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「残念ながらお前は戦うし、その女の子を守ることも出来ないぜ?」

 扉をくぐった直後、突然真上からスレッジハンマーが振り下ろされてきた。

 ほとんど無意識で日本刀を取り出して、スレッジハンマーの柄に刃をぶつけ押し合う事でを俺は対応した。

 しかし。

「なんでそんな動けてるんだ、糞餓鬼。 お前は死ぬか死ななくても一生物の怪我をしたはずなんだけどな!」

 そのスレッジハンマーの持ち主は。

「ハンマーだと!?」

 天壌市市役所、入口の正面に立っていたのはハンマーだった。

 スレッジハンマーを両手に携えて。

「夏霧、外に逃げろ!」

「無理だよ大和君、ここに入ってから扉が開かない!」

「は!?」

 後ろを見てみると、確かに自動ドアはまったく動かない。

 停電か?

 いや、明かりはついてる。

 ハンマーは埒が明かないと判断したのか、後ろに下がった。

「ここがお前等の死に場所だ、なんて言い方は臭いか。 ここで簡単にルールを説明しよう。 この空間は想像武器<クローズ・エリア> 名前通り、閉められた空間だ。 いや、現実世界ってわけじゃないぜ? 現実世界の模造品、空間を同じようなのをもう一つ作ったって話だ。 今、地球上にある天壌市入口は普通に営業中だし、俺やお前等は地球上にも宇宙にもどこにもいない、他の空間エリアってわけだ。 抜け出したいか? 方法は一つ、お前等が俺を殺すか、俺がお前等を殺すってだけだ。 以上、親切なルール説明だよ!」

 言い終わった直後、ハンマーは再び俺に目掛けて凄い速度で走ってきた。

 元からの運動神経か。

 昨日、スレッジハンマーで殴られた箇所が疼く。

 完治はしている、つまり恐怖か。

「四刀流[閃]!」

 だが、それで行動が鈍る等という事はなかった。

 二本の刀での同時に居合い切り。

 決まった、と思った。

「馬鹿が!」

 ハンマーはそれを対応した。

 右手のスレッジハンマーを前に突き出し、居合いを防いだ。

 そして、左手のハンマーで俺を仕留めようとした。

「ッチ!」

 俺は右手の刀を鞘に戻し、左手の刀をハンマーの顔面に投げつけ行動を遅れさせ、夏霧の手をとってカウンターの方へと向かった。

「うろちょろ動く餓鬼だな!」

 ハンマーは躱した刀を確実に破壊し、こっちに向かってきた。

 畜生、破壊さえされなけばいくらでも突破口に出来るかもだったのに。

 いや、素直に刀一本の事態を気にするか。

「いやいや、まったく。 てめぇのお姉さまは刀を四本持ってたぜ? 四刀流ってそういうもんじゃなかったのか?」

 ハンマーは余裕そうな笑みを浮かべ訊ねてきた。

「馬鹿が、言うわけねぇだろ」

「お前はまだ勝ち目なんてあると思ってんのか?」

 ハンマーはさらに笑みを濃くした。

「実戦経験が違うんだよ、お前とは。 雰囲気では、想像武器は出せそうだが、それすらも出来ない。 こんな中でお前に勝ち目があるとでも?」

「舐めんな!」

 俺は飛び出し、ハンマーの方へと向かった。

 もちろん、キレたからなんて理由じゃない。

 夏霧が、単に邪魔だった。

 一人の方が、戦いやすい。

 守る物は必要だ。

 だけど、守る物は近くに無い方がいい。

「四刀流[線]!」

 飛び込むと同時に、俺は居合い切りをした。

「芸のねぇ奴だな!」

 当然のような、ハンマーに防がれた。

 が。

 一瞬だけ、隙は出来た。

 ここが賭けだ。

 全力で、手を広げる。

「死ねよ、四刀流発展技[無限]!」

 姉ちゃんの奥義の名前。

 俺は出来ない。

 フェイントだ。

 だが、昨日辛酸を舐められた姉ちゃんが使っていた発展技、その言葉に一瞬動きは止まった。

 俺はポケットの中に入れていた閃光弾をハンマーに投げつけると同時に、夏霧を連れて二階へと逃げた。

 敵前逃亡じゃなくて、一時撤退と言うか。

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