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ひと悶着ありまして

いつも読んで下さっている方々、こんばんは!

執筆終わりましたのでUPいたします。

それでは、お楽しみください!

そして凱旋式の日の朝。


『アリステリア様』に祈りを捧げると支度をする。

うん、急ごうか。

アンナとラフィアは支度が出来ていたので一緒に天幕を出る。

天幕の片付けは補給部隊がやる様だ。


時間が無かったので朝御飯は海苔の佃煮のおむすびを作っておいた。

ジャスティンとダンは喜んで食べていた。

昨日のお仕置きが効いたのだろう。

朝起きた時に二人で謝って来たのだ。


今回は大目に見ましょうかね。


ふと、後ろを振り返ると三週間程だろうが見慣れた景色を眺める。

色々な事があった。

皆がいなければ勝てなかっただろう。

すると同じように景色を見ながらジャスティンが側に寄って来た。


「アーサー、最初に君に言われた時はどうしようかと悩んだんだよ。でも・・・来て正解だった。」


【そうなんですか?ジャスティンさんなら絶対に来てくれると思ってましたよ?】


「僕には夢があるんだ。それは言えないけれどね。だが君のおかげで大きく夢に近づいたよ。ありがとう、アーサー。」


【ジャスティンさん、それは俺のセリフですよ?】


「アハハ、君といると飽きないね。今回も良い冒険だった。」


【そう言って頂けて、光栄の至り。】


「ふふふ、その言い方は君には似合わないよ。」


【そうですか?精進しないといけませんね。】


「ああ、そうさ。」


遠くを見ている様なジャスティンの瞳には何が写っているのだろうか?


「相棒!アーサー!置いて行くぞ!」


「二人共、遅れるんさ~?」


「アーサー様、どうかなさいましたか?」


皆が呼んでいる。


さあ行こう。


俺とジャスティンは皆の所に向かう。

そして城へと歩いて行く。

俺はもう一度振り返る。


【貴重な経験をありがとう。】


そう言って皆の後を追いかける。

今回も良い冒険だった。

いろんな経験が俺を大きくしてくれたのだろう。

そう思って城に向かう。


だが、これで日常を取り戻す戦いは終わった。


早くルイス達の所に戻りたいな。

・・・ルイス達はこんな俺を許してくれるだろうか?


不安になったがまだ色々な事があるのでさっさと済ませよう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「オーガの牙が敵の上級悪魔を一体、倒したんですか?」


その衛兵さんに詰め寄る。


「あ、ああ、それで戦局が公国に傾いたらしいよ。」


「そうなんですね。オーガの牙には犠牲者は出ていないのですか?」


「ああ、無事らしいよ?なんでも四人で上級魔族を葬ったらしいからね。」


四人?

確かあの人を入れると五人のはず。

何かあったのだろうか?


その衛兵さんはそれ以上の事を知らなかった。

情報の伝達が遅いのだろうか?

この衛兵さんには申し訳ないのだがイライラしてしまう。

あの人の無事を『アリステリア様』に祈る。


「ルイス姉ー!そろそろお昼だよー!アリスがお腹減ったってさー!」


リズから声が掛かる。


「分かったわ。皆で御飯を食べに行きましょう!」


そう言うと皆が集まって来た。


「今日は何が食べたいのかしら?」


「北通りのヘファさんと行ったお店のオススメが良いのです!」


そうアリスが言って来る。


「あの人も食べたのね。なら行きましょうか。」


「「「はーい!」」」


皆がそう言うとアリスの案内でその店に向かう。


「無事に早く帰って来てね。貴方。」


そう言うと冷たい風が吹く。


「本当に冷たい風ね。」


まるで何かを知らせるような風だった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


城に着いた俺達は正面の門から入るように言われて総勢で約9500の兵達と開門を待っている。


流石に兵士達の数が多い。

輜重部隊としての約2000名の部隊もいる。

更に民間の鍛冶師や娼婦等の撤収に時間が掛かっている様だった。


「このままじゃ夜になっちまうぜ?」


ダンが辺りを見回しながらそう言う。


「そうだね~。この寒さで野営は厳しいね~。」


アンナも同意する。


「また風邪だ!何て事にはなりたくありませんわよ?」


ラフィアも同意している。


「まあ、色々と調整しているのかもしれません。もう少し待ってみましょう。」


ジャスティンがそう言うと皆が肯く。

太陽を見ると真上にあった。


【ちょうど、焚火がありますしお昼に何か作りますかね?】


「アーサー、頼むよ。」


「おお、暖かい物を期待しちゃうぜ?」


「そうだね~。暖かいと良いんさ~。」


「アーサー様、申し訳ありませんが二人に同意致しますわ。」


「分かりました。期待してて下さいね。」


そう言って少し先にある大きな焚火の方へ向かった。

あちこちで炊煙が上がっているので少しばかり本気で作りますか。


さて、暖かい物か。

鍋にするか?

豆乳があったから出汁を取って豆乳鍋にすると良いかな。

後はつみれか、いやまて?

おでんも良いか?

いや、具がないか。

等と考えていると喧騒が聞こえて来た。


まあ、人が集まれば喧嘩の一つや二つあるだろうね。


良し、決めた!

気にしないで豆乳鍋を作ろう。

鳥ガラで鍋の出汁を取り始めた。


あれ?

なんか喧騒が近づいて来るんだけれど?

灰汁を取りながらその方向を見ると知らない人達が殴り合いをしていた。


おや?

片方は女の子じゃないか?

どうやら女に飢えた男達が一人の女の子を寄ってたかって侮辱している様だ。


「アタイに娼婦の真似事をしろってか!?良い度胸だ!叩きのめしてやらあ!」


「っは!そんな胸じゃあ気持ち悪がって客も寄り付かねえだろうさ!」


「もういっぺん言ってみやがれ!」


バキッ!


ドガッ!


その音が無視できない大きさになって来た。

なんでこっちに来るかね?

もしかして『アリステリア様』、これも試練でしょうか?


「おい、アンちゃん危ないぞ?」


「兄ちゃん、巻き込まれるぞ?」


ううん、でも美味しい出汁を取るには灰汁取りしないとね?

そんな事を気にしていたら喧嘩している男性の方が吹っ飛んで来た。

このままだと鍋が危ない。

俺は飛んで来た男の人を受け止める。


【人が料理をしている所に何の用事ですか?】


そう言って男を女の子の方に突き飛ばす。


【うん、良い出汁がとれた。後は鳥ガラをどけて・・・。】


ドカッ!


と、言う音がして今度は女の子が飛んで来た。


ドガシャーン!


予期していなかったので鍋をひっくり返してしまった。


【・・・ぁぁ。】


「くそ!アタイはそんな軽い女じゃねえんだよ!」


女の子は立ち上がると男に殴り掛かって行く。


「お、おい兄ちゃん大丈夫か?」


「だから言ったろう?危ねえってさ・・・。」


ゴゴゴゴゴ・・・


【せ、せっかくの会心の出来の出汁が!君達!喧嘩なら他人の迷惑にならない所でやってくれないかな!?】


そう言って喧嘩をしているヤツラに近づいて行く。


「ああん?てめえ、その女の仲間かよ?なら言ってやれや!股を開くぐらいがお似合いだってな!」


「「「ギャハハハハ!」」」


周りの男達が笑うと女の子が赤くなって反論する。


「て、てめえのお粗末なもんで女を満足させれるとは思えないね!」


「何だと!これだから胸の大きな女はよ!だから十七になっても処女なんだよ!」


「う、うるせえ!まだ懲りないのかい!?」


そう言って殴りかかって行く。

殴られた男が此方に飛んで来た。

ガシッとその顔を鷲掴みする。


【人の迷惑のかからない所でやって下さい!】


そう言って顎を狩る。


「ぎぇへ。」


と言って男が沈黙する。

女の子がこちらに向き直る。


「てめえもやるのかよ!」


と言って来たので注意する。


【君も人に迷惑のかからない所でやりなさい!】


「う、うるせえっ!」


そう言って殴りかかって来た女の子の顎に一撃入れる。


「はひゅ!?」


そう言って女の子も沈黙する。

すると男達が集まって来た。

どうやら喧嘩をしていた男の仲間の様だった。


「女が気絶したぞ!」


「手間かけやがって!」


「久しぶりの女だ胸はあれだが楽しませてもらおうぜ!」


そう言って男達が女の子を取り囲む。


【・・・貴方達もですか?邪魔をするなと言いましたよね?】


そう言って男達を蹴散らす。


このままにすると女の子が危ないかな?

そう思って女の子を背負うと料理を作り直しに行く。

あら?

・・・思ったよりでっかいわこの子!


背負った背中にでっかい二つの膨らみを感じていた。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


何か良い匂いがする。


ここは何処だい?

何でアタイは此処にいるんだ?

そう言えばあの失礼な男はどうしたっけ?

殴り飛ばして・・・。

それからの記憶がない。

そうだあの赤フードのやつが!


意識が覚醒する。


「何て事だ!」


全身をバネの様にして勢いよく起き上がる。


【あ、起きましたか?】


赤フードのヤツがそう言ってアタイを見ていた。

慌てて体を確認する。

・・・変な事はされていないようだね。


「そんで・・・アンタ何者さ?」


ソイツは鍋で何かを煮込んでいる様だ。

そう言えば腹が減ったね。

っく、昼飯を用意してるって事は貴族か金持ちか!?


【俺はアーサーって言うんだ君は?】


なんで自己紹介なんかしてるんだいコイツは?

しかも英雄様と同じ名前だと!?

騙りやがって!


【・・・なら君って呼ぶけれど良いかい?】


どう考えてもアタイの方が年上に見えるじゃねえか!

くそ!

鍋から美味そうな匂いがするじゃねえか!


「君じゃねえ。『ディアナ』っていう名前があるんだ!」


【じゃあ、ディアナさん。人に迷惑を掛けたら何て言うか知ってますよね?】


「アタイは迷惑なんか掛けてねえ!アイツらが失礼な事を言いやがったんだ!」


【俺の会心の出汁を無駄にしたよね?】


「ダシ?何の事だい!?」


【料理を台無しにしたって事だよ。】


「っけ、貴族様のお付きの料理人如きにそんな事言われたくないね!」


【そうかい、丁度、出来た所だからその如きの料理を食べてごらんよ?後、貴族ではないよ?】


そう言って木のフォークと何か野菜とかが入った木の器を差し出してくる。

良い匂いに腹が「グ~」ッと鳴る。

っち、貴族のボンボンのお付きが!


「てめえの作った料理なんて食えたもんじゃねえだろうさ!」


乱暴に器を受け取ると食べてみる。

するとどうだろうか!

口の中に今まで感じた事の無い美味い味が広がって行く。


「美味え!こんなの食った事がねえぞ!」


アタイは他の事には目もくれず一心にガツガツと食っているとソイツが言いやがる。


【それは良かった。鍋の出汁を取るのは大変な事なんだよ?分かるかい?】


ネベだ?

ダシだ?

さっきから何を言ってるんだコイツ?

そう思ったがフォークが止まらねえ。

食い終わったアタシは夢中で催促する!


「も、もう一杯くれよ!」


そう言っていた。

これは違う!

そう!

ただろくなもんを食って無かったからだ!

決してコイツの料理如きには・・・。


【どうぞ、まだ沢山あるからゆっくり噛んで食べなよ?】


そう言ってお代わりをよそって来る。

アタイは食べながら考える。

何でコイツはこんなに優しくしてくれるんだ?

皆、この胸を見て醜いって言うのにさ。

完全に気を失っていたのに何にもしやがらねえ。

やっぱりこの胸のせいか?


アタイが食い終わるのを見てそいつが言って来た。


【じゃあ、皆の所に行くけれど・・・ディアナさん付いて来るかい?】


ほほう、付いて来いってか?

上等だ行ってやろうじゃねえか!

木のフォークと器を焚火にぶち込む。


ソイツは少し残念さそうな顔をしていた。


「何処に行くんだい?もし変な事してみろ?その顔に拳を入れてやるぜ!」


【ああ、俺達オーガの牙の皆のいる場所にだよ。皆にも食べてもらわないといけないんだよ。】


「は?おめえごときがオーガの牙の方々を騙りやがるのかよ!」


【まあ、付いて来て下さいね。】


赤フード野郎がネベとか言う料理を持って歩いて行く。


「っは、どうせ偽もんだろうがね!」


そういってアタイは後悔が先に出ないから後悔なんだと言う事を知った。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「やあ、アーサー。珍しく遅かったじゃないか。」


【済みません、ジャスティンさん、ちょっとゴタゴタがありましてね。】


鍋を火にかけながら言う。


「で、そちらの女性は?」


【ああ、ディアナさんって言うんだけれど、男達に絡まれていてですね。危ないから保護したんですよ。】


「そうかい、こんにちは、ディアナさん。オーガの牙のリーダーをしているジャスティンです。よろしくお願いしますね。」


ジャスティンがディアナに握手を求めている。

ディアナはボーっとしているが手を差し出して握り返していた。


「同じくダンだ。アーサーその美味そうな物を早く食わせてくれよ。寒みいし腹が減ったぜ?」


【そうですね体が冷えちゃう前に食べましょう。】


俺がそう言って器によそって行くと残りの二人も自己紹介をしている。


「同じくアンナだよ~。よろしくねディアナちゃん。」


「同じくラフィアですわ。貴方にも創造神様の導きがあったのですね?よろしくお願い致しますわ。ディアナさん。」


「・・・あの一つ聞きたいんだ、いえ聞きたいのですが・・・貴方がた本物ですか?」


「「「ん?」」」


皆に食事をよそって行くと何の事だと皆が不思議そうな顔をしている。


「なんだ?俺達の偽もんでもいたのか?アーサー。」


【いえ、ディアナさんが何か勘違いをされているんですよ。】


「ん~。何かそんな感じだね~?」


「偽物ですの?不届きな!」


【ああ、ラフィアさん、勘違いなんですよ。だから物騒なのでそのスペルブックはしまいましょうね?】


「・・・分かりましたわ、アーサー様。」


【ディアナさん、食べないと折角の料理が冷えてしまうのですが?】


俺がそう言うと突然ディアナが大声を上げる。


「・・・本当に済みませんでしたっす!」


そう言って土下座しているぞ?


「どういう事なのかな?アーサー?」


珍しくジャスティンの笑顔が怖い。


【いや、実はこういう事がありまして。】


慌てて皆に事実を簡潔に伝える。


「ふむ、それでディアナさんが勘違いをされたと?」


「その通りでございます!まさか本物とは思わず、大変失礼をしたっす!」


ディアナは絶賛土下座中だ。


「女性に土下座をさせるような趣味は無いので頭を上げて下さいね。ディアナさん。」


ジャスティンがそう言うとディアナは恐る恐る頭を上げる。


「あの、失礼でございますが、このフードのヤツ、いや方がアーサー様と言うのは・・・。」


「本物ですよ?信じられないのは分かりますが彼がオーガの牙のアーサーです。」


ジャスティンよ、信じられないとは何だろうか?


「まさか本物のアーサー様とは!失礼致しましたっす!」


ディアナが俺に土下座して来る。


【ジャスティンさんも言った通りなので土下座はやめましょうね。ディアナさん。】


「でも、けじめが・・・。」


「ほら、冷めちゃうともったいないですから食べて下さいませんこと?アーサー様の料理を食べられるのは光栄な事なんですわよ?」


ラフィアが器をディアナに押し付けるように渡す。


「そうだね~。これを食べちゃうと他の料理が物足りなく思えちゃうのさ~。」


「その通りだぜ!良い事言うじゃねえかアンナ!冷めないうちに食べろよディアナ。」


「アンナ、ダン。料理人に失礼ですよ。さあ、ディアナさんも食べましょう。アーサーの御飯は特別に美味しいですよ?」


「い、いただかせて頂きます!」


どうやら誤解も解けたようだ。

良かった良かった。

皆で御飯を食べている間にディアナの事を聞いてみる。

聞くと腕っぷしには自信があったようなので戦場に稼ぎに来ていたらしい。


「寒村で育ったので口は悪いんだけどさ。あっと。」


「普段通りで良いですよ、ディアナさん。」


ジャスティンがそう言う。


「そ、そんな事出来ないですよ!ございますよ!」


「何でだよ?いつも通りで良いだろう?」


ダンがそう言うと皆が肯く。


「ア、アタイなんてそこいらのヤツと変わらないですし。碌に戦功も立てられませんでしたから・・・。」


ディアナさんを見てみる。


身長は170cmぐらいだろう。

癖っ毛の腰まである紫の髪を後ろでポニーテールで纏めている。

年齢は十七歳とか言ってたな。

ヴァイオレットの瞳の奥には力強さを感じる。

化粧っ気はないが綺麗な顔立ちをしている。

結構良い筋肉が付いているような体つきだ。

胡坐をしてはいるが足もスラリとしていて体自体が柔らかそうだ。


更に言うとラフィアより大きいものが二つ付いている。


「初々しいから僕達の出会いを思い出しますね。アンナ、ラフィア。」


「そうだね~、ジャスティン~、ダン~。」


「そうですわね。」


俺も四人の馴れ初めは聞いていないな、興味がありますね。

そうすると皆がしゃべり始める。


「僕とダンは同じ村の出でね。兄貴分がダンだったんだよ。」


「そうだぜ。今ではかけがえのない相棒だ!」


二人が拳をコツンと合わせる。


「あーっしは賞金首だったんさ、ラフィアに運良く拾われたけどね~。」


「私の実家に忍び込んできたのよね?」


「そうなんだな~。そこで警備をしているジャスティンとダンに捕まっちゃってさ~。」


【賞金首って罰はどうなったんですか?】


俺が聞くとラフィアが答えてくれる。


「私の護衛という友達をしてもらう様に・・・お父様にお願いしてお咎めを無しに致しましたのよ。」


【へー。それでアンナさんは何を取りに行ったんですか?】


「私の家に飾ってあった『聖金貨』ですわ。」


おお、でたよ聖金貨!

あれ?

と、言う事はラフィアって?


【聖金貨と言う事はラフィアさんて良い所の出では?】


俺が聞くと頬を染めて答えてくれた。


「ええ、父の代で侯爵位が剥奪されましたのよ・・・冤罪なのですが。なので今はただのラフィアですわ・・・。」


そう言った顔は悲しそうに見えた。

ジャスティン達もこれ以上突っ込まないようだった。

訳アリなんだろうな。

でも、何となく背景が見えたよ。


「あの。」


【どうしたのディアナさん?】


「お代わりを貰っても良いっすか?」


【そんな事なら遠慮しないでどうぞ。】


そう言ってよそってあげる。


「こんな美味い飯は食った事が無いっす!さすが英雄達っすね!」


「「「英雄?」」」


「え?だってバルロンデーモンの大軍団の撃退に大悪魔ベドラムとミアスマの撃破っすよね?」


「ああ、確かに倒したけれどね。」


ジャスティンが困った顔をして答えると皆がそれぞれ言って来る。


「ベドラムとの戦いは結構きつかったけどな。」


「そうだね~、厳しかったね~。」


「そうですわね。」


皆はそう言ってあの戦いを思い出している様だった。


「全てはここにいる、アーサーのおかげなんですよ?」


【ジャスティンさん、持ち上げなくて結構ですよ?】


そう言うと皆が言って来る。


「エティンやオーガの討伐が僕らの出会いでしたね。それに・・・。」


「そうだぜ?装備だってそうだしな?ミカ様の事だってよー。」


「そうだね~。ベドラムの時は相棒が無かったらと思うと寒気がするのさ~。」


「左様ですわね。『アリステリア様』、この出会いに感謝を。」


「さすがっすね!アーサーさん。所で皆さんにお願いがあるんですが・・・。」


「何かな?」


ジャスティンが代表して聞く。


「アタイをオーガの牙に入れて下さい!」


そう言って土下座して来た。

此処まで読んで頂き、ありがとうございます!

それではいつものをば!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

誠にありがとうございます!

いつも励みになっております!

それでは 次話 凱旋式(仮 でお会いしましょう!

お休みなさいませ!

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