毬子の秘密
次の日、昇降口に行くと毬子がいた。
「毬子おはよう。」
「藍おっはよー♡」
毬子が突然飛びついてきた。
《澪なんかに渡さない。藍は毬子のもの……。》
「……っ。」
「藍?」
なんでそれを?言ってないはず。どうして?
「あ、いや、何でもないの……。」
「そっか!じゃあ教室行こ!」
毬子は私の手を握り教室に向かった。
《藍だけは毬子と居てくれる。だって”親友”だもん。》
「……。」
いつから親友までに発展したんだろう。
まぁ、いいや。
《澪なんて……大ッ嫌い……。》
「……っ、毬子!」
「ん?」
「今度……さ、色々毬子のこと教えてよ。」
「……うん。」
毬子がパッと手を離した。
良かった……。
「藍は、毬子の過去を知って離れていかない?」
「……大丈夫だよ。」
知っておいて損はないと思うし。
「じゃあ大丈夫だねっ。」
毬子は教室のドアを開けた。
「……あ……え……っ。」
毬子が教室に入ったと思ったら後ずさりしていた。
「毬子?」
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!!!」
毬子は座り込んでしまった。
教室を見てみると毬子の席である場所が何も無かった。机も椅子も両方何も無い。
「ううぅ……。」
毬子は走って教室から出ていった。
「瀬川、アンタ後悔するよ。」
「え?」
話しかけてきたのはこのクラスのギャル的存在の女の子だった。
「あなたは……。」
「澪と毬子とずっとクラス一緒の、鬼島結愛。」
「鬼島……さん。」
「毬子はね、小学校の時に親友とか言ってた友達の物を平気で盗むんだよ。」
「盗……っ!?」
「そう。お祭りの時は財布。平日は下敷きや鉛筆。中学入ってからは携帯のストラップとか。」
「そんな……毬子が……。」
「騙されてんのよ。あんな奴やめとけ。」
鬼島さんはそう言ってどこかに行った。
毬子が……ものを盗む……?
頭が追いつかない……。




