傾国の美女?
読んで下さっている方々、こんばんは!
執筆終わりましたのでUPいたします。
お楽しみください!
騒ぎの方へたどり着くと、そこには公王様達、御一行が来ていた。
公王様自ら?
しかも取り巻きの貴族が約50人?
嫌な予感しかしないね。
すでに公王様の前でバドラックさんが跪いていた。
何かを報告していたようだ。
すると俺の姿を見つけたのだろう。
アーゼ様が小走りに走り寄って抱き着いて来た。
「アーサー様!ご活躍は伺っておりますわ!よくぞ成し遂げて下さいました!」
「姉様、皆の前ですわよ。」
「構いませんわ?将来の旦那様になるお方ですもの!」
誰が旦那様だって?
俺にはルイスと言う心に決めた人がいるんだ。
【アーゼ様、これはどういったご用件でしょうか?】
「晩餐会にも出ずに戦っている貴方様を労う為に参りましたの。お邪魔なんて事はありませんわよね?」
【今は落ち着きましたので大丈夫かと思われますが、自ら戦場に来るのはおやめ下さい。何があるか分かりませんよ?】
「でも、アーサー様が助けて下さるのでしょう?私はその方が良いですわ?」
【助けはしますが・・・。】
「あん、そんなつれない事をおっしゃらずに、でないと涙が出てきますわ?」
泣き真似をしているが何か違う。
うーん、何が目的なんだろうか?
深く考えてしまう。
だってそうだろう?
奮戦しているはずの公国軍が押されていて、しかも食料も無いんだから・・・。
「それで、公王様方は何用で参られたのですか?」
アーゼ様に言ったつもりだったのだが、いつのまにか近くにいた公王様が答えてくれた。
「アーゼがどうしてもと言うのでな。可愛い娘の言葉は聞かんといかん。それに視察もたまには良かろう。」
へえ、俺の質問に答えてくれたよ。
でも、その金でもっと糧食を充実してくれませんかね?
十分に視察して下さいね!
そう思ってアーゼ様の耳元で囁く。
『アーゼ様、聞いていたのと大分違うのですが、糧食の手配をお願いして頂けませんか?』
『あら?私に願い事ですか?婚約して下さるなら何でもお父様に言って差し上げましてよ。』
アーゼ様との婚約にはまったく興味がないんだけどね。
Sだし、どんな事をされるのかを考えると怖すぎる。
『お願いを聞いて下さなければ、私共は撤収致しますよ?』
『あら?交渉出来る立場だとお思いになっていらっしゃって?貴方様はこの兵達を見殺す事は出来ないのでしょう?』
ほらね、やっぱりだよ。
でも捨て置く訳にも行かない。
【・・・お願いです。国の、いえ民の為にもそれだけでも聞いて頂けませんか?】
跪いてアーゼ様の左手を取り甲にキスをする。
「うふふ、今回はこれで許して差し上げますわ。次は甲ではなくこちらにお願い致しますわね。」
そう言って唇を指してくる。
【考えさせて頂きましょう。】
「では、積もる話は後程・・・そう、アーサー様。二度目はどのように楽しませてくださいますの?楽しみにしておりますわ。」
そう言ってアーゼ様は手を振り公王様の方に歩いて行く。
リーゼ様は慌てて追いかけている。
うーむ、次はどうやってお願いするかな。
そう考えていると視線を感じる。
その先を見ると公王様が俺を凄い顔で睨んでいた。
そんな公王様にアーゼ様が近づいて行くと愛しい恋人にでも向けるような顔になって話を聞いている。
「お義父様、お願いがあるのですが。よろしくて?」
「何かな、愛しい娘よ。お前の為ならば何でもかなえよう。」
「見た所、戦場に糧食が不足しているようですの。補給を速やかにお願い出来ませんかしら?」
「うむ、愛しいお前の頼みだ。早速手配しよう。」
「愛しいお義父様、出来るだけ多くの糧食をお願いできませんかしら?」
三国志だっけかに出て来た傾国の美女の様だな。
昔読んでハマっていたな。
男の子なら一度は憧れるよね?
「分かった。誰か直ちに手配せよ!」
「「かしこまりました。」」
そう言うと騎士達が馬に乗って城の方角へと走って行った。
これで糧食はしばらくは大丈夫・・・なはずだ。
御飯を食べないとやる気が出ないもんね。
アレだけでお願いを聞いてもらえるなら安い物だ。
振り返ったアーゼ様を見た。
その笑顔に背中に氷を入れられたような恐ろしさを感じた。
【そ、それでは皆様、戦後処理がありますので失礼させて頂きます。】
そう言ってジャスティン達の方へ走り去る。
そう、あの笑顔から逃げたかった。
俺を見つめる悪魔の様な笑顔のアーゼ様が此方を見ていたからだ。
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「あれ?アーサー、敵じゃなかったのかい?」
向かって来る途中のジャスティンとダンに会った。
【え、ええ、公王様達が視察に来て下さっておりました。】
「げ、そんな事するのかよ?あのケチな奴がよ。」
「ダン、聞こえますよ。」
「おっといけねえ。」
ヘルム越しに口を塞ぐかのようにしている。
【糧食の件はアーゼ様に頼んでおきましたので、しばらくは大丈夫かと思われます。】
「・・・アーサー、何を交換条件にしたんだい?」
ジャスティン鋭いな。
【アーゼ様の左手の甲に口付けをしました。】
「それだけの事で御機嫌になって補給するのかよ!?」
【して下さるようですね。公王様に頼んでいるのを目の前で見ていましたから。】
「ふむ・・・とりあえず、それなら安心だね。」
「そう願いたいですね。」
話ながらラフィアの待っている所まで戻る。
ラフィアと合流しアンナを待っている。
しばらくすると戻って来た。
なんか、かなり慌てている様だ?
「はー、はー・・・。」
「アンナお水ですわ。」
グビグビと飲み込んでいる。
何かよっぽどの事があったのだろうか?
「ぷはー!生き返ったよ~。ありがとう、ラフィア~。」
「皆が揃っているのでお礼はいいから報告して頂戴。」
「りょ~。アーサー君の思っていた通りだったよ~。遺跡の側に生贄の祭壇が作ってあってそこで黒い悪魔達が召喚魔法を使ってインプと赤いのを呼び出していたよ~。」
【成程、黒い悪魔は何匹かは確認出来ましたか?】
「目算で約70匹かな~?」
【と、言う事は増えている黒い悪魔を召喚している者がいると言う事は確定ですね。】
俺が言うと皆が肯く。
「アーサーの予想通りか・・・。」
ジャスティンが何か考えているようだ。
「それとね遺跡からは人間風の翼の生えた女と、鹿みたいな頭をした大男が出て来たのさ~。」
【それは上級悪魔っぽいですね。有力な情報です、しかし、大丈夫でしたか?】
「確認だけしてたら尻尾がビビッとなったから慌てて走って逃げて来たんさ~。」
【それが正解ですね。無事で良かったですアンナさん。】
アンナを抱きしめる。
体が冷えていた。
なんかラフィアの視線が痛い。
【アンナさん、そこの焚火で体を良く温めて下さいね。】
「アーサー君、つれないんさ~!」
ごめんなさい、怖い物は怖いんです。
「で、どうするよ?相棒?」
「遺跡は後回しにして祭壇を破壊しないと不味いですね。」
「そうですわね。幸いにも私達には力がありますし、アーサー様もいらっしゃいますわ。」
「そうだね~。叩くなら昼間が良いかな~。」
【そうですね、今日の所は公族がいるのでこの場を離れる事が出来ませんが、やれる事をやっておきましょう。】
「その時の為の準備をしておきましょう。」
ジャスティンがそう言った事で皆が肯く。
【では俺は引き続き武具の調整をしますね。】
「アーサー、頼んだよ。」
「頼んだぜ、アーサー!」
「お願いね~。アーサー君~。」
「済みませんがお願い致します、アーサー様。」
「では、英気を養いますか。」
「今日は何を作ってくれるんだよ?」
そう言ってダンがヘッドロックを掛けて来る。
御飯を作るのが俺の仕事になりつつある。
料理人ではないんだがな・・・。
【ダンさん痛いですよ。今日も魚料理ですよ?匂いが出ちゃいますからね。】
「たまには肉が食いてえな。」
「相棒、仕方がありませんよ。戦地ですし、他の兵達は昼は食べられないのでしょう?」
「左様ですわ、アーサー様の料理を食べられるだけ幸せなのですわ。」
「そうだね~。アーサー君~。あーっしは寿司が食いたいね~。」
「昼間だったら米だけなら大丈夫だと思いますよ?」
俺がそう言うとアンナが頬にキスをして来る。
リクエストには応えないとね。
だが、ラフィアの視線が痛い。
「じゃあ、お願いするんさ~。」
【分かりましたよ。で、ダンさんそろそろ放してくれないとダンさんの分は作りませんよ?】
「わ、悪かったって、この通りだ!」
ダンがそう言った事で皆の緊張が取れたのだろう。
俺達は笑いながら天幕へと戻って行った。
此処まで読んで下さって、ありがとうございます!
まずはいつものを!
評価、イイネ、ブックマーク等々。
ありがとうございます!
大変に励みになっております!
それでは 次話 鎧の魔王の7体の側近(仮 でお会いしましょう!
お休みなさい!
職場でノロウィルスがでました。
自分も被害にあっております。
今朝は調子が良かったのになと思っていましたが昼過ぎに保健所の人が入りましてそのまま1週間保全で休みになりました。
ただ、自分にも被害が出ているので今回は凄いです。
しばらく休載するかもしれませんが治りましたらまた頑張りますのでよろしくお願いいたします。




