぶくと膨れ上がり大きくなっていく。

 次第に数メートルくらいの大きさになった。


「な、なんだよいったい」


 まるで、漫画の世界にでもいるかのような錯覚。

 その目の前の奇妙な出来事が信じられずに戸惑う。


「魔道生物ですか」


 美少女が物知りげに言うとイケメンは狂い笑う。


「さぁ、捕まえろ! ゴソメン」


「グォオオオ」


 大きな腕が伸び10メートルの巨人が彼女を捕えようとする。

 その動きに合わせて彼女を突き飛ばし代わりに青年が捕まった。


「ちょっと、馬鹿!」

「うぎぎぎ」


 これにはイケメンも怒りに満ちた表情で青年をひねりつぶすように命じた。


「あぁあああああああ!」

「やめて! 彼は一般人なのよ!」

「知ったことかぁああ、あひゃひゃ!」


 メキと嫌な音が響き盛大に血反吐を吐き散らす青年を見て美少女が何かを詠唱し出す。

 ステッキが煌めきだして彼女は「ウィンド」と叫ぶと風が吹きすさんだ。

 巨人の腕を何か強烈な打撃が破壊する。

 青年は解放されて横たわりながら美少女の姿を見た。

 スカートを翻してイケメンに歩んだ。


「な、なんだ! 君が僕の邪魔をするから! ゴンメソ僕をまも――」


 イケメンの視線の先にはゴンメソと呼ばれた巨人の存在はなく土くれの山が出来上がっていた。


「さっき風の砲弾を撃った時に魔道人形のコアも破壊したから復活は無理だよ」

「な、なな」

「私、今すっごく怒ってるんだ。だから、私があなたを殺す前にとっと私の前から消えて頂戴!」

「っ!」


 イケメンは慌てふためくように夜闇の中に消え込んで去っていった。

 血をこぼれさせながら意識を混濁させた瞳で美少女の姿を見つめた。


「今すぐ回復するね。気をしっかり持って」

「あ……あ……」

「あれ? なんで効かないの? うそ、何これ傷が……え? まさか……そんな……」


 どこからか、新たな足音まで聞こえ出すと白いドレスの美少女に近づき話し込む。

 彼女の知り合いなのだと理解したが青年、最上拓斗の意識はそこで途切れた。

 



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