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理由
「なぁ、美少女がいるってほんと!?」
「本当だぜ!転校してきたらしいよ、」
「え、何組?」
「確か……2年B組」
周りは今日もとある女の子の噂をする。
確かに転校生が来たことは本当のことである。
でも、美少女ではない。
だってそれは……私だから。
私の名前は瀬川藍。
「……。」
「せーがわさんっ!」
1人の子が私の肩を叩いて話しかけた。
《こいつのせいで彼氏と別れるはめになったのよ!》
「……っ。」
私は触れるだけで心の声が聞こえてしまう。
それは決して良いものではない。
「瀬川さん?」
《美少女美少女って、こんな顔ゴロゴロいるじゃない!ムカつく。》
「……あ、はい。」
「よろしくね!」
《マジむかつくー。死ねばいいのに。》
私が心の声を聞けるようになったのは、中1……今から一年前のこと。
中学の入学式の時、たまたま隣の席の男子に話しかけられて、ボディタッチされた時に声が流れ込んできた。
《この子ちょー可愛い。モノにしたい。》
初めて聞こえた声はこれだった。
「……はぁ……。」
思い出しただけで寒気がする。
怖い……。
ポンッ
《この子となら仲良くなれるかも……。》
「瀬川さん、ちょっといいかな。」




