~第1話:恋がはじまる~
私は恋をしました。
軽くて小さな携帯の中の大きい機械的な世界で、私は恋をしてしまったのです。
春も終わり、蝉もなく時期になってきた7月の上旬、高校一年生のやっと部活にも馴染めてきて、高校ライフを過ごしている1人の女の子がいました。って、私のことなんだけどね!まぁ、そんな頃には高校生活も『たいくつ』と思っていた。
清々しい風と太陽にあてられ、家から学校までだいたい自転車で10分くらいの通学路を3人の友達と4人で他愛のない話をしたりしなかったりしながらこいでゆく。
そして、学校につき1年D組の自分のクラスにはいり、女子の友達に「おはよう」って挨拶して、それから自分の席につき、また夏の暑さと蝉の声を頭にぐるぐるとまわしている。
こんな当たり前の生活をふと、「たいくつだ」「なにか変化がほしい」と何度考えてしまうのだ。
友達とはしゃぎ、勉強にはげみ、部活をして生徒会にいき下校する。このたんたんとした人生の道を歩いていると思うと、なんだか少しみんなとは似ない道でない道を歩みたいとも考えたりしていた。
私は、中学2年の終わりか3年のはじめくらいに友達から教えてもらったネットアプリにはまってしまった。それは様々な人が出入りしアカウントを使って自分でラジオなどを配信したりリスナーとしてコメントしたりといろんな人とのコミュニケーションを行うアプリだった。
顔は見えなくとも楽しく語り合える友達もできた。現実では会ってなくとも確かにネットの世界であっても、その人と出会っている不思議な感覚。
私は、今まで知らなかった会ったことのない人と話しコミュニケーションをとっていることに魅了され、いつしかそれが私の平凡な生活に割り込んできたのである。
もちろん、ネットの世界は現実とは違い人が人と本当の言葉で、心の言葉で話す人もいるが、嘘偽りで人を騙し、利用し、人を傷つけるという犯罪も多く耳にするが、みんながみんなそういう人ではないと、ネットをしている私にはそうえた。
だから、人と人とをつなぐネットはやめられなかった。
親はそんな私を心配してか、私にネットの怖さやテレビでながれているネットでの事件や犯罪を見せつけるが、私はそんな事言っても現実もネットと一緒で、危ないことがあるし、現実ですれ違う人、話しかけてくる人、知らない人はたくさんいるし、危険度は一緒だと私は思っていた。今もそう思う。
確かに、顔は見えない、見せる人もいるが基本は匿名だし、それが当たり前だ。でも、やっぱり出会えばネットもリアルも一緒だと私はそう思いたい。
私はこのネットワークが向上する世界に影響しているのかもしれないなぁ(笑)
知らないうちに、リアルもネットも二つともたくさんの大事な人が出来ていった。
それは、重くのしかかることはわかっていたが、そんなことかまいもしなかった。
私は、自己嫌悪が激しく、人と絡み喧嘩や人を怒らせるとすごく自分が嫌いになり病んで、そして仲直りしあうことはすごく人生で大事な経験だと思う。だけどやはり、変化や刺激的なことを求めるのは変わらずで、慣れてしまえばもう日常のようなものだ。
そしてある日、私はあるネットで出会った人に少しの恋心を抱き始めていた。
恋愛経験がなく、恋心というのはよくわからなかったが、周りから言われるうち、それが恋なのだと少しずつ理解していった。
そして、私はとうとうその人に告白したのだ。
もう緊張のあまり「I LOVE YOU」なんて英語で言ってしまい、相手からは何がしたいのかバカにしてるのかと言われ、告白1発目は堂々の馬鹿さ加減に自分でも恥ずかしい……。でも、ちゃんと話した結果付き合うこととなった。
相手にはもともと好きな人がいたらしいが、その子には彼氏がいるし、もしいなかったとしても付き合ってはいないと言われた。
不思議に思ったが、私のことも好きだから付き合ってもいいということになったらしい。
私自身、「完全納得完全勝利!」にはいたらなかったが、その子に負けないくらい私のことを好きになってもらおうと張り切っていた。
7月12日、私は恋をして、そして恋人ができた。
胸が高鳴る、歓喜が心から漏れそうになる、それを抑えながらも私は友達に知らせた。
つぎの日、学校では友達とでその話がもちきりとなっていた。
ネット恋愛をよく思わない人もいるし、あまりおおっぴらにしたくなかった私は、限定の友達にだけ教えていたのだが、友達は声が大きく私は少し不機嫌にもなったりしたが、自分の広げたことだし、そこまで気にもとめなかった。
彼氏とは離れた県で、会うことはなかなかできずLINEや通話くらいでしかふれあえず、私の苦しい日々は始まっていた。
朝、最近友達と一緒に登校することがなくなりひとりで自転車をこぐときも、教室にはいってから机に座ってもただボーッとしていた。
教室のドアが開き、隣の席のゆまが入ってきて席に座って私の方をじーっとみている。それに気づいた私はゆまの方を向かずに話し出した。
「ゆま、おはよ」
ゆまはやっと気づいたというかのように微笑んだ。
「おはよ!もぉ、六花どうしたの?元気ないよぉ?」
私の顔を覗くように聞いてくるゆまが、心配そうにしているが私はそんなことは気にせず話をそらした。
「ゆまさ、恋愛ってなんだとおもう」
私はただたんに彼氏がいてる人にとっての幸せ感を感じてもいたが同時に、苦しさも感じていて、ついゆまに聞いてしまった。
「うーん、ゆまはさ、もう2年以上も彼氏と付き合ってるから愛なんて日常茶飯事だからなぁ♡」
「ごめん、お前に聞いたのがわるかった」
私はゆまがそのノロケ話に入りかけるのを止めるように、ゆまの顔に前に手をかざした。
そうこうしているうちに、ふゆかやまき、あさねも登校してきたが、私は遠くの方をみながらボーッとしていた。
放課後、私はわが校の旧校舎にこっそり入り3階のクラスの窓から外をみていた。すると、なんだか心の中でモヤモヤしている黒い何かが私をつつむようなイメージが私の脳裏を横切った。その瞬間私は、窓から身を投げ出してしまった。
何も無い空間のようにふわふわした映像。「寂しい」「悲しい」「苦しい」そんな心の部屋に私はあやふやな存在でいた。
「そんなに苦しいなら、いっそのこと___……」
そんな誰かの言葉が頭にこだまする。でも、最後の言葉だけ、なぜかきこえない。そうしているうちに心の部屋は崩れてあたり真っ暗になり、そこに小さな木漏れ日のような光が見え、私は手を伸ばし、そして運のいいことだ。打ちどころが良かったらしく、真っ白な天井を前に私は目が覚めた。
「お、起きた起きた!君大丈夫か?」
聞きなれない声が横から聞こえてきて、私はふとそちらの方に顔を向けると、笑顔が素敵な男の人が座って、りんごの革をむいていた。というか、自分で食べてるし。私のためのではないのだろうか。そんなことはさておき、知らない人が隣にいることに私はびっくりした。
「誰ですか…?」
「あ、俺は2年生の倉本 天音!いきなり君が上から降ってきたからびっくりしたわ」
天音くんは無邪気に笑いながら話してくれた。
「わ、私は、透美 六花といいます!……迷惑かけました。自分のドジさを恨みます…。」
私は起き上がり深々と頭を下げると天音くんがニコニコした顔を崩さずに私に質問してきた。
「なんで、あんな所から降ってきたの?どんなドジっ子でもあんな所からは流石に落ちないでしょ」
その笑顔の質問に話は少し固まってしまった。
最もだと思う。だって、教室の窓は私のお腹あたりから上にあるのだから、誰かに押されたり、自身で落ちようと思ってない限り、そんなことはめったにないはずなのであるのだから。
そう、私は何故かそんな所から落ちてしまった。
「えっと……」
私は涙が出てきた。私はこんなにも辛く苦しい思いをして、心が追い詰められていたことに今更気づいた。
「え、ごめん!そんなにつらかったんだね……」
私の頭をそっとなでてくれる大きな天音くんのあったかい手は、なんだかすごくほっとしたし、辛いなんて言っていないのに、察せられたことにわたしはおどろいた。
「大丈夫です!なんでなんでしょうね……」
「難しいことは今は考えず、ゆっくり安静にしてなさいな」
「はい……」
言われるまま、私は横になって目を瞑った。
天音くんの言う通りだ、少し眠ろう。いつぶりだろうか、こんなに安心して寝る日は……。
天音くんは私が安心して寝れるように、優しく綺麗な声で歌を歌ってくれ、私は涙を頬につたわせながら眠りにおちた。
こんにちは~
初投稿のこの作品なのですが、うまくかけているのかすごく不安です……。しかし、思いきってやってみようと思いました(笑)
はじめたばかりの初心者ですが、どうぞよろしくお願いします。