凱旋式
いつも読んで下さっている方々、こんにちは。
間抜けにも1話抜けておりました。
慌てて執筆いたしました。
差し替えいたします。
良いね、評価、ブックマーク等を下さった方々。
大変申し訳ありません。
改めましてお楽しみください。
土下座をやめさせるとディアナから訳を聞く。
「アタイは前衛しかできない突撃馬鹿っすけど、皆さんの活躍を聞いて思ったんだ。」
一息つくとディアナが真剣な眼差しでジャスティンを見つめている。
ジャスティンも真剣に聞いてあげている。
「・・・続けて下さい。」
ジャスティンが促すと引き続きディアナが言って来る。
「この人達ならやってくれるって思ったらその通りになった!体が震えたんだ!初めてですが憧れました!」
「うーん、憧れて下さるのは良いのですが。どういたしますか皆?」
ジャスティンが困ったように皆に聞く。
「戦力が増えるんだ、良いんじゃねえか?」
「前衛が増えれば、あ~っしらは安全なんさ~。」
「そうですわね。ただし、働いてもらいますわよ?後は貯金もですわ。」
【条件付きですが俺は賛成ですね。】
「どんな条件なんだい、アーサー?」
【ディアナさんの力は未知数です。先程、彼女の喧嘩を見ましたが、男が四人が相手でした。鍛えれば今のダンさんより上になる可能性も否定出来ません。】
「そりゃあそうだがよ。鍛えるってどうするんだよ?アーサー?」
【それが条件なんです。目標としてですが、俺がいる間に単独でエティンには勝てるぐらいには鍛えて見せましょう。】
「「「何だって?」」」
皆がディアナの方を見る。
すると不安そうに俺の方を見て言って来る。
「ア、アタイにそんな事出来るっすか?」
【ディアナさんのやる気次第ですね。】
「やる気はあるっす。是非、お願いします。」
ディアナはそう言って深々と頭を下げる。
うん、これでディアナも揃えばダンの言った通りに戦力は充実するだろう。
ジャスティンとダンのコンビが前線で敵を倒し壁になる。
それにもし二人を抜けたとしてもディアナがいれば後衛の二人は更に安全が確保出来る。
後衛との間を駆ける戦士がいればアンナとラフィアは安心して攻撃やサポートが出来るだろう。
中衛、センターバックと言った所か。
鍛えがいがありそうだなと思っているとラフィアから声が掛かる。
「アーサー様、それなら私達も鍛えて下さいまし。」
「そうだね、まだアーサーとは剣を交えていないからね。」
「そうだぜ?新人ばかりって言うのは不公平だぜ?なあ?」
「あーっしは念の為、回避か受け流しを習いたいね~。」
「だそうだよ?アーサー?」
ジャスティンが言うと皆が期待を込めた目で俺を見て来る。
しばらくはこの国から動けないだろうし良い機会かな?
もし、すぐに戻れてもディアナを一人前に鍛えなければいけない。
約束したからね。
ここは受けておこうかな。
【ふぅ、分かりましたよ。皆さんの基本的な所を強化して行きましょう。後はディアナさんにも見合う装備を作ります。】
「良かったなディアナよ。アーサーの装備は凄いぜ?」
「そ、そうなんすか?」
「今の我々がいるのはアーサーのおかげと言っても過言ではないですね。」
【ジャスティンさん持ち上げるのも程々に。】
「いや~、ベドラムを倒せたのはアーサー君のおかげでしょう~?」
「そうだぜ!今更遠慮はしないけれどな!」
「ダン、お小遣いを減らしますわよ?」
「そりゃあないぜ、ラフィア様!アーサーからも言ってやってくれよ!」
「俺はお小遣いでは無いので・・・。」
「裏切り者め!お前も小遣いにしてやろうかー!」
皆で笑う。
目標があって皆でお金を貯めているのは感づいていた。
いつかそれを話してくれるまで待っているつもりだ。
鍋を食べ終わる。
遠慮しなくなるとディアナは八杯も食べていた。
合計で十杯・・・体型は変わって無いね。
何処に入っているのやら?
やはり胸か?
胸なのか?
いや、おっぱいには男の夢が詰まっているはず・・・。
等と邪な事を考えているとジャスティンが言って来た。
「さて、ディアナはアーサーに任せるとして。式はどうなんでしょうか?」
ジャスティンがまだ開かない城門を見ながらそんな事を言っていると伝令が此方にやって来たようだ。
「オーガの牙の皆様はいずこか!?」
あちこちで叫んでいる。
ジャスティンが立ち上がって両手を振り合図を送っている。
「何か急ぎの御用でございますか?」
そう言うと凱旋式のバドラック様の後に並べと言われた。
戦争終結の立役者なので前に行ってほしいそうだ。
するとディアナが尻ごむ。
「ア、アタイも行くんすか!?」
「そりゃあ、メンバーになったんだしな。行くのが当たり前だろう?」
「そうだね~。慣れておかないと大変だよ~?」
「左様ですわね。慣れるのも勉強ですわ。」
「あ、あの。アタイは遠慮を・・・。」
ディアナがそう言うとアンナとラフィアに首根っこを掴まれて引きずられていった。
ジャスティンが俺の肩を叩いて来る。
「アーサー、女性は怖いんだよ?気を付けて下さいね。」
【はい。出来る限り注意します!】
そう言うしか出来なかった。
新メンバーのディアナも含み、皆で城門の前まで来た。
城門前は人で溢れている。
「何処に並べば良いんでしょうね?」
ジャスティンが聞いて来た。
辺りをぐるっと見渡すとバドラック様が馬に乗っているのが見えた。
【あそこにバドラック閣下がいますので聞いてみましょうか?】
「そうか、頼めるかいアーサー?」
「では、行って来ますね。」
そう言うと人混みをスルスルと抜けて行く。
そうするとバドラック様もこちらに気づいたようだ。
「アーサー殿!貴殿らはこちらだ。」
【では、皆を連れてきますね。】
「不要だ!」
そう言うと大声で叫ぶ。
「オーガの牙が通る!道を開けよ!」
バドラック様がそう言うと道が出来た。
まるで映画のワンシーンの様だった。
ジャスティン達がその道を進んで来る。
「閣下、手間をおかけしまして申し訳ありません。」
皆で立礼して言う。
「ははは、英雄を呼ぶのに手間等とは思わぬよ。よく来てくれた。十五時の鐘が鳴ったら入場だからな準備をして待つが良い。」
「かしこまりました、閣下。後、紹介したい者がおりまして。」
ジャスティンがそう言うと右にアンナ、左にラフィアに脇を掴まれて観念したようにディアナがやって来た。
「先程加入したディアナです。まだ未熟ですが、私達共々よろしくお願い致します。」
「か、閣下、ディアナです!よろしくお願いするです!」
「はっはっは、かの英雄の列に加わるとは羨ましいな。若い者が嫉妬するぞ?」
「ははは、ディアナも喜んでおります。閣下、これからもよろしくお願い致します。」
ジャスティンが言うと皆が笑う。
「あ、あの。アタイは場違いな気がしますが?」
「ディアナ~。いい加減覚悟を決めると良いのさ~。」
「そうですわ。いいです事、そもそも・・・。」
ラフィアが説教モードに入った様だ。
ディアナは真面目に聞いている。
説教は鐘の鳴るまで続いた。
十五時の鐘が鳴る。
開門の時間だ。
皆の顔が引き締まる。
さあ、入場しようか。
そうするとバドラック様より入場が始まるのであった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
入場すると街の人々が側道に集まっていた。
城への道は空いている。
その様子に正月の駅伝を思い出してしまった。
コタツに入りながらテレビで見ていたなぁ。
公都にはこんなに人がいたんだね。
そう驚いていると声が聞こえて来た。
「先頭の馬に乗った方が公国の守り神のバドラック様だ!」
「その見事な指揮で公国軍を勝利に導いたそうだ!」
「閣下があってこその、公国軍と言う訳だ!」
「バドラック様、万歳!」
「「「万歳!」」」
「「不沈」のバドラック!」
「「「万歳!」」」
バドラック様が馬に乗って先頭を行く。
手を振り民達に答えている。
建物の窓と言う窓から花びらが投げられる。
綺麗だ。
凱旋式ってこんな物なんだ。
「次が貢献度大の冒険者、オーガの牙達だ!」
「「鉄壁」のジャスティンが率いる冒険者の英雄達!」
「その見事な戦いぶりで上級悪魔ベドラムの攻撃を全て受け止めたらしい!」
「「「鉄壁のジャスティン!万歳!」」」
「「「きゃ~!ジャスティン様!こちらをご覧になって~!」」」
さすがイケメンのジャスティン。
女性からの人気も絶大のようだ。
微笑みながら手を振っていると女性が倒れて行く。
ジャスティンの笑顔に当てられたのだろう。
これだけのイケメンなのに女性との話を全く聞かない。
不思議だよね?
「二番目の人が「鋼」のダンだ!その攻撃で悪魔達を地獄に送り返す剣豪だ!」
「「「ダーン!ダーン!ダーン!・・・」」」
ダンのコールが巻き起こる。
プロレスラーの入場を思い出してしまった。
テーマ曲でも流れていそうだ。
すると子供達がダンの周りをグルグルと回っている。
【凄い人気ですね、ダンさん。】
ダンは肩に子供を乗せて歩いている。
頭には子供が作ったのだろう。
つる草で作られた花飾りの王冠を付けていた。
「うは!どうよこの人気!」
そう言いながら街の人に空いている手を振って答える。
子供に絶大な人気がある様だ。
代わる代わる子供達を抱き上げている。
攻撃的なダンの武勇伝は、子供達の憧れなのだろう。
「次の獣人の女性がベドラムに致命傷を与えた「爆砕姫」アンナだ!」
「失礼ですわ!アンナ様と言いなさいよね!」
「そーよ!そーよ!」
「どんな悪魔もその弓で貫かれたそうだ!」
「アンナ姉様!こちらにもお顔をー!」
アンナは照れている様だ。
だが手を振って民衆に答えている。
・・・女性からの声が多いね。
「次は大魔術師「叡智」の、ラフィア様だ!」
「その圧倒的な魔力で悪魔族を葬り去ったとか!」
「的確な判断力でチームを勝利に導いたらしい!」
「その華麗な戦術で悪魔族を翻弄したらしいぞ!」
「ラフィア様!よくぞ、その力で公国を勝利にお導き下さりました!」
皆、凄い盛り上がりだった。
「皆、大人気だね。」
「この程度当然ですわ!」
頬が赤いのは気のせいでは無いだろう。
ローブを着た人からの声援が多いようだ。
さすがの魔法使い代表っぽいね。
「次が・・・。」
皆がザワザワしていて俺の方を見ている。
何だろうか?
俺、また何かやっちゃったかな?
「紅蓮のアーサーだ!その力並ぶ物なし!」
「バルロンデーモンの群れを200体を一人で倒した英傑らしいぞ!」
「あの方がいなければこの戦、勝てなかったと言うぞ!?」
「顔を見せないところも神秘的ですわ!」
「どんなお顔なのかしら?」
「「「紅蓮のアーサー!」」」
「「「我らの守り神!創造神の御子!」」」
最後に神官服を着た人達がそう言っていた。
ラフィアに聞くと創造神の神殿の方達だそうだ。
ん?
と、言う事は各王都には神殿があるのかな?
後でバドラック様にでも聞いてみよう。
皆に歓迎されていたようで安心する。
この笑顔を守れて良かった。
次々と花びらが投げられ沿道を埋めて行く。
「皆さん凄いっすね。大歓迎じゃないっすか!」
「ディアナも加われるようにしないといけませんね。」
ジャスティンがそう言うとディアナが意気込んで答える。
「頑張るッスよ!見ていて下さいよ、皆さん!」
自分も憧れた英雄に一歩近づいたと思ったのだろう。
ディアナも喜んでいる。
後続が次々と入場して来る。
そして声が掛かる。
こうして大歓声の中しばらく進んで行くと城門が見えて来た。
堀に跳ね橋が掛けられ城門は開け放たれている。
中に入り城の中央広場に進んで行くとバルコニーに着飾ったアーゼ様とリーゼ様がいた。
500人ぐらいは入れそうな広場に400人以上の代表達が集まる。
「あ、あのアタイもいて良いんすかね?」
「ディアナさん、もう逃げられませんので覚悟を決めて下さいね。」
ジャスティンがそう言うと、とうとう覚悟を決めたらしい。
「アタイも女だ!ここまで来たら逃げないっすよ!」
皆がアーゼ様の方を見上げると右手を挙げた。
そうすると広場に集まった代表達が静まって行く。
声が静まった所でアーゼ様から話が始まる。
「此処にいる者達は一部ですが、それぞれ国の為、愛しい人の為に戦った者達です!良くぞこの戦を勝利に導いてくれました!新たなる女王として感謝を述べさせて下さい!そなた達に感謝を!」
「アーゼ様万歳!リーゼ様万歳!公国は不滅ですぞ!」
バドラックさんがそう言った事で歓声が上がる。
しばらく歓声が続いて行くとアーゼ様が右手を上げる。
歓声が収まり静かになって行く。
「貴殿らがいなければ公国は危ない所でした。散って逝った兵達も含め、重ねて感謝を述べます。誠にありがとう。此処に戦争の終結を宣言致します!我らの勝利です!」
「「「ウオオオォォォ!!!」」」
戦争が終わったのを皆が喜んでいる。
大歓声だ。
「「「アーゼ女王陛下万歳!」」」
「「「リーゼ姫殿下万歳!」」」
「「「民に未来を!希望を!」」」
「「「公国万歳!」」」
「「「万歳!」」」
その歓声はしばらく収まる事は無かった。
ミカ 「何か言う事があるんじゃないの?」
Maya 「ははっ、この度は誠に申し訳ありませんでした。」
ミカ 「この通り反省している様だから許してやって頂戴。2度とこんな馬鹿な事はさせないから!」
Maya 「本当に申し訳ありません。頭の中からすっぽりと・・・」
ミカ 「次話は意欲執筆中よ!気合いを入れて書きなさい!」
Maya 「ははっ、ミカ様。読者の皆様の期待に応えられるように精一杯執筆いたします」
二人 「これからも、ヘファイストスの冒険をよろしくお願いいたします。」
そいう訳でお間抜けいたしました。
申し訳ございません。
いつものから!
評価、イイネ、ブックマーク等々。
いつもありがとうございます!
大変に励みになっております。
それでは 次話 公国の戦勝会(仮 はすぐに再アップいたします。
これからもよろしくお願いいたします!




