生死の境目
いつも読んで下さっている方、こんばんは!
初めましての方、初めまして!
執筆終了いたしました!
お楽しみください!
ジャスティンが叫んでいる。
ダンが雄叫びを上げている。
そう、戦いは俺達の勝ちだ。
だけれど気になる事があるので考えていたらジャスティンが握手を求めて来た所だった。
手を握り返す、ダンも求めて来たので握り返す。
と、そこで危険を知らせる勘が告げて来た。
・・・まだ終わっていないと。
【ジャスティンさんとダンさん、疲れている所を悪いんですが。もうしばらくそのまま周りを見ておいて下さい!】
「どうしたんだい?」
ジャスティンが聞いて来る。
【受取人が来ない。途中で逃げているのなら良いんですけれど・・・。】
そしてラフィアが気になる。
嫌な予感が止まらない。
【二人共、ここは任せますね!】
そう言って合流地点に駆け出すのだった。
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私は合流地点に助けた皆と来ていた。
人数は二十一人、男子が九人、女の子が十二人。
皆、成人したての様な年頃の子達だった。
酷い目に合ったのだろう。
皆が「お姉さんありがとう。」と言って抱き着いて来る。
そう、この子達を助けたのよ。
ありがとう!
私の小さな勇者様!
そう思っていると。
突然後方から声が掛かる。
「お主の仲間達があの砦を襲撃しているのかい?」
「だ、誰!?」
振り返り子供達の前に出る。
暗視スキルで見える。
二mはあるだろう大男だ。
「聞いているのはこっちだ駄肉女!」
チンッ
音がした。
そのとたん激しい痛みが左手を襲う。
あれ・・・私の腕が無い!?
左手が!
腕がない!?
「次は腕では済まさんぞ?駄肉女、もう一度聞く、お主の仲間達があの砦を襲撃しているのか?」
痛い痛い痛い痛い痛いイタイイタイイタイイタイ・・・
何も考えられない!?
恐怖のあまり失禁してしまった。
そうだ、この子達だけでもタスケナケレバ・・・。
失いそうになる意識と、痛さで起き上がる意識を交互に戦わせて必死に意識を保つ。
「この・・・こたち・・・だけは・・・」
せっかく助けましたのに!
「たす・・・け・・・な・・・け・・・」
駄目・・・このままで・・・は・・・。
「「「お姉ちゃん!!!」」」
と、言う声が聞こえたような気がした。
・・・そうして私の意識は暗闇に落ちて行った。
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「「「お姉ちゃん!!!」」」
助けたであろう人達の声が聞こえる。
なんかでっかい男がいる。
「っち、これだから駄肉のある女は度し難い。」
よく見るとラフィアが倒れている。
え!?
血まみれ!?
左腕が・・・無い!?
男がそう言っているのが聞こえた頃にはあーっしはマジギレして全力で弓を引いていた。
「ラフィアに何するのさ!!!」
男に向けて全力で矢を放つ!
本気で引けば鉄板を十枚貫く力だ。
無事では済まないっしょ!
「っふ!」
ガギーン!!!
え!?
防御された!?
「ほう!我が小刀を砕くか!攻撃力だけは大したものだ、だが!」
そう言って男があーっしの方に突っ込んで来る。
シャキッ
その一撃は宙返りをして何とか回避出来た。
だけれど体が震えて動かない。
どうしたの!
動いてよ!?
「ほう、わしの手が痺れているとはいえ良くぞかわした!強者だな女!名を名乗れ!」
「あ、あ、あ、ぁ、ぁ、ぁ・・・!?」
声が出ない。
野生の本能って言うヤツがこの男は危険だとビンビンに警告して来る!
両膝を着く、いや着いてしまった。
体が言う事をきかない!
怯えたように尻尾が股の間に入る。
あーっしは全力で弓を引こうとする。
弓が無い!
いや違う!!
手が言う事を聞かない!?
こんな事は初めてだ!!!
ジャスティン、ラフィアが死んじゃう!
ダン、あーっしも死んじゃう!
アーサー君、体で支払うのはもう出来ないかも・・・ごめんね。
男が近づいて来る。
「動けぬのか?その力に免じて介錯してやろう。名も知らぬ女よ。見事。」
男がそう言った。
あーっしも意識を失った。
ごめんね、皆・・・。
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俺は嫌な予感がビンビンする方、合流地点に向かって全力で走る。
今までに無い程の嫌な予感だ。
と、目の前にアンナの姿が写る!?
見ると二mぐらいの男が刀を振り下ろそうとしていた。
間に合え!
全力で抜剣した!
キーン!
甲高い音が響き、火花が散る!
間に合った!!!
「ほう、小僧。やるではないか?強者の気配がするぞ?尋常にわしと立ち会え!」
倒れたアンナは・・・は気を失っているだけか。
「「「お姉ちゃん!!!お姉ちゃん!!!」」」
ん?
そういえばラフィアは!?
アンナを抱き上げる。
「「「お姉ちゃん!!!お姉ちゃん!!!」」」
「小僧!聞いているのか!?」
男が何か言ってる。
無視して騒いでいる皆の方へ向かって行く。
・・・ラフィア!?
絶望が全身を包む。
血だまりの中に・・・いた!?
【ラフィ・・・ア?】
「ふん、度し難い駄肉女だったので切って捨てたわっ!」
【貴様が、殺ったのか!?】
「質問に答えられぬような駄肉女などはいらぬからな。おかげで刀が穢れたわっ!」
【あ!?なんだって!?】
「スー・・・スー・・・。」
ラフィアの方から微かに呼吸音が聞こえる!
それは希望だった!
【『アリステリア様』、御加護をありがとうございます!】
そう言うとアンナを傍らに置き、ラフィアを抱き上げる。
もう少し頑張るんだラフィア!
高品質の最高級のポーションを取り出す。
口に含んでラフィアとキスをし嚥下させる。
すると腕が青く光りながらその姿形を再生させる!
「馬鹿な!高品質の最高級ポーションだと!?」
そう、惜しげもなくそんな物を使ったんだ。
ラフィアの方が大切だからね。
冷静さを取り戻した俺はラフィアとアンナを抱き上げると少しだけ遠くの地面に優しく寝かせる。
【君達もこっちにおいで。】
そう言うと皆がこちらに来る。
その中の一番背の高い男の子に言う。
【ここで待っているんだよ?すぐに戻るからね。】
「お兄さんは?」
泣きながら男の子が問いかけて来る。
【俺はこのおっさんと話をつけて来るから。】
歩き出そうとして思い付いた。
【もし、どちらかのお姉さんが起きたらこれを渡せば分かるよ。】
そう言ってポーションの空き瓶を渡す。
「分かったよ!フードのお兄さん、負けないでね!」
【お話をつけに行くだけだよ?】
子供達に言い聞かせて男の方に振り向く。
【・・・移動するぞ。ついて来い。それともビビったのかい?】
「小僧!その物言い、癪に障るわ!・・・だが、よかろう。珍しい物を見せた礼に場所を変えてやる。」
【ついてきな・・・おっさん。】
「・・・」
そう言うとオールド・オーカムの廃墟の方に向かって歩いて行った。
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