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不穏と公国と王国の危機

いつも読んで下さっている方々、こんばんは!

初めましての方々も初めまして!

執筆終了いたしましたのでご覧ください!

それでは、ごゆっくりどうぞ!

・・・朝だ。


眠った気がしないのに起きれるのは体内時計が狂っていないおかげなのだろうか?

まさかあの双子にあんな趣味があるとは・・・。

朝から男の子の生理現象で元気なマイサンを落ち着けると気分を変えて日課をする。


【『アリステリア様』どうか本日は良い事があります様に!】


アリスを見ると相変わらず寝相が酷かったので直しておく。


そして散歩に出かける。

今日は北通りで野菜を仕入れよう。

色々な野菜等を仕入れ宿屋に戻る。


厨房に入りドレッシングを作っていると時間になったのか女将さんから朝御飯を頼まれた。

本日は白パンとハム厚めのハムエッグとサラダとコーンスープのモーニングセットだ。

女将さん達が三階に運んでいる間に俺もルイス達の所へと運んで行く。


【皆、おはよう!】


「「「おはようございます!」」」


「おはよう、貴方。」


うん、皆は今日も元気だ。

皆が食べ終わった後、ルイスと話をする。

そんなルイスをジーっと見ていると。


ザー・・・ザッザー・・・


ん?

まただ?


「・・・ねえ?貴方、疲れていない?本当に大丈夫なの?」


また心配されてしまった。

大丈夫だと心に言い聞かせる。

そう、俺は大丈夫なんだ。


今日はルイス達は露店だ。

東通りなので荷物は俺がバックパックで運ぶ予定だ。

帰りに寄って余った分を持って帰れば問題ない。

そう、問題は無いんだ。

メイド服に着替えた皆と東通りへ向かう。


店に着くと後ろから声が掛かる。


「何よ?今日は露店なの?」


【おはよう!ミカ。ちょっと待っててくれ。】


露店の場所へポーションを置き、皆に見送られてミカと共にギルドへ向かう。

するとカウンターにナナリーさんの姿があった。


「ヘファイストス様、お久しぶりですー!」


【お久しぶりですね、ナナリーさん。元気にしてましたか?】


「それはこちらのセリフですよー!」


そう言って笑いあう。

ああ、癒されるなと二つの頂を見る事も忘れない。

ナナリーさんにはお世話になりっぱなしだなと思っていると何かあるようだ。


「そう言えば言伝が届いていますよ?」


ジャスティン達からだった。

早速、今日の午後に時間を取ってくれたらしい。

ミカにそう伝える。


「手伝ってくれると良いわね。さあ!今日も作るわよ!」


【今日は最低でも十本を目指すぜ!】


と、ミカと一緒に作って行くがどうやらミカは今日も調子が悪い様だ。


【しょうがないさ、ミカは鍔と鞘を作ってもらえるかな?】


「・・・ごめんなさい、役に立って無いわよね。」


【そんな事は無いさ。その分俺が頑張るぜ!】


そして昼御飯を食べ終わりジャスティン達と会う時間になった。


【ミカ、ちょっと行ってくるね。】


「気を付けなさいよ?皆が手伝ってくれると良いわね。と、言ってもアタシも大概だけれどね・・・。」


ハンマーを見て俯いている。

ミカらしくないな。


【いつもの元気なミカは何処に行ったんだよ!じゃあ、行って来るよ!ミカは鞘を作っておいてくれると助かる!】


そう言って肩を叩く。


「・・・そうね、分かったわ!」


少しは元気が出たようだ。

ギルドを出るといつものフード付きのマントを装備して目的の宿屋へ向かう。

ジャスティン達と会うのも久しく感じる。

宿屋にたどり着くと中に入る。


「お、アーサー!こっちだ!」


早速ダンから声が掛かる。

六人掛けの席だった。

席に着くと皆を見回す。


【まずは集まって下さって、ありがとうございます。早急に相談したい事があるんです。実は・・・。】


そう言って今まで聞いて来た事を話し始めて行くと皆の顔が青くなって行った。

話し終えると早速、意見が飛んで来た。


「アーサー本気かよ!死にに行くような物だぞ!?」


「ええ、ダンさん。いたって本気です。隣国の危機ですからね。これを放置すれば防波堤の無くなったこの国では持ちませんから。」


そう言って地図を広げた。

この王国が唯一の陸路で繋がれているのが公国だけなのだ。

後は険しい山脈が通っている国との繋がりしかない。

これは重要な事だ。


「アーサー様、国王様に援軍をと言う話はどうなるのですか?」


【この街の伝承の悪魔の封印が、あと一年は持つそうなので残念ながら、まだ隣国には派遣されないでしょう。ただ、放置すれば公国の滅亡は確実らしいので、この王国も一年もたたずに滅亡するでしょう。】


「何故滅亡するんだ?その大悪魔が復活するかだって分からないんだろう?」


【ダンさん。これは確実な話ですが、結界の綻びを直せる術師がいないそうなので一年持つかどうか分からないそうです。これは公国の聖女様二名共にそうおっしゃってますね。】


「そうすると~、一年後に公国側と内部からの悪魔の軍勢に攻められるって事かな~?」


【そうです、しかも黒い大悪魔の強さは未知数です。どのような被害が出るか分かりません。もし最上級悪魔だった場合、ギルドマスターの言った通り国が滅亡するでしょう。】


「アーサー様、止める事は出来ませんの?」


【隣国である帝国等の援軍も期待出来ないらしいのです。ヘルシャーの軍は別件で派遣されているそうです。そこでオーガの牙に秘密裏に依頼が来ました。公国の悪魔の軍勢を殲滅する事です。命を懸けるには少ないですが、皆に白金貨が一枚ずつの報酬です。】


「「「・・・。」」」


皆が黙る。

突然こんな事を言ったんだ。

当たり前の反応だろう。

するとダンが言って来る。


「他の国に行けば良いんじゃないか?そうすれば・・・。」


【もし民衆に情報が洩れた場合パニックになりますよ?陸路では逃げられなくなり下手をすれば暴動が起こります。海路では制限がかかりますからね。民達を見捨てるのならばそれで良いですが・・・それなので秘密裏が一番良い方法です。】


ダンはがっくりとうなだれる。


「他に何か助かる方法は無いのかな~?」


「どっちにしろ悪魔の軍勢を何とかしないといけないんだよね?アーサー。」


【その通りです、ジャスティンさん。幸い公国軍が奮闘してくれているので、九日程は大丈夫だそうです。】


「そうだよ!冒険者ギルドを頼るのはどうなんだ!?」


【ダンさん、忘れてませんよね?ギルドは国の情勢には動きません。ただし、個人で動く分には干渉しないでしょう。動いてくれる方は一人もいなかったらしいですが。】


「八方ふさがりですわね。」


【そうなんです、ラフィアさん。それで、皆さんの協力を仰ぎたいんです。俺は『この街』が好きですから。滅亡させるにはもったいない良い所ですしね。まぁ、この危機に動かない国なんかどうでも良いですが。】


「アーサーに聞きたい事があります。」


「何でしょうか、ジャスティンさん?」


「僕達を選んだのは何故ですか?」


【貴方がたの真っ直ぐなところ、弱者を助ける事を良しとする貴方がただからです。そして自分の目で判断致しました。ジャスティンさん達、オーガの牙でなければこの依頼を達成する事が出来ないのだと。】


そう、戦力だけで決めた訳では無い。

王国だけではない、公国の民達を守る事を「是」としてくれる彼らだからこそ、俺はアーゼ様に進めたのだ。


「・・・僕は行くよ。アーサー。」


【ありがとうございます、ジャスティンさん。】


「私も行きますわよ!アーサー様が試練を乗り越えるのを!この目で、横で見させて頂きますわね。」


【ありがとう、ラフィアさん。そうだ修理が出来ましたので渡しておきますね。】


そう言ってラフィアにハードレザーアーマーの左腕部分を渡す。


「アーサー様、ありがとうございます!」


「ん~、それじゃあ、あ~っしも行くしかないよね~。一蓮托生なんさ~。」


【ありがとうございます、アンナさん。】


「俺は・・・すまん、少し考えさせてくれ。」


【ダンさん、無理強いはしません。時間が無いので、今日はこちらで失礼しますね。急ぎになりますが、四日後にフェアリー・ゲートで移動する事になりますので、皆さんはそれまでに準備をお願いします。】


一人でもやるつもりだったので三人が応じてくれたのは正直ありがたい。


【ああ、ちなみに皆さん、救国の英雄になりましょうね。そのぐらいの事をしますので覚悟して下さい。それでは俺はやる事があるので失礼しますね。】


俺はそう言い残して宿屋を出て行く。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


アーサーが持って来た情報はとても大変な物だった。


国の地図を開き、冷や汗を流す。

もしも公国が倒れればアーサーの言う通り、陸路の無くなったこの王国は一年を待たずに滅亡するだろう。

怠惰のベルフゴールと言う七大悪魔が一年も経たずに復活するからだ。

それに立ち向かえる戦力・・・。


各国との移動もモンスターの蔓延はびこる海路しか無くなり、公国との繋がりが無くなれば陸の孤島とかすだろう。

帝国の様に強力な艦隊でも持っていれば話は別だが、そんな援軍は期待出来ない。

何故か?

王国が公国を見捨てたと言う事。


この事実があり、その悪評の中で援軍を期待する事は出来ないであろう。


北側を『白竜山脈』、西側には『ガリファリア山脈』。

南は唯一の海路である、魔物の蔓延る『コリーンヴィシ海』での各海路。

唯一の陸路である、公国につながる『フォルテ街道』が使えないとなると・・・。

これを塞がれては民間人の移動や援軍、補給物資などの運搬も出来る訳がない。


この状態で、何処に民達を逃がせと言うのか?


「・・・ちっと出かけて来る。しばらくは依頼の事は考えなくていいだろう?」


「ああ、気を付けてね、相棒。」


「・・・こんな情けない奴でも相棒って呼んでくれるのか?」


「僕が五歳の頃からの付き合いじゃないか。」


「・・・じゃあ行って来る。」


「行ってらっしゃい。」


ダンを見送る。

いつもの所に行ったのだろう。

ラフィアが言ってくれる。


「ジャスティン、死ぬ気ではありませんわよね?」


「当然さ!僕はまだ夢の途中なんだからね。それにどんな戦いでも相棒がいれば死なないさ。」


そう言ってダンの出て行った方を見る。


「ジャスティンは素直だからね~。」


「そう言うアンナだってどうしたんだい?英雄なんてガラじゃないっていつも言っていたじゃないですか?」


「ここいらでバーッと、人生の掛け金をアーサー君にベットするいい機会なんさ~!」


「ふふ、アンナったら。でも私も同じ気持ちですわよ!」


「そうだね。僕も同じ気持ちだ。」


多分相棒も同じ考えなのだろう。

僕は相棒が出て行った扉を見つめる。


今の持っているゴブリン退治の依頼はキャンセルしないとな。


そして相棒の事を考える。

そうさ、厳しいと言われる戦いでもいつも一緒に戦い抜いて来たじゃないか!

大丈夫さ、きっと来てくれる。


僕はそう信じている。

此処まで読んで下さってありがとうございます。

まずはいつものを!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

ありがとうございます!

大変にありがたく思っております!

いよいよ物語が大きく動き出しました。

今後共よろしくお願いいたします!

それでは 次話 暗闇(仮 でお会いしましょう!

お疲れさまでした!

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