最適化
いつも読んで下さっている方々、こんにちは!
初めましての方々、こんにちは!
執筆終了しましたのでUPいたします。
それではお楽しみください!
食後、皆が着替えに戻ると俺はバックパックの中身を整理していた。
白金貨はルイスに預けよう。
俺に何かあった時はルイスの口座から降ろせるようにしておかないとね。
ああ、これもあったんだね。
忘れていたよ。
あれはミカと会った時だったな。
そう思ってバックパックの中のソレを懐かしげに眺めていた。
皆は今日もポーション売りの露店だ。
朝御飯を食べ、皆と一緒に露店へ行く。
露店の準備をしてからルイスに後を頼みギルドへと向かう。
カウンターにはナナリーさんの姿は無かった。
風邪でも引いてやしないかと心配になったが今日は既定の休みの様だった。
【え!?お見合いですか!?】
「そうなのよー。ナナリーさんも二十歳でしょう?焦っているみたいでしてねー。」
【あんなに美人なのに・・・。】
「ほら、あの胸でしょう?お断りされているらしいのよ。性格は問題ないと思うんですけれどね。」
そのお姉さんはそう言うと他のお客さんの相手に戻る。
どうやら頻繁にお見合いをしているらしい。
なんか心の中がむずむずする。
なんだろうか、とても嫌な気分だ。
ミカが来なかったので心配していたのだがカウンターに言伝が届いていた。
どうやら女の子の日らしい。
通りで調子が悪いと思ったよ。
今日は一人で頑張るか。
一人での作業は久しぶりだ。
俺は「集中スキル」を使い剣を作っていく。
あれ?
いつもより早く作れそうだ?
何でだろう?
凄く調子が良い!
スキルを使用していつも通り作っていくと三十分程で一本出来た。
これは・・・新記録だね。
俺の中で何かが掴めた感触があった。
忘れない様にこのまま作って行こう!
無心でハンマーを振るう。
カーンカーン!
いつもよりハンマーの調子が良い。
これだと今日は十五本ぐらいは余裕で作れそうだ。
作って行くとある事に気づいた。
鋼の素材だとハイクオリティーまでしか作れなかったのだ。
アーティファクトやレジェンダリーを作るのはより上位のインゴットでしか作れないのかもしれない。
残念だ。
どうにかして早めに上位のインゴットを手に入れて確かめないとね。
集中していたせいか気が付くと十六時の鐘が鳴っていた。
今日は十五本のハイクオリティーのロングソードが造れた。
新記録だった。
このまま行ければ出発予定日までには五十本以上出来そうだ。
俺は職員のお姉さんに挨拶をしてギルドを出る。
今日までに三十四本の鞘入りのロングソードが出来た。
よし、この調子で頑張ろう。
ギルドを出て露店の場所へ急ぐ。
今日もブリリアントなメイド服を着たルイスが待ってくれていた。
【お待たせルイス、露店はどうだった?】
「今日も完売よ。貴方こそ調子はどうだったの?」
昨日の今日なので心配なのだろう、ルイスが聞いて来た。
【絶好調だったよ!今日は十五本作れたんだよ!】
「すごいわ!最高記録ね!・・・本当に大丈夫の様ね?」
【うん、すごく調子が良いんだ。時間があればまだハンマーを振るっていたよ!】
「そう、貴方が元気で良かったわ。でもお願いだから無理はしないでね・・・。」
そう言ってルイスが抱き着いてキスをして来た。
【・・・あのルイスさん、今日も一緒に寝たいんだけれど・・・良い?】
甘えすぎたかなとお思い、恐る恐るルイスを見る。
【ふふっ、甘えん坊さんね。でも良いわよ?】
そう言って微笑んでくれた。
【じゃあ、皆もお腹が空いているだろうから早く帰らないとね。】
そう言って売上金をバックパックにしまう。
嬉しくて鼻歌を歌ってしまう。
また、今日も癒されるぞ!
しかし、ポーションが良く売れるな。
それだけ需要が高いのだろう。
ルイスに聞くと行商人さんも買いに来ている様だと言う。
むむ、いよいよ公国軍が・・・。
そう思ったが憶測に過ぎないので今回は黙っていた。
アーゼ様の話だとまだ八日は持つそうだしね。
ルイスと手を繋ぎ一緒に宿屋へと帰る。
晩御飯が終わり部屋で体を拭き終わると寝間着に着替えてルイスを待つ。
「コンコン」とドアがノックされ寝間着のルイスが入って来た。
【寒いでしょう?こっちに入ってよルイス。】
そう言ってルイスをベッドに誘い込む。
抱き寄せると良い臭いがして柔らかい、温もりを感じる。
【ルイス、今日もありがとう。】
「私で良ければいいのよ?気が済むまで癒してあげますからね。」
頭を撫でられる。
心地良い。
柔らかい温もりに顔を埋めると直ぐに心地良くなって眠りにつくのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
朝、目が覚めると柔らかい物が顔に当たっている。
ああ、心地良い。
ルイスの温もりだ。
しばらくそうして温もりを感じている。
御褒美、楽しみだな。
今日は二の月の六の日だ。
出発する日まであと二日。
ジャスティン達に悪魔用の対抗武器を作らないとね。
ダンは来てくれるだろうか?
アンナにも特効矢を作らないとね。
ラフィアは4thまでの魔法書が欲しいと言っていたので、念の為悪魔特効のスペルブックと6thまでの魔法をそろえてみよう。
そう思っているとルイスから声がかかる。
「おはよう、私の王子様。眉間にしわが寄っているわよ?」
と、俺の「姫」が言って来た。
【御機嫌はいかがですか?お姫様?】
「ふふっ、調子は良いみたいね?」
【うん、すこぶる良いよ。】
そういってルイスの胸に顔を埋める。
「こら、甘えん坊さんにはしてあげないわよ?」
【何を?】
顔を向けるとキスをされた。
【今日も頑張れるよ。ありがとうルイス。】
「ふふっ、頑張ってね貴方。」
【うん、ルイス達も気を付けてね。】
「秘薬の採取だから大丈夫よ。」
【心配したらダメかな?】
「衛兵さんが見える所だから大丈夫よ。」
【じゃあ、もう少しこうしていて良い?】
「ええ、良いわよ。」
そう言って顔を埋める。
【ありがとう、ルイス。】
うん、今日も頑張れそうだ!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
今日は朝市が休みだ。
ルイスを連れて東通りをいつもの散歩だけをする。
楽しんでくれている様だ。
良かった。
宿屋に戻ると女将さんから早速声がかかる。
今日も貴族様の朝御飯を作った。
好評の様でルイス達も御貴族様達もお代わりをしていた。
あの二人のお仕置きは続いているのかと不安になるが気にしない事にした。
朝御飯を食べ終える。
ルイス達は今日も露店だ。
一緒に出掛ける。
おっと忘れる所だった。
【女将さん、行って来ます!】
そう言って鍵を渡す。
「稼いできな!」
元気良く、いつも通り送り出してくれる。
今日は十六本を狙ってみよう。
そうすれば今日中に五十本達成だしね。
露店にポーションを降ろす。
【行ってくるね、皆!】
「「「いってらっしゃーい!」」」
「無理をしちゃ駄目よ?」
【分かっているよ、ルイス!】
ギルドに着くとナナリーさんがいた。
【おはようございます!ナナリーさん!先日はありがとうございました!】
「おはようございます。ヘファイストス様。当然の事をしただけですから気にしないで下さいー。」
【今日も、よろしくお願いします。】
「お体に気を付けて頑張って下さいねー・・・。」
ん?
何か元気がないぞ?
笑顔も陰りがある。
毎日のように見ている俺の目は誤魔化されないぜ!
【はい!】
元気よく答える。
少しでも、その顔に明るい笑顔が戻る様に。
「あ、そうでした。ミカ様から連絡がありまして体調が悪いので今日もお休みと伝える様に伝言を預かっておりますー。」
【そうですか、ありがとうございます。】
そう言って頭を下げる。
二つの膨らみを見る事も忘れない。
ふふふ、御健在でありますな!
さて!
やる気がでたぜ!
そんな単純な事だがすごく元気になった。
絶好調だ!
俺は今日もハンマーを振るう。
しばらくハンマーを振っていて思ったのだが「集中スキル」を使うと調子良く剣が打てるようだ。
「集中スキル」を使い剣を打って行く。
お昼前に七本の剣が打てた。
このモチベーションを維持したいので時間を気にせずにハンマーを打ち込んで行く。
そう、ものすごく調子が良いのだ。
食べる事を忘れて集中してハンマーを打ち込んで行く。
今日は十五本以上打てるかもね。
十六時の鐘が鳴って気が付いた。
集中していて気づかなかったが剣が十八本出来上がっていたようだ。
だがまだ時間がある。
ハンマーにさらに力を込め振るって行く。
今日は十九本のロングソードを打ち終わっていた。
新記録更新。
鞘はミカが作ってくれていた物が、ちょうど十六個あったので装飾して剣を収めて行く。
鞘入りの物は十六本のロングソードが出来上がった。
さすがミカ、五十本になる様に鞘を作ってくれていたか。
鑑定をした所すべてハイクオリティーだ。
最大耐久値もすべて255ある。
これでアーゼ様と約束した五十本作れた計算になる。
これで少しでも戦力が増強すればいいな。
ミカのおかげで目標達成したよ。
ありがとう、ミカ。
俺は満足げに微笑んだ。
作れば作る程にスキルが馴染んで行く。
スキルを使えば使うだけ早く作れるようになって行くみたいだ。
しかも、消費する素材や材料も少なくて済む様だ。
俺はこの事を『最適化』と呼ぶ事にした。
ポーション等も早く作れるし、素材の消費も抑えられるので便利な機能だ。
スキル値が1000なのでそのスキルを使いこなせているのかを詳しく検証しないとなぁ。
ただ単に、スキルの力を使いこなせていない可能性もあるしね。
さて、そう言えばお腹が減ったな。
十七時を知らせる鐘が鳴ったので急いで片づけをして部屋を出る。
ロングソードは大きめな箱を作りその中に五十本入れて鞘無しのロングソードもバックパックにしまう。
カウンターに向かう。
ナナリーさんに時間を延ばしてしまった事を詫びる。
「大丈夫ですよ、それより良い物は打てましたかー?」
そう聞かれたので右手で親指を立て突き出して言う。
【絶好調でした。ナナリーさんもありがとう!】
「それは良かったですー・・・。」
昨日の話を聞いていたので気になった。
ナナリーさんは朝から元気が無かったのだ。
お見合いは・・・
また胸かなのか?
こんなに良い物をお持ちなのにね?
「ヘファイストス様ー?」
【あの、元気を出して下さいね!俺は、ナナリーさんの笑顔も見に来てるんですからね!】
恥ずかしかったが、そう言ってギルドを後にするとルイスのいる露店へと向かうのであった。
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