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依頼達成と新たな依頼

いつも読んで下さっている方々、こんばんは!

初めましての方々も、こんばんは!

執筆終了しました。

お楽しみください。

冒険者ギルドに着くとザワザワと皆が俺達を見ている。


「あれが噂のオーガの牙だ。」


「盗賊五十人をたった五人で討伐したってよ。」


「一人十人かよ、すげえな。」


「オーガを倒したからオーガの牙って呼ばれているらしいぞ。」


「いくら稼いでるんだろうな、羨ましい限りだぜ。」


「少しはこっちにも回してほしいぜ。」


「ああ、まったくだ。」


羨望の眼差しを送って来る者もいれば、蔑む目で見て来る者もいる。

そうすると当然構って来る者もいる。


「よお、ジャスティン様よぉ!今回はどんなおこぼれで稼いできたんだよ?羨ましい限りだぜ!」


「また貴方ですか、『ウィル』実力で稼いだのですよ。いい加減にして頂けませんか?」


「だってよお、オーガを倒したって言うのも出来すぎだろう?」


「この五人で倒したのですよ。何か問題がありますか?」


「こんな訳の分からない怪しいフードのヤツが入っただけでそんなに強くなるかねえ?」


と、俺の方をジーっと見ている。

うーん、嫌味な人だな。

こんな考えだから昇級したり出来ないんだろうな。


「っけ、それになんだよ、その剣と鎧はよぉ。すげえもん装備してるじゃねえか?」


【ウィルさんと言いましたか?】


「何だお前は?」


【ジャスティンさんのパーティーメンバーで『アーサー』と申します。】


「そのアーサー様が何だってんだよ!」


【まぁまぁ、それで武具の事でしたね。こちらの武具は黒玉のミカ様から託された物でございます。】


「ば、馬鹿な!?エクスィ・スィデラスの作成物だと!?」


【そうです、ジャスティンさんだけではありませんよ?】


「ダンもあーっしらも、ミカ様の制作物なんさ~。」


「そ、そんな馬鹿な!?」


【まあ、武具が無くても、彼らならやってくれたと思いますがね?】


「ふ、ふざけるなっ!エクスィ・スィデラスの武具をジャスティンごときが!?」


【ついでに言えば、ミカ様は滅多な事では武具を作りません。選ばれたんですよ、彼らは!】


「そ、そんな馬鹿な事があるはずは!?」


ウィルと言う人がジャスティンに手を伸ばす。

が、先にダンがウィルの襟元を掴んで言う。


「おい、ウィル!俺の目を見てもういっぺん言ってみろや?」


「こ、これはダンさんじゃないですか!どうしたんですか?そんなに怒りをまき散らして?」


「いい加減にしろ、ウィル。俺達はミカさんに選ばれたんだ。それに俺達のメンバーの中に惚れてるアンナがいるとアーサーは目障りだよな!?」


「なっ!?」


「図星かよ!なっさけねえな。そんなんだから振り向いてくれねえんだよ!」


「お前に何が分かる?アンナは俺の物だ!」


「ん~ん、違うよ?あ~っしはね『アーサー君』の()()なのさ~?」


そう言うと後ろから抱き着いて来た。


「「「何!?」」」


アンナがそう言うと皆の視線が俺の方に集まる。

ジャスティン、ダンそんな目で俺を見ないでくれないかな?


「て、てめえが・・・アーサー!?」


ウィルがそう聞いて、俺に近づいて来た。


【そうですが何か?】


「アンナに手を出しやがったな!?」


【同意の上での事ですし俺もアンナさんは魅力的な女性だと思っていますよ?】


真顔でそう言うとアンナが照れて、頬にキスをして来る。


「て、てめえ!」


腰のショートソードを抜いて来た。


「殺してやるぜ!」


剣を振り下ろそうとするが、振り下ろす途中で手を掴まれていた。


「ほう、ギルドマスターの俺の前で刃傷沙汰か?良い度胸だなウィル?」


「マ、マスター。っち、てめえ、覚えてろよ!」


そう吐き捨てるとギルドから出て行った。

防御しようと抜こうとしていた剣を鞘に納める。


「アーサー様?後で詳しく聞かせて下さるんですわよね?」


肩に手を置いて来たラフィアを見る。

ラフィアさん、肩が痛いです。

握っている所がギリギリと音を出してますよ!

それに、笑顔が怖いです。


「ラフィア~、アーサー君を独り占めするんもんじゃないんさ~?」


そう言って抱き着いていたアンナは頬ずりをして来る。

アンナさん、頼むからこれ以上煽らないで下さい。


「アーサー様!是非、私も可愛がって下さいませ!」


「おっほん!オーガの牙のメンバーは執務室に来い。以上だ。俺の話が終わったら・・・自由にやってくれ。」


「「・・・それでは後程。」」


アンナとラフィアはそう言って執務室に向かう。


「アーサー、行こうか。」


「アーサー君よお、どうやってアンナを落としたのか聞きてえな。」


首に腕を回して来たダンはスルーだ。


【さあ!行きましょうか、二人共。】


とりあえずこの話は後だ。


俺は執務室に向かう。

もちろんジャスティン達も付いて来た。

部屋に入り皆が揃うとゼパムさんが話し出す。


「まず盗賊の件からだな、捕縛四十七名。死者0名、重傷者六名。その中に賞金首が五名いた。一人金貨十枚だ。後は蜜蝋のされた証書だが領主様から褒美が別に出る。ご苦労だった。」


「「「おおー!」」」


皆から歓声が上がる。


「後のやつらは農民くずれのヤツが多くてな。まだ取り調べ中だ。」


盗賊の仲間にはなったけれど、畑仕事をしてたりとかで犯罪に直接関わっていない人、と言う所かな?

まあ、それでも同罪なんだよね。


「お宝類は鑑定士が仕事をしている所だ。盗まれた品物以外は見つけた者が所有権を手に入れる決まりだ。」


そうなんだ。

大切な物には名前を書いておこうかな?

とか馬鹿な事を思っているとゼパムさんが深刻な顔をしてこう言って来た。


「それでだ、オーガの牙には引き続き頼みたい事があるんだ。」


ゼパムさんがそう言うと皆がゾロゾロと執務室を出て行こうとする。


「ちょっと待て!依頼だぞ!お前達にしか頼めないんだよ!頼むから話を聞いてくれ!」


「休みを希望いたします。仲間の体調が整っておりませんので。」


ジャスティンがラフィアの方を見てそう言う。


「もちろんだ!二~三日の休みなら問題は無いんだ。その後で良いから受けてくれよ!頼むからさ!」


ゼパムさん必死だなぁ。

最初のバトル・ジャンキーっぷりは何処に行ったのやら。


「で、どんな内容なんですか?今度は吟味しますよ?何せ仲間の二人が死にかけたのですからね。」


「そうだぜ、マスターさんよ。危険手当が欲しいぐらいだ。」


「アーサー君が守ってくれたんさ~!」

「アーサー様が守ってくださいましたけれども!」


アンナとラフィアが同時に言った事でお互いの視線がぶつかりバチバチと火花を散らしている様だ。

ああ、この空気は何とかならないだろうか。

前世でもこんなに『胃』が痛くなった事は無い。


「ああ、今度のは貴族様の護衛依頼だ。『フェアゲッセン家』の御令嬢、二人が下々の生活を視察するんだとさ。その護衛だ。」


フェアゲッセン?

最近、何処かで聞いた記憶があるな。


「フェアゲッセンと言うと隣の『オルタンシア公国』の大公ではありませんか!」


「良く知っているじゃないかジャスティン。そうだ、そこの公女殿下、二人の護衛依頼だ。」


ああ、思い出した!


【ああ!双子の女の子ですか!】


宿屋にいた紅い目と金色の目の双子の女の子だ。


「アーサーも知っているのか?それなら話が早い。だが公女殿下は十七歳でお前の年上だ。女の子じゃなくて女性と言え。不敬罪と言われるぞ?」


【分かりました!】


不敬罪か、異世界怖いね!


「それで護衛って誰かに狙われているのかよ?」


ダンがそう聞くとゼパムさんが答える。

どうやら独自に調べていたようだ。


「聞いた話からすると狙われてはいない。こっちでも調べたが「白」だ。俺としては騎士団の動向の方が気になっているんだがそれと関係あるかもしれない。」


「その二人って、もしかして封魔の聖女様達でございますか?」


ラフィアも知っているのかな?


「そうだ、悪魔封じの専門家だな。」


「そんな御方がこのド田舎に何の用なのかな~?」


「まあ、人口も王都に比べれば八分の一だし、曰く付きの街だしなぁ。好き好んで来るような貴族はいねえだろうよ?」


ゼパムさんにそう言われてちょっとがっかりしてしまった。


【本当にド田舎なんですねここ、最近来たばかりですが住みやすい街だと思っていたんですけれど・・・。】


「アーサー、それじゃあ知らないのかい?この街には昔の伝承にある黒い大悪魔が封印されているんだよ?」


ジャスティンがそう言うと続いてゼパムさんが語ってくれる。


「そうだ約200年前に魔王が討伐された時の側近のうちの一体だ。さっき言った曰くっていうのがそれだ。当時の聖女様が封印していたんだが・・・。」


へー、そんな曰く付きの街だったのか。

あれ?

黒い悪魔も最近何処かで聞いた事があるな。

港だったかな・・・?


(若旦那、此処だけの話なんですがこの街の騎士団が偉い事に係わっているとかで物騒な話があるんですよ。)


そう言えば朝市の商人がそんな事を言っていたね。


「まさか、その封印が解けるなんて事はありませんわよね?」


心配になったのだろう。

ラフィアがそう聞いている。


「分からん、そんな最上級悪魔なんか出てきたらこの街どころかこの王国が終わる。」


ほほー、ゼパムさんをしてそう言わしめるとはどんな悪魔なのだろうか?

興味が湧いてしまった。

今度どこかで文献などを調べられると良いな。

そう言えば今、俺のいる王国ってなんていう名前だったっけ?

分からないので素直に聞いてみよう。


「そう言えばこの王国の名前って何て言うんでしたっけ?」


「『ガリファリア王国』だが・・・まさか知らなかったのか?」


【買った地図はオーカムの名前しかなくって・・・。】


「アーサー君、世界地図も買うと良いよ~?」


【分かりましたアンナさん。買って勉強しておきます。】


俺がそう言うとゼパムさんが続きを話し出す。


「それで護衛だ。五日間の護衛で一人金貨一枚だ。」


皆で顔を寄せ合って相談する。


「五日で金貨一枚なら良い稼ぎになりますね。」


「そうだな、受けてみるか?」


「とりあえず受けるのが吉だね~。」


「壊れた鎧分は働きませんとミカ様に申し訳が無いですわ。」


【じゃあ、俺が直しておきますよ。ついでにそろそろ本業へ戻らないといけないので。】


「ああ、そうだった。アーサーは鍛冶師だったね。」


【ええ、剣を作らないと露店を出す時に皆に申し訳が無くって。】


「成程なぁ。」


「仕方ないんさ~。」


「アーサー様、抜きで大丈夫でしょうか?」


ラフィアは不安そうに呟く。


「だけれど本業をしないとアーサー君が困っちゃうんでしょう~?」


「そうですね、では我々だけで受けてみましょう。」


「俺は賛成だ。下々の~って事は街の中だけだろう?『結界』もあるし衛兵もいるから街中の護衛なら問題なく出来るんじゃねえか?」


結界とはある程度のモンスターが空から街に入らないようにする物の事だろう。


「同じく賛成なんさ~。護衛依頼で金貨は美味しいからね~。」


「皆がそう言うのであれば受けない訳にはまいりませんわね。」


意見が出そろったようだ。

ジャスティンが代表してゼパムさんに言う。


「その依頼、引き受けさせて頂きます。」


「やってくれるか!いつも無理を言って済まないな。」


【それでは俺はこれで引き上げますね。】


「アーサー、報酬はどうするんだい?」


【ジャスティンさん、預かってもらって良いですか?】


「分かった。アーサー、手が空いたらまた何処かに行こう。」


【その時は是非!】


そう言って部屋から出ると購買所を目指す。

ジャスティン達と別れて冒険者ギルドで世界地図を買う。


【何事も無ければ良いんだけれど・・・。】


まだ昨日の事を引きずっているのだろうか?


【いや、今度こそ守って見せるさ!】


そう言って歩みを進める。

そうだ、そう言えばそろそろ給金日の事を考えないとな。

早めにルイスと相談しよう。


冬の空はもう星が輝いていた。

此処まで読んで下さって、ありがとうございます。

ヘファイストスは鍛冶が出来るのでしょうか?

そんなこんなで楽しんで頂けてたら光栄です。

では恒例の挨拶をば!

評価、イイネ、ブックマーク等々いつもありがとうございます!

大変励みになっております。

それでは 次話 品定め(仮 でお会いしましょう。

ちょっと体を休めます。

では皆様、お疲れさまでしたー!

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― 新着の感想 ―
[一言] 「アーサー、報酬はどうするんだい?」 「ジャスティンさん、預かってもらって良いですか?」 今すぐ清算できないということなら、ギルドで預かっていてもらった良いのでは。
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