ガーゴイル族の街
皆さん、こんばんは!
いつも読んで下さってありがとうございます!
執筆が終わりました!
それでは、お楽しみください!
うん、無事に着いたようだ。
俺は門に向かって歩き出す。
この巨大な柱は何かの遺跡の名残だろうか?
そう考えながら門へと向かって歩いて行く。
【ここが・・・入り口かな?】
その荘厳な入り口に思わず言葉が出る。
長大な大階段がありその上には開きっぱなしのでっかい門がある。
前に戦ったオーガ・ロードでも潜り抜けられそうだ。
そのまま近づいて行くとガーゴイル族の衛兵が近寄って来た。
「ようこそ、エギエネスシティへ。本日はどのようなご用件でしょうか?」
【錬成をしに来ました。魂の金床は使えるでしょうか?】
そう聞くと衛兵さんの顔が「またか。」と言う様に変わる。
「使える状態にはしてあるんだが使える人がいないんだよ。貴方もその類の人かい?」
どうやら研究をしに来た人と間違えられている様だ。
【いえ、実験と言われればそうですが、錬成を復活させに来たんですよ。】
「そう言って何人も諦めて帰って行ったよ?」
苦笑いしている。
ほう、そうなのか。
だが使いこなせないのはスキルのせいだろうな。
【俺は錬成をしに来たので、大丈夫ですよ。】
そう言ってギルドカードを見せる。
「済まないが、フードを取れるかな?」
ああ、そう言えば装備してたんだった。
【ああ、済みませんでした。】
そう言ってフードを取る。
「まあ、無理はしないようにな。確認した。通って下さい。」
カードを返される。
フードを被ると魂の金床が何処にあるのかを衛兵さんに聞く。
「そこの大階段を昇った広場の中央にあるよ。気を付けてな。」
【ありがとうございます。】
そう言って幅の広い長い階段を昇り始める。
長すぎる、エスカレーターは無いのだろうか?
階段を昇り切ると大広場だった。
露店が立ち並び人の行きかいも多々ある。
さすがにガーゴイルの人が多い。
オーカムよりも賑わいがある。
【おお、ここがエギエネスシティか。】
景観からするに中央の奥の方にピラミッドの様な建物がある。
ゲーム知識だとあれはガーゴイル族の王宮だったはずだ。
同じようにあそこに『アレ』があるのだろうか?
まあ、良い。
広場の中央へと歩き出す。
しばらく歩くと見えて来た。
あれがそうだろう。
何人かが研究をしているのが見える。
みんな白衣だった。
何やら怪しげなコードを伸ばして機械らしきものに接続している人もいる。
構わずに近づく。
まずはこれから行きましょうかね。
先程、打ち上がったロングソードを取り出す。
さてと、上手く行くと良いのだが。
材料はバックパックに入っているので『練成スキル』を発動させる。
頭の中にメニューが浮かんで来たので目を瞑り操作する。
悪魔の特効武器を選んでみる。
必要な希少素材などもそろっている。
発動させる。
そうすると目を瞑っていても分かる様にロングソードが光り始める。
やがて光が収まった。
早速、鑑定してみる。
ロングソードに『悪魔特効』と付いている。
どうやら成功の様だ。
ゲーム知識だったけれど成功して良かった。
「え!?なんだ今のは!?」
「錬成・・・なのか!?」
「そんな馬鹿な!この300年使いこなした人物はいないんだぞ?」
「我々より先に人族が練成だと!?」
口々に言っているのが聞こえて来た。
ああ、そう言えば失われた技術がどうとかってミカが言ってたな。
俺は構わず二本目の対悪魔用のロングソードを練成する。
ツヴァイハンダーを取り出すと同じように錬成する。
これでスキルの最適化が行われたのだろうか?
次からは武具を練成する時に早く出来て、しかも素材の消費も少なく出来るだろう。
鑑定するとロングソードにもツヴァイハンダーにも悪魔特効の効果が付いていた。
次はアンナ用の矢を作って行く。
先程、雑貨屋で買った矢を悪魔特効の矢にして500本作ってみた。
こちらも作成できた。
悪魔の爪の残りが十一個になってしまったが、また仕入れればいいだろう。
更に青く染めたローブを四枚作る。
そして『レジスティング・スペル』の効果を錬成する。
念の為、自分のフード付きローブにも錬成しておく。
【うん、成功だね。これで・・・。】
そうすると周りにいた研究者達が群がって来る。
「君、今やっていたのは錬成なのかい!?」
「君は何処の国の研究者だ!?」
「あれが錬成か!直で見たがどんな物を錬成したんだい!?」
「教えを請いたい。人族の少年よ。我らにその技術を教えてはくれまいか!?」
等々、声が掛かって来る。
凄い人だかりだった。
うーん、早い所戻りたいんだけどな。
そうするとガーゴイル族の衛兵さんが二名、人をかき分け近寄って来た。
「人族の少年。我らの女王が呼んでいる。」
「是非、御同行願いたい。」
ありゃまあ、女王陛下からお誘いが来たよ。
そんなに大それた事なのだろうか?
ゲームでも練成した武具は終盤で使っていたな。
ギルドメンバーに作っていた頃を思い出す。
広場の時計を見ると、時間はまだ一時を回った所だった。
【食事をしてからでも良いですか?】
と、衛兵さんに聞いてみた。
「女王が用意している。」
「気にせず付いて来ると良い。」
そう言われて仕方が無いと思いつつ後を付いて行く。
俺が消えた広場の魂の金床の周りでは人族の少年が錬成を復活させたとの話題で持ち切りだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺は衛兵さんに黙って付いて行く。
しばらく歩くと先ほど見た宮殿がある所だった。
幅の広くて長い丘の様な階段を昇ると宮殿の内部なのだろう。
長い階段ばかりで大変では無いのだろうか?
ああ、ガーゴイル族は翼があるから飛べるのか。
階段を昇り切ると水路のある綺麗な花が咲き誇っている所へ出た。
更にに歩くと大きな両開きの扉が見えて来た。
どうやらここが広間になっているようだ。
門衛さんが間隔を空けて四人立っている。
衛兵さんが門衛さんに事情を説明している。
そうすると「この者が?」等の言葉がちらほら聞こえて来た。
話し終わったのか戻ってくると言われる。
「中で女王陛下がお待ちだ。」
「入りたまえ、人族の少年よ。」
ゴゴゴ・・・
と、言って重そうな音をして扉が開いて行く。
中は謁見の間のようだった。
正面の通路と思える所には赤い絨毯が敷いてあり、その絨毯に沿うように左右両側に位の高そうなガーゴイル族の人達が並んで立っている。
奥には豪奢な石造りの椅子があり、そこに『女王』と呼ばれる人が座っているようだ。
俺が室内に入ると「ゴゴゴ・・・」と言いながらドアが閉まる。
緊急の用があった場合もこうなのだろうか?
絨毯の上をとりあえず進む。
ガーゴイル族の作法は知らないので、とりあえず進んでみた。
女王まで十m程の所だろうか?
「人族の子よ、そこで止まって頂けるかな?。」
女王陛下の隣にいる位の高そうな人『相談役』もしかすると『宰相』だろうか?
その人物から声が掛かる。
俺はその場で跪く。
「お目にかかれて光栄でございます、陛下。」
そして女王陛下が口を開く。
「人族の少年よ。よくぞ錬成の復活を成し遂げてくれました。」
情報の伝達が思ったよりも早いな。
そう思っているとやはり練成の事を質問される。
「それで、どのように秘術である錬成を用いたのかを聞きたいのですが、説明をして頂けぬか?」
そうすると研究者達と思しき人たちがゾロゾロと室内に入って来た。
うーん、なんて説明すればいいのだろうか。
とりあえず話をしてみる。
【難しい事はありません女王陛下。練成のスキルを上げただけでございますよ?】
ザワザワ・・・
む、何かまずかったかな?
そう思っていると相談役の人が声を掛けて来る。
「練成スキルは今では誰も使いこなせないのです。貴方はどこでソレを身に付けたのですか?」
【文献を読んで身に付けました。練成スキルはまずは理解から始まります。その後に実践です。】
「文献だと?」
「理解だと?」
「我々が理解していないとでも言うのか?」
「無礼な!」
うーん、言い方がまずかったかな?
そう思ったのでフォローしておく。
【理解とは知識を有効に使い知恵にするべき事なので研究者の皆様方が使えないと言う事は理解が出来ていない物と思われます。】
ザワザワ・・・。
女王陛下が言って来る。
「ならばお主は使えるので理解をしていると言う事で良いのか?」
【その通りでございます。】
「ならば、その理解こそ、我らガーゴイル族の悲願。是非その知識と知恵を分けてはもらえぬか?」
【女王陛下から頼まれてしまっては嫌とは申せませんね。分かりました。ただし条件というか・・・お願いがございます。】
「願いとは何か?」
俺の知っているゲームの知識ならここには「アレ」があるはずだ。
【女王陛下、ここには王族専用の魂の金床がありますよね?】
「何故そなたが知っているのですか!?ソレは王族と一部の関係者しか知らないはずです!?」
やはりあるんだ。
「その事は王都の大図書館の文献で調べました。」
もちろん嘘だ。
王都なんか行った事は無いからね。
ザワザワと周り中で囁いている。
話したら不味い事だったのだろうか?
「ふむ、古き文献になら書いてあるのかもしれませんね。」
納得はしてくれたらしい。
「では、その技術を伝え、教えてはもらえないでしょうか?」
【結構ですが、条件がございます。】
「出来る事なら叶えましょう。」
【その金床を使わせて頂きたい。】
ザワザワ・・・。
「それを使わせるにはこちらの条件を飲む事で応じられるでしょう。」
【でしたら、このようにいたしましょう。月に一度講習会を開きますので、皆様にはそこで勉強をして頂くと言う事でいかがでしょうか?】
「ふむ、何故に月に一度なのでしょうか?我々は多くの理解を望みます。」
【生憎、本業の鍛冶師の仕事が忙しく、こちらに来る事が一の月に数度が限度だからです。】
「本業は鍛冶師と!?」
【はい、左様でございます。】
ザワザワと騒がしくなる。
すると先ほどの相談役の人が女王陛下に何か囁いている。
女王陛下が手を上げると皆が静まる。
「そなたの名を聞いておりませんでしたね。」
【ヘファイストスと申します、陛下。】
「ふむ、ならば月に一度で構わぬので教えてはもらえぬか?ヘファイストス殿。」
【かしこまりました、陛下。】
「「「おおぉ・・・。」」」
研究者さん達から声が上がる。
「人族の子よ。其方に感謝を。そう言えば昼食との事でしたね。用意してあるので一緒にどうか?」
【折角の申し出なのでお付き合いさせて頂きましょう、陛下。】
そう言うと納得したのか他の人達はそれぞれで話し合いを始めている。
俺は女王陛下に付いて来るように言われて一人の侍女さんと二人の護衛さん達と後を付いて行くのだった。
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そして実家に帰ります。
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それでは 次話 料理は初めてらしい(仮 でお会いしましょう!
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