(13)
「だいたいさ、君はシスコン過ぎるんじゃないのかな? もう変態の域にあると思うよ。 いや、別に妄想の中でなら知った事無いし、現実で君が行動を起こすのも警察に捕まれば問題ないよ? でも、まさか、今日の今日まで知らなかったクラスメイトのか弱い女の子にお姉ちゃんの下着をつけさせようなんて、変態を通り越して超変態だよ、超変態」
「いや、あのパンチでか弱いって無理が…………なんでもないですごめんなさい」
帰って来てからとんでもない失言を一回。
下着を持って来る枚数を間違ったらしく、何時取りに行こうか悩んでいる夏霧に一言。
「いや、姉ちゃんの下着があるじゃん。 よかったな、姉ちゃんの下着を合理的に穿けるチャンスじゃないか」
顔面を思いっきり殴られた。
ハンマーの一撃に勝るとも劣らない。
その後俺は玄関(玄関!?)で正座を強要されてくどくど怒られている。
怖い、逆らったら殺されそうだ。
「君のシスコンで迷惑になる人だっているんだよ? 別に、お姉ちゃんを卒業しろとは言わないけどもうすこし節度を持ったらいいんじゃないかな?」
「あー、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、反省してます」
十時回っていやがる。
ご飯作れる時間無さそうだ。
この女、調子乗らせると駄目だ。
こうなったら亜織直伝の必殺奥義だ。
「確かにシスコンは認めるけど、仕方なくないか? だって死にかけた時に助けてくれたんだぜ? そうだ、そんなことよりハンマーは明らかに簡単にハンマー振り回してたけどそれにもなんかトリックあるのか?」
奥義・話題変え。
「ああ、それはね。 多分ハンマーの想像付加だよ」
また専門用語来た。
今回長いな。
「なんだそれ? 想像に好きな能力でもつけられるのか?」
「惜しいね、そんな感じよ」
は?
「詳しく説明してくれよ」
「説明していいの? これは精神的外傷の話だよ?」
トラウマ。
精神的外傷。
逃げる物じゃない、立ち向かうものだ。
背負うものだ。
「説明してくれ」
夏霧が少し苦しそうな顔をした。
見たくない物を見るように。
思い出したくない物を思い出すように。
「想像付加は、精神的外傷を負った時の状況によってできるの。 私の場合、傷をすぐに癒せることだね。 ハンマーの場合、ハンマーがとても軽々しく動いているようにみえたんじゃないかしら?」
なるほど。
「なんか悪いな、言わせてしまって。 ありがとうな」
なんとなく、頭を撫でた。
「な、何するの突然!!」
脛を蹴られた。
結構痛い。
そんなことより。
「反応古いな」
面白い、なんか凄く面白いぞこいつ。
「うっさいわ!」
やべぇ面白い。
とは思っても。
もう十時過ぎだ。
「俺は適当にパンでも焼いとくから、風呂入ってこいよ。 下着も今日の分くらいあるんだろ」
「わかったけど……」
?
「なんだ、一緒に入りたいのか?」
腹を、思いっきり殴られました。
こいつを自由部に誘ったら、戦闘担当が変わるんじゃないだろうか。
そう思えるぐらい、一撃が重い。




