表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
沖縄県下鉄道復興IF  作者: ガーレ
歴史短編・沖縄メトロ編
15/15

政令市那覇

 沖縄都市交通広域連合(沖縄メトロ)2番目の路線整備計画「真和志線」は、中城町(史実における北中城村+中城村)から南山町(史実における八重瀬町+大里村)にまで至る壮大なものであった。

 この路線の整備に際し、沖縄メトロには新たに浦添市、糸満市、中城町、南山町が加入している。

 真和志線のルートは、琉球大学(琉大)地下からスタートし那覇市と浦添市の市境辺りをひたすら西進、古島駅地下に乗り入れた後そのまま真和志地区を琉鉄真玉橋駅まで南下、豊見城北駅から南駅で首里線の真下を並走し、最終的に東風平に至るというものだ。この路線は首里線が開業した2年後の2008年に建設が開始された。




――――――――――


 真和志線建設途中の2011年、沿線で大きな変革が起こった。本島南部一帯の自治体を全て吸収合併し、那覇市が政令指定都市(政令市)に昇格したのである。沖縄県に大都市の称号ともされる政令市が誕生したというのは日本中を驚かせ、沖縄県発展の象徴ともいえる出来事となった。


 政令市昇格に際して那覇市には6つの行政区が設けられた。

・宜野湾市+中城町→北区

・旧首里市+浦添市+西原村→首里区

・那覇七町+旧真和志市→中央区

・旧与那原町+旧南風原村→東区

・旧小禄村+糸満市+豊見城村→南区

・南山町+尚巴志町→緑区

(リアルで存在しない自治体がどういうものかは「沖縄本島自治体変遷IF」の話を参照のこと)

 沖縄メトロの加盟自治体の全てが統合されてしまったため、現時点に至るまで加盟自治体は沖縄県と那覇市の2自治体となる。




――――――――――


 2014年、真和志線は無事に開業を果たした。

 開業直前には、郊外区間では駅チカに大規模マンションが立て続けに建設され、小禄線のような発展を見せるかに思えた。真和志地域では既存の貧弱な公共交通に取って代わるかに思われた。だがしかし、この路線には那覇駅を経由しないという致命的な欠陥が存在した。

 そのため、沿線では那覇駅直行のバスと乗客を食い合う事態となってしまった。路線建設に伴う真和志地域での道路拡張・新造は、バスをより便利にしてしまう側面も抱えていた。

 結果、真和志線は開業後から現在に至るまで単独での収支が赤字のお荷物路線となってしまっている。

 那覇市はこの路線での失敗により、那覇駅の存在感の大きさを改めて思い知らされるのであった。


 この路線の利用者は主に琉大に通う学生である。現に一番輸送密度が高い線区は都心側の真和志地区ではなく、古島駅から琉大南口駅までの区間である。

 また、緑区各地へのバスが発着することになった東風平駅も、地域の中心となったことで利用者は多い。

 その他の地域でも駅チカという謳い文句で開発は少しずつではあるが進んではいる。しかし、小禄線・首里線沿線程ではないのが現実である。真和志地域が戦後すぐのスプロール減少によって形成された街であり、区画整理が思うように進んでいないというのも原因としてあるようである。




――――――――――


 真和志線の失敗により那覇駅中心の交通政策に回帰することになった那覇市は、残る最後の路線整備計画「小禄線西崎支線」の事業進行中にとあるビッグプロジェクトを打ち出した。

 それが分断されていたJRの2路線の那覇駅・古島駅間を接続する「那覇地下新線」計画である。


 当初は事業主体を沖縄メトロにしようと考えていた那覇市であったが、完全公営で建設することに沖縄県が反対したことで頓挫。那覇市は2017年に第3セクター「那覇都市高速鉄道(NUT)」を立ち上げ、おもろまち副都心と那覇のメインストリート「国際通り」の地下を通る那覇地下新線を建設することになる(詳しくは「那覇地下新線」の話を参照のこと)。


 これにより、2015年に建設を開始したはずの西崎支線の工事は遅れに遅れ、結果2024年にようやく開業を迎えた。


 西崎支線の完成後、小禄線南側の始発駅が全て豊見城北駅から西崎クルーズバース駅に変更されたことで、環状部をぐるぐると回る首里線に対して、支線同士を結ぶ小禄線という対比がより鮮明になった。重複区間では交互に電車がやってくるようなダイヤとなっており、容易に乗換が可能になっている。


 この路線はJR線と合わせて南区をぐるりと囲むように建設された結果、JR線方面と那覇駅方面双方向に旅客の流動が発生し、大きな収益を上げた。西崎のマンション群からの通勤客やクルーズバースからやってくる観光客により車両は満杯となった。

 失敗した真和志線とは異なり、短い路線ながら多大な収益を上げることに成功したのである。


 これにて、沖縄メトロは完成(・・)した。




――――――――――


 こうして現在の姿になった沖縄メトロであるが、那覇市の更なる発展に伴い新線構想が存在する。それが、泊からおもろまち新都心、首里金城町、兼城を経由し、那覇市緑区東部(史実における南城市)へと至る路線である。


 緑区というのは山が深く那覇市の中で最も開発が遅れている地域であり、ある意味では開発余地、可能性が残されている地域でもある。発展への起爆剤になって欲しいという願いを込めて、緑区では盛んに沖縄メトロの誘致活動が行われているのである。


 現時点では那覇駅を経由しないこの路線は、採算性の観点から実現が厳しいとされているが、果たしてどうなるか今後に注目である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ