祖先と子孫
信長のツバの指紋、毛筆、織田家の子孫が何故か持っていた、信長の血のDNA。
全てが一致したため、刑事はうなだれていた。
コンコン(ドアをノックする音)
「失礼します。」
一人の若者が取り調べ室に入ってきた。
「先輩、取り調べ変わりますよ。」
若者がそう告げると刑事は、
「あぁ、頼む。」
と言ってでていった。
「それではこちらへどうぞ。」
若者がそう言うと秀吉と蘭丸が入ってきて、蘭丸が信長の右、秀吉が左に座った。
「では、取り調べを変わりました、織田朝信です。」
朝長が3人に頭をさげる。
「では、あなた方に話さなければいけないことがいくつかございます。
信長様は気付いてるようですが、この世界はあなた方のいた世界では御座いません。」
「どういうことですか?」
「ここは別世界なのか?」
蘭丸と秀吉はまだ理解できていないようだ。
「………400年後の日本か。」
信長が冷静に言葉をはなつ。
「はい。信長様の言葉通り、ここは信長様がなくなってから約400年後の未来の日本です。」
「「???」」
蘭丸と秀吉が頭に?を浮かばせている。
「信長様、お二人がわかっていないようなのですが…」
「大丈夫だ。後で俺から伝えておく。ところで、朝信と言ったな。」
「はい。」
「同じ織田の苗字を持っているが、もしかして俺の子孫か?」
「はい。正式に織田家の血を引き継いでおります。」
「そうか。
では、今この未来ではやってはいけない決まり事とかあるのか?」
「はい。色々とございます。」
「「???」」
処理落ちしている秀吉と蘭丸を無視して話をすすめる、織田家の祖先と子孫。
「え~と、まず刀を持って出歩いてはいけませんね。今回みたいに捕まります。
それと、四民平等ですね。
今の時代は身分によっての差別がなく、国民全員平等な権利を持っています。
それと、争い事は駄目です。」
「平和な世の中だな。この平和な時代に築き上げたのは誰だ?」
信長はこの決まりに異論を唱えることなく、従ってくれた。
「我々織田家が2年間人質として、城内に住ませていた竹千代、後の家康です。」
「ほう、あの竹千代が。」
この後も、いろいろとこの時代で生きるために必要な決まりこと、信長に朝信は伝え続けた。
「ところで信長さま。」
「ん、なんだ。」
朝信が信長に聞く。
「家どうします?
流石にもう安土城はありませんよ。」
「………」
信長は腕を組んでしばらく悩んでいる動作をしてから、結論を出した。
「泊めてくれ。」
「いいよ♪」
朝信の家に信長と蘭丸と秀吉が居候することになった。