こんそまじゃありません
いつも読んで下さってありがとうございます!
執筆が終わりましたのでUPします。
お楽しみください!
夕飯時、皆で食堂のテーブルについていると女将さんから言われた。
「これが『こんそまスープ』だよ!味わって飲みな!」
ガクっとする。
正確な名前を女将さんに言う。
「女将さん、コンソメスープですよ!」
「大して変わらないだろう?」
先達の方々に申し訳がない。
「いや、名前は重要ですよ!」
「そうかい?」
料金を支払うと女将さんが給仕のお姉さん達と厨房へ下がって行く。
今日のオススメは鹿肉のステーキと先程の白パンとコンソメスープである。
こんそまじゃないんです!
食堂に来ているお客さん達が初めて見るスープに驚いていた。
「女将さんよ、こんそまスープなんて美味いのかよ?」
「文句は食ってから言いな!」
コンソメなのに・・・まあ良い、冷める前にいただきましょうか。
『いただきます!』
「「「いただきます!」」」
食べ始めるとルイスが言って来る。
「この白パン、最初にオーカム家の晩餐会で食べた物より柔らかくて美味しいわね?」
ルイス様はご満悦だ。
ふふふ。
そうだろう、そうだろう。
パンを食べたリズ達の顔が恍惚としている。
どうしたんだ?
そう思っているとそれぞれ感想を述べて来る。
「アタシ、このパンなら毎日食べたい。」
「リズ姉と同じく・・・。」
「すごく・・・美味しいです!」
「もごもご・・・。」
ふふ、アリスは今日もハムスターみたいだ。
【スープも飲んでみなよ。美味しいから。】
俺が奨めると皆がスープを飲み始める。
また恍惚としている。
「美味しい、私、この『こんそますーぷ』ならいくらでも飲めそう。」
リズさん、コンソメスープね。
「こんそまスープ、実に美味・・・。」
・・・コンソメ。
「こんそまスープ!すごく美味しいです!」
諦めた。
「ズズーズズー・・・。」
アリスさんお皿から直接飲むのはやめようね。
一口飲むとルイスが言って来る。
「コーンスープも美味しかったけれど、こちらも美味しいわね!」
皆が目をキラキラさせている。
【うん、さっき女将さんに教えてたんだよ。ちょくちょく教えるから、これからもきっと美味しい料理が食べれるよ。】
俺がそう言うとルイスはスープを味わいに戻ったようだ。
他の人達も同じようで料理の効果なのか食堂が凄く静かだった。
するとお代わりのビッグウェーブがやって来る。
「女将さん!パンのお代わりを頼む!こんそまスープもだ!」
「オススメを四人前追加だ!」
「女将さん!こんそまスープをお代わりだ!」
「私もこんそまスープを頂戴!」
凄い大波だった!
どうやら、うちの子達も乗った様だ。
「女将さん、こちらも六人分お代わりでお願いします!」
ルイスが代表してそう言っている。
あまりの忙しさにだろうか女将さんが俺の所に来る。
「小僧!お前のこんそまスープのせいで忙しいじゃないか!手伝いな!」
女将さんはそう言うと俺の後ろ襟を持ちズルズルと引きずって行く。
コンソメなのに・・・。
諦めの悪い俺。
【ちょっと行ってくるねー。】
そのままの姿勢でそう言って手伝いに行く。
今日の晩御飯は三階のアーゼ様達もお代りしていたようだった。
うんうん、商売繁盛で何よりだ。
「小僧!皿が足りないんだ!早く洗いな!」
そう言っておかみさんが背中を叩いて来る。
しばらくはこんな感じが続くのかな?
俺は必死に皿を洗うのだった。
夕食後。
早速女将さんが仕込みを始めるようだった。
「さてと、仕込みをするかね。しばらくは『こんそまスープ』で大丈夫だろうよ。」
どうやら『こんそますーぷ』で定着しそうだ。
・・・もう、これ以上は言うまい。
「「女将さん、疲れましたー!」」
女給のお姉さん達も大変だっただろう。
なにせパンは無くなりスープも無くなったのだから。
「小僧もお疲れ。明日も頼むさね!」
確定ですかそうですか。
まあ良いけどね。
【手が空いたら来ますよ。】
「小僧は強制だからね!」
マジっすか・・・。
皿洗いが終わったので厨房から出て行く。
【あ、お湯・・・自分で持って行きますね。】
女将さんどころかお姉さん達も睨んできたので圧力に負けて自分で湯を沸かす。
沸いたので桶に移し運んで行く。
まずはルイス達の部屋からだ。
ドアをノックする。
「どうぞ。」
返事がしたのでドアを開ける。
「ちょっと貴方、どうしたの?」
【ははは、お湯を持って来たよ、マイ・レディ。】
「もう、しょうがないわね。」
ルイスがアリスを呼びに行ってくれた。
ベスに言って三つの桶を置くと次のお湯を取りに行き運ぶ。
今度はリズとマオの部屋だ。
ドアをノックする。
俺を見るとリズが嬉しそうに言ってくれる。
「いらっしゃーい!あれ!お兄さん!?夜這いですか?嬉しいわ!」
リズさん、意味を分かって言っているんだろうね?
そう言って突然リズが抱き着いて来たのでお湯がこぼれそうになった。
危ない危ない。
マオがドアを手で押さえて部屋に入れてくれた。
「ヘファさんお湯ですね。ありがとうございます!」
マオがお湯を受け取ってくれた。
その間リズは俺にくっつきっぱなしだった。
【じゃあ、良く拭くんだよ!】
「「はーい!」」
そう言って部屋を出る。
今度は自分の分を取りに行って部屋に入る。
ぬぐぐ、なぜか忙しい。
裸になって髪を洗い体を拭う。
ふう、サッパリした。
桶を返しに行くと女将さんがメモを見ながら仕込みをしていた。
『桶置いときますね。』
そっと言って桶を置き厨房を出る。
女将さんが真剣な目をしていたからだ
どうやら集中していたようだ。
邪魔をしない様に部屋に戻る。
俺は、ほぼ日課になった夜のポーション作りを始める。
しばらく作っている。
コンコン
ノックの音がした。
寝間着に着替えていたので「どうぞ!」と声を掛ける。
見ると寝間着姿のルイスが籠を持って部屋に入って来た。
「カチャリ」と音がしたような気がした。
早速声を掛ける。
【今日の収穫なら貰うよ?】
「はい、どうぞ。」
今日も重量感のある籠を受け取る。
【今日の勉強会はどうしたの?】
「ベス先生の書き取り授業よ。」
【ほほー、皆、頑張っているんだね。】
ポーションを作っていると背中に温もりを感じた。
どうやらルイスが抱き着いて来たようだ。
【えっと、ルイスさん?どうしたんですか?】
優しく言うとそのままの姿勢で答えて来る。
「少しこのままでいさせて。」
と、言われたのだが気になる事がある。
【いや、胸が当たってるから我慢出来なくなっちゃうよ?】
「じゃあ駄目ね。」
そう言うと唇にキスをして来た。
しばらく柔らかい唇を味わう。
そのまま抱き着いて言ってくる。
「貴方が何をしているのかは分からないけれど、私を心配させないでね。後、無理はしちゃ駄目ですからね?」
【うん、ルイス。分かったけれど久しぶりなんで我慢出来なくなっちゃうよ?】
マイサンは臨戦態勢だ!
「今日はまだ時間があるはずだから大丈夫よ?」
おお!
御褒美を貰える展開か!?
【ルイス・・・。】
キスをする。
唇が柔らかい。
胸に手を当てる。
優しく動かす。
「んっ!?」
【痛かった?】
「ううん、大丈夫。続けて。」
優しい笑顔だ。
愛おしい。
今度は両方の乳房を優しく揉む。
すごく柔らかい。
「貴方はこんなに大きくしてくれているのね・・・。」
ルイスは胡坐をしている俺の足の上に座っているのでマイサンが良い所に当たっている。
優しく触って来る。
「こんなに・・・固くなるのね・・・。」
【ルイスだからだよ・・・。】
そう言われたがしばらくルイスの胸を堪能している。
耳元でルイスが囁く。
『鍵は掛けたの。でも初めてが床の上なんて嫌よ?』
『分かったよ、俺のルイス。』
我慢が出来なくなってルイスを俺のベッドに連れて行く。
所謂、お姫様抱っこだ。
ベッドに優しく寝かせると抱きしめる。
「初めてだから優しくしてね?」
「お言葉通りにしましょう、お姫様。」
「お願いね、王子様。」
そう言われて乳房に手を伸ばす。
ゴンゴン!
と、良い所でドアが強めにノックされた。
焦った俺達は跳ねる勢いでベッドの上で正座する。
もう一度強めのノックが響く。
ゴンゴン!
俺は小声でルイスに言う。
『ルイス、俺がでるから君はアリスのベッドへ!』
しかしそうはいかなかった!
『貴方、そんなになっているじゃないの!ダメよ私が出るわ!』
赤い顔をしたルイスが下半身を指さすとマイサンが元気だった。
『うわっ!ごめん!頼むね!』
俺がベッドに潜り込むとルイスがドアに向かって行く。
「はい、どちら様ですか?」
そう言ってルイスがドアを開けると誰かが来ていたようだ。
ルイスと話し合いをしている。
マイサンが落ち着いたので気になって入り口に行く。
【リーゼ様!?】
「出たわね、ヘファイストス!他の女とイチャイチャしているなんてどういう事よ!?」
ドアの外では目立っちゃうな。
【リーゼ様、むさ苦しい所ですが、まずはお部屋へどうぞ。】
「いいわ!それは挑戦と受け取るわね!姉様と私というものがありながら!」
ドスドスと足音を立てて部屋に入って行く。
振り返ると・・・ルイス様が・・・非常に、ご立腹されておられますな。
「今度、詳しく聞かせて下さいますわよね?貴方?」
顔に怒りマークがくっついていた。
【いや、ちょっと待とうか、ルイスさん?相手は貴族様なんだよ?俺なんかを相手にする訳ないじゃないか!?】
すると部屋の中から大き目の声が上がる。
「ちょっと!いつまで待たせるつもりなのかしら?」
ルイスの顔を見ると笑顔だった。
ただし、怖い方の笑顔だ。
またこのパターンかよ!
そう思っているとルイスが人差し指を立てて言ってくる。
「今度!詳しく!聞かせて!もらいますからね!?」
そう言い残してルイスは自分の部屋に戻ってしまった。
マイサンは準備万端だったのに!
くう、試練てこんなにも苦しい物ですか?
俺は『アリステリア様』に祈らずにはいられなかった。
此処まで読んで下さってありがとうございます!
いやあ、もうすぐ来年ですね。
皆様は里帰りなどはいかがでしょうか?
私は予定が決まりまして実家に帰ります。
少し更新が空くかもしれません。
楽しみにして下さっている方々には申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
それではいつもの!
評価、イイネ、ブックマーク等々ありがとうございます!
大変に!
元気が出ます!!
感謝しかありません!!!
今後共よろしくお願いいたします。
それでは 次話 リーゼの願い(仮 でお会いしましょう!
それでは、お疲れさまでした!
21日、タイトルに「元」を入れるのを忘れたことを今更気づきました。
変更いたしましたので、今後ともよろしくお願いいたします。




