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料理は初めてらしい

読んで下さっている方々、こんばんは!

いつもありがとうございます!

執筆終わりました。

それではお楽しみください!

「こちらでございます。」


侍女さんにそう言われて部屋に入るとガーゴイル族独特の石造りの部屋だった。


一緒に入ってきたのは女王陛下と相談役だろう人、侍女さん、そして護衛の兵士さんが二人。

進められて席に座ると女王陛下が話始める。


「我々は食材をそのまま食べるのですが、人族には難しいのでしょう?」


【左様ですね、料理をしないと我々人族は美味しく食べられない物が多いですね。】


「ふむ、我々は基本的に料理をしないのです。食べられない訳ではないのですが食文化と言う物が無かったのです。」


成程ね。

通りで広場の近くに喫茶店等の食事処が一軒も無かった訳だ。

肉串の露店ぐらいしかなかったもんね。


【それでは陛下、私めに料理をさせて頂けますか?】


「陛下、それはいかがなものでしょうか!?料理等、御即位あそばされてからお食べになった事は無いではありませんか?まして初めて会った者の料理等!」


相談役の人が勢い良く椅子から立ち上がりそう言って来た。


「構いません。『リャーズ』料理場へ案内して差し上げなさい。」


「むぅ、陛下がそうおっしゃるのであれば・・・。」


相談役だろう人はそう言って席に着く。

料理はしないのに調理場はあるんだ。

そうするとガーゴイルの侍女だろう人が近づいて来て言う。


「お客様、ご案内致します。」


リャーズと呼ばれた侍女の人について行く。

石造りの通路をしばらく歩くと


「こちらでございます。」


そう言って厨房とおぼしき所へ案内された。

中に入ると色々な魔道具がある。

キッチンに魔道具のコンロやオーブンまであった。

料理はしないんじゃなかったのかな?


【これは立派な厨房ですね。】


料理をしないと言うのに凄く立派な厨房だった。

あれは何だろうか?

石で作った横開きの蓋のある棚の様な物だった。


「そちらは『氷冷庫』でございますね。」


【触ってみても?】


「もちろん、構いませんわ。」


蓋を開けるとひんやりしている。


うおお!

冷気が出ている!

欲しいな氷冷庫!

どんな仕組み何だろうか?

これがあれば料理の幅が広がる!


まずは、エールなどの酒を冷やして「グイッ!」っといきたいねえ。

興味を持った俺は聞いてみる。


【こちらは購入出来るのでしょうか?】


「購入は出来ますが高級な魔道具なので沢山の『金』が必要になりますよ?」


【お金ではなく金なのですか?】


残念ながら金はそんなに持っていない。


「ここ、フェルナー帝国では金の産出が豊富で通貨がありません。なので金や物との交換が主流です。最近は大陸通貨も見かけるようになりましたがやはり金での取引が主流でございますね。」


金が豊富!

そうなんだ。

氷冷庫ほしいなぁ。

許可を貰って金が掘れないだろうか?


そう言えば大陸通貨って言ってたね?

此処は別の大陸なのかな?

世界地図には大陸の七ヶ国しか乗っていなかったぞ?

ふむ、そう言う所も勉強しないとな。


課題が増えてしまった。


【先程から陛下の隣にいらっしゃる方はどちら様でしょうか?】


「相談役の前宰相の「エクスィプノ」様でございますね。」


前宰相さんだったか。

今の宰相はどうしたんだろうか?

とりあえず、今の呼称は相談役で良いだろう。

まあ、もっと親密になったら色々と教えてくれるだろう。


【それでは料理致しますね。】


「はい、お願い致します。」


そう言うとジーっと俺を見ている。

見られているが始めようか。


メニューは海鮮丼である。

米を炊き刺身を切る。

炊きあがった米を酢飯にしてっと。

女王様と相談役さん、侍女さん、護衛さん二人に自分の分を作る。

昆布から出汁をとり味噌汁も作ってみた。


【出来上がりました。】


「それではお運び致します。」


そう言って石のお盆の様な物に置いて行く。


【持ち切れない分は私がお持ちしますよ。】


「ありがとうございます。」


石造りのお盆を借りて料理を乗せて行く。


「お客様、それでは行きましょうか。」


リャーズさんが先導して歩いて行く。

部屋の前に護衛の人が立っていて敬礼して来る。

護衛の人が扉を開けると、待っていた女王陛下が丼を見て言って来る。


「ヘファイストス殿、ご苦労であった。ん?それが昼餉か?」


【はい、海鮮丼と申します。今回はこちらにしてみました。】


リャーズさんが、女王陛下の前にまず置く。

続けて相談役の人の前に置く。


「これが料理と言う物か?ただの生魚ではないか?」


相談役の人が慌てて言ってくる。


【新鮮なのでそのまま召し上がって頂いて大丈夫でございます。醤油を回しがけてお召し上がり下さい。好みによってこちらの山葵を少量付けると一層美味しくなりますよ。】


俺は護衛の二人に持って行く。


「「我らの分まで!?」」


【ええ、人間族の食文化を知って頂ければと。】


「感謝する、客人。」


「ありがたく頂こう。」


お礼を言われてしまった。

気に入ってもらえると良いね。

自分の分を席に置き座る。


「陛下、失礼致しますね。」


そう言ってリャーズさんが女王陛下の丼に醤油を掛け、箸を付けると海老を一匹飲み込んだ。

殻は取ってあるけどワイルドだなガーゴイル・・・。

リャーズさんは箸でつまむのは出来る様だ。

味噌汁はスプーンですくって飲んでいる。


「おいし!っは、失礼しました。大丈夫なようです陛下。」


そう言って丼を勧める。

あー、毒味って言うやつかな?

リャーズさんの方を見ると美味しかったのだろうか笑顔になっていた。

自分の分を取ると嬉しそうにしていた。


「では頂くとするかのう。」


「はい陛下。」


【いただきます。】


「いただきます?それも作法なのか?」


うん、言われると思ったよ。


「神様に毎日の糧をありがとうございますと簡素ですが祈っておるのですよ。」


「神か・・・なるほどのお。」


そう言って遅い昼御飯が始まった。

皆、初めての箸に戸惑っている様だ。

俺が使っている様子を見て真似ている。


「ほう、料理すれば生魚も美味い物ですね。それのこの『しょうゆ』というものは良い。気に入りました。」


「左様ですな陛下。この『わさび』とやらも良いですぞ!」


「こ、これは美味い。」


「料理とはいったい・・・。」


皆さんが慣れない箸を使って器用にかき込んで食べている。

女王陛下だけでなく護衛の人にも好評の様だ。


「ヘファイストス殿、本当にこちらが本業ではないのか?」


【ええ、違いますね。鍛冶師が本業でございますよ。陛下。】


「ふむ、まだまだ食べられそうじゃ。代わりを持つがよい。」


【ではお作りしてまいりますね、陛下。】


「済まぬの、ヘファイストス殿。」


「ヘファイストス殿、私の分もお願い出来るか?」


立ち上がろうとすると相談役の人からもそう言われる。


「分かりました、お待ち下さい。」


・・・リャーズさんと護衛の人からも視線を感じるぞ?


【皆様の分を作ってまいりますね。】


「ありがとうございます、お客様。」


「「感謝する、客人。」」


運んでもらう為、リャーズさんを伴って料理を作りに行った。

二杯目は毒味をしていなかった。

少しは信用されたのだろうか?

皆が食べ終わると女王様が提案して来た。


「ヘファイストス殿。そなた、わらわの専属の料理人にならぬか?」


あれ?

料理人じゃないと言ったはずなのだが・・・。


【陛下、鍛冶師が本業でございますれば難しく、お許しください。】


「ふむ、仕方が無い。そうじゃ!講習会の後はその料理でわらわをもてなすが良いぞ。」


料理をもっと知ってもらおうと思っていたのでいいタイミングだった。


【出来る限り作らせて頂きます、陛下。】


そう答えると女王陛下は微笑んでくれた。

そして講習会の日時を毎月、二十日の十時からと決めると満足したのか解放された。

城を出て空を見ると夕日が沈みそうだった。


最近御飯しか作って無いなと思いつつ、俺は慌ててフェアリー・ゲートへと走りオーカムの街へと戻るのであった。

此処まで読んで下さってありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになっております!

ありがとうございます!

頭の中では1章としての完結までの物語の構成が完結いたしました。

あとは骨に肉を付けながら完成させていきたいと思います。

それでは 次話 いつものが危機(仮 でお会いしましょう!

お疲れさまでした。

お休みなさい。

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