人生初の取り調べ
この作品をお読みの皆様ありがとうございます。
今後とも御愛読おねがいします。
信長、秀吉、蘭丸が本能寺の扉を開けると、目の前には警察官と機動隊の姿があった。
「なんじゃ、お前らは!!」
秀吉と蘭丸が信長の前に出て、日本刀を構える。
「皆、かかれ~~~!!!」
「「「「「うおぉぉぉぉおおお」」」」」
一人の刑事の号令で、機動隊が信長達を取り囲む。
機動隊は信長達の逃げ場を塞いでから、取り押さえた。
「くっ!」
秀吉と蘭丸が悔しそうに歯ぎしりをするが、信長だけは冷静だった。
信長達はパトカーに乗せられ、京都府警に連行された。
約15分間の移動の後、取り調べが行われた。
~信長の取り調べ~
「なんで刀なんて物を持っていたんだ。しかも、切れ味がいい日本刀なんて持っていたんだ。」
「………」
刑事の言葉に対して、黙る信長。
「もう一度聞こう。なぜ日本刀を持っていたんだ。」
「……………この世界では刀を持っていてはいけないのか。」
ついに信長が口を開いた。
「とぼけいるのかね。」
「とぼけてなどいない!!!」
刑事のバカにした態度に、流石に信長も怒った。
「私は尾張の国出身、織田信長だ!!」
信長は声を張り上げ、名のった。
「ははは、そんな馬鹿な話があるか?織田信長は400年前にとっくに死んでいるんだぞ。」
刑事は机を叩きながら笑った。
「なら確かめてみろ!!」
「あぁ、確かめてやるよ。あんたが織田信長じゃないことをな!!」
「・・・・・・・・・(ガンのくれあい)」
刑事は鑑識のエキスパートを取り調べ室に呼んだ。
「では、こちらに指を押し付けてください。」
「こうか?」
信長は鑑識の差し出した、プラスチックの板に指紋を押し付けた。
「では、お調べしますのでしばらくお待ちください。」
鑑識は取り調べ室で、博物館から借りてきた信長の刀を取り出して、指紋を取り出して調べ始めた。
10分後
「終わりました。」
鑑識が立ち上がり、結果の報告をはじめた。
「調べた結果、信長の刀との指紋は一致しませんでした。」
「ほらみろ。」
勝ち誇っている刑事に信長は、口を挟んだ。
「これは、俺の刀ではない。」
「はぁ!?」
イラつく刑事が、(ふっ、負け惜しみを)とでも言い出しそうな顔で、信長を哀れみの目でみくだす。
「この刀は偽物だが、このツバはまちがいなく俺のだ。」
信長の声を聞き、鑑定しなおした。
更に10分後
「一致しました。」
「なんだとぉ!!」
刑事の目が飛び出す。
この後、この刑事が納得いくまで照合したが、すべての物が一致した。