食べさせすぎ注意
楽しみにして下さっている方、おはようございます。
初めましての方、おはようございます。
執筆終わりましたのでUPします。
お楽しみください。
盗賊達を縛り上げていると冒険者さん達がお礼を言って来たので、ジャスティンに任せる。
縛り終わるとボスと呼ばれていた盗賊さんに話を聞く。
【で、アジトには何人の戦闘職さんがいらっしゃるんですか?】
「ふん!仲間は売れねえよ。自分で調べな。」
ふむ・・・
ジャスティン達に言って他の盗賊と距離を取らせてもらう。
【もう一度聞きますね。戦闘職は何人いるんですか?】
「だから仲間は売らねえって言ってるだろう!てめ」
大口を開けたボスの人の口の中に大量の刻んだ唐辛子を詰め込み口を塞ぐ。
【これは鷹の爪って言う毒です。早く話さないと刺激で死にますよ?】
ボスの人が「フゴフゴ。」言っている
三十秒ほど経っただろうか、ボスの人から手を放す。
口の中から唐辛子をボロボロ出し涙を流しながら転げまわる。
「痛え!口の中が痛えよ!話すから何とかしてくれ!」
【毒消しですかー?情報を言わないと出せませんねー?】
「集まりすぎて把握してねえんだ!言ったから毒消しをくれ!」
【本当ですかー?】
「本当だ!少なくとも二十人は戦えるしか分からねえ!早く毒消しをくれ!」
【本当ですかー?嘘をつくともう一度行きますよ?】
子袋に入った大量の唐辛子を見せる。
「本当だ!だから毒消しをくれ!」
【その分だと本当のようですねー。】
「そうだろう?毒消しをくれ!早く!」
初めての刺激物、しかも大量に口の中に入れたので毒だと信じているんだろう。
【仕方ありませんね~・・・でも申し訳ないのですが毒消しは差し上げられないんです。】
「何だって!」
【本当の事を言わないから苦しんでもしょうがないですよねー?】
「本当に知らねえんだ!砦には女も含めて後四十人いる!戦えるヤツは二十五人ぐらいだ!ガキはいねえ!人質は離れに隔離してある!」
【ふ~ん、それで?】
「後の十五人は労働力で村から付いてきたヤツらだ!」
【そんなに毒消しが欲しくないんですか?】
「本当だ!謝るから毒消しをくれ!口の中が痛えんだ!」
【・・・そろそろ刺激が足りなくなって来たでしょう?】
「え!?」
【それは毒ではありませんよ。】
「何だって!?」
【香辛料の一種です。良い情報をありがとう。】
「てめえ!騙しやがったな!」
【盗賊に言われましてもねぇ。】
騒いでいるボスの人は無視して猿轡をして引っ張って皆の方に歩いて行く。
まあ、最後に言っていた事で情報は十分でしょう。
【良い情報が手に入りましたよ。】
「本当かいアーサー!」
【ええ、戦闘出来る人は少なくとも二十五人前後ですね。】
「後の人は何でしょうか?」
【労働力を対価にしている人みたいですね。ま、油断はしませんがね。】
「成程、御苦労様です、アーサー。」
そうするとラフィアが近づいてきて囁く。
『アーサー様?拷問はしていないんですわよね?』
『うん、ちょっと香辛料を食べてもらったんだよ。』
『あの方の唇が膨れ上がっておりますが、大丈夫なのですか?』
ん?
ボスの人の方を見ると唇が見事に「たらこ」になっている。
【ああ、毒性はありませんので大丈夫ですよ。これは罰だと思って下さい。】
「分かりましたわ。」
たらこのボスの人を先頭に立たせると他の盗賊の人達に縄を繋ぎ歩き出す。
「さあ、行こうか!」
ジャスティンの合図で進んで行く。
俺とダンとラフィアは縛り上げた盗賊達を歩かせて城門へ向かう。
アンナは馬を連れて付いてくる。
ジャスティンは先頭で冒険者さん達と話をしながら歩いている。
どうやら何度もお礼を言われているようだ。
しばらく歩くと城門が見えて来た。
念の為「探知」。
うん、赤い光点は無い様だ。
とりあえずは気を抜いても良いかな。
それなりに歩くと城門の前に着いた。
盗賊達を衛兵に突き出し、ジャスティンに手続きをしてもらっている。
一緒にいるダンは報酬がいくらになるのか考えている様だった。
その間にアンナが馬商人と話をして値上げ交渉をしている。
俺とラフィアは衛兵さんの好意で見張り台の台所を使わせてもらって食事を作っている。
もちろん鮪尽くしだ。
四人の冒険者さん達の分も作った。
「ジャスティンさんってすごいですね!」
「いや、アンナさんの弓の腕も凄かったよね!」
「ダンさんの後方からの奇襲も恰好良かったですよ!」
「それを言うならラフィアさんの・・・。」
それぞれの憧れているであろう冒険者の先輩をキラキラした目で見ている。
御飯が出来上がったので外でなのだが皆で御飯を食べる。
「アーサーさんは料理人なんですか?」
女冒険者さんがそう言ってくる。
ジャスティンが俺の方を見る。
俺が肯くと気を利かせてくれたのだろう。
「ああ、アーサーの御飯は特別に美味しいから沢山食べようね。」
ジャスティンがそう言うと皆で食べ始めた。
「お昼御飯なんて贅沢な物を・・・。」
「やだ、この魚。生だけど美味しいわ!」
「こんなに豪勢な物を食べさせて貰って良いんですか?」
「他の子に自慢出来ちゃう!」
皆、喜んでいたので大丈夫と言う事にしておこう。
四人組の冒険者さん達が食べ終わると、また狩にとオールド・オーカムの方に行ってしまった。
今度は人のいる所で頑張ってね。
しばらくするとアンナが戻って来た。
「あの厩舎の人、手ごわかったわ~。」
そんな事を言っていたので作っておいた寿司を差し出すと会議が始まった。
「盗賊の頭を無傷でと捕えたのはでかいぞ?さすがアーサーだな。」
【ダンさんだって途中からなのに二人倒してますよね?】
「アーサー様ですもの、そのぐらい昼飯前ですわ!」
ラフィアはブレないね。
「これであと約二十五人か・・・。」
ジャスティンが不安そうにつぶやく。
【まあ、何とかなりますよジャスティンさん。それに戦闘の出来る人が約二十五人と分かっただけでも良かったですよ。】
「そうだね、弱気になっていたよ。ありがとうアーサー。」
「しかし、新人を狙うとは許せんな。」
ダンがそう言うとアンナが現実を突きつける。
「そうだね~、モグモグ、殺さない方が儲かるから殺さないだけなんだけどね~。」
寿司を食べながら物騒な事をアンナが言っている。
「もっと簡単に捕縛出来れば良いんですけれど、さすがに数が多いですわね・・・。」
ラフィアがが心配そうに言うとその雰囲気を壊すようにアンナが言う。
「アーサー君!これお代わりなんさ~!」
【分かりましたよアンナさん。ただ、皆さんの無事が最優先ですよ?】
そう俺が言った事で落ち着いたのかジャスティンが同意するように言う。
「そうだねアーサー。この調子で残りも片付けよう。」
「「「応!」」」
皆の士気が上がっている。
良い感じだ。
【まだまだ作ってあるのでどんどん食べて下さいね。】
そういってアンナに追加を渡すと城壁の方に寿司桶を持って向かう。
そう、サポーター君達の所だ。
【皆も一緒に食べよう。冒険者パーティー、『オーガの牙』からの施しだよ!】
そう言うと半信半疑なのだろうか。
そろそろと近づいて来た。
【さあ、食べてね!】
そう言うと二十人程が食べに集まって来た。
俺はジャスティンとラフィアが手伝いに来たので後を任せ台所に向かい追加を作る。
うん、たまにはこんな事があっても良いよね。
台所から鮪の寿司をダンとアンナに言ってどんどん運んでもらう。
そうしてお腹いっぱいになったのか皆が食べ終わると少しは元気になったようだ。
「「「ありがとう!オーガの牙!」」」
手を振り、サポーターさん達は定位置なのだろう所へ戻って行く。
ジャスティンとラフィアが手を振り返している。
するとギルドマスターが見ていたのか俺に近づいて来て言って来る。
「おい、アーサー。飯代は一日一人銅貨五枚だからな?忘れるなよ?」
と、言って釘を刺して来た。
戦闘の時はあんなに豪快だったのにケチだね。
ギルドマスターに捕縛の連絡が行ったのだろう。
様子を見に来たって所かな?
【大丈夫ですよ!俺達はオーガの牙ですからね!】
「しかし・・・美味そうだな?」
【これは、皆さんの物なので特別料理なんですよ。】
「少し食べさせてくれよ。」
【銅貨を増やして頂けるんですか?】
「馬鹿を言うな、そんな事が出来るか!」
【じゃあ無理ですね。】
「おいおい、誰の金で食っていると思っているんだよ!」
【ギルドにも支給されている税金ですよね?】
「上手い事を言いやがるな、何でもいいから食わせろよ。」
仕方なくマスターにも料理を食べさせる。
「こりゃあ美味えな!もっと持って来いよ!」
「マスタ~、モグモグ、あーっし達の御飯だよ~?」
「うるさい、こんな美味い物が食えるんだ。お前らだって食うだろう?それに飯代を出しているのは俺だ!」
【それは、食事代をもっと出して頂けると言う事ですか?】
俺がそう言うとゼパムさんが答える。
「それはそれ、これはこれだ!」
そう言って来たので皆が笑っていた。
しばらく食べていると落ち着いたのかゼパムさんが言って来る。
「こんなに早く、しかも十人を捕縛だと?それに盗賊団のボスも捕縛か、さすがオーガの牙と言った所か。」
衛兵さんから貰った資料を見て感心していた。
「アーサーのおかむぐっ!?」
ジャスティンがいつもの様に俺を持ち上げようとするので途中で口を塞ぐ。
これ以上仕事を押し付けられてたまるか!
本業の鍛冶仕事が出来ないじゃないか!
まったく油断も隙もあったもんじゃないね。
そう思いながら今後の事を考えておく。
まずは人質の救出が最優先だよね。
このメンバーとなら成し遂げられるだろうと思った。
そうして腹具合が落ち着いた後ギルドマスターが「吉報を待っているぜ!」と言ってギルドへ戻って行った。
「さて、見回りましょうか。」
ジャスティンがそう言うと皆で肯く。
オールド・オーカムを見回っていると「隠れて。」とアンナに言われ急いで身を隠す。
どうやら運悪くなのか良くなのか盗賊の巡回コースに当たった様だ。
数は五人、全員徒歩だ。
帰ってこないボスの様子でも見に来たのだろう。
ここは正面からでも大丈夫だろう。
そう思っているとジャスティンが指示を出す。
「正面から当たりましょう。アンナはこの場で逃げる敵を弓で追撃。ラフィアも待機した所で魔法の援護。ダンと僕はこのまま突っ込みます、アーサーは退路を断って下さい。」
「りょ~。」
「かしこまりましたわ。」
「行くか!相棒。」
ジャスティンとダンが拳を突き合わせる。
【了解。】
俺も答えて走り出す。
すると感づいたのか、盗賊達が突っ込んで来るジャスティンとダンをみて大声で威嚇して来る。
「何だ!お前達は!」
・・・そんな事を言っている。
戦闘態勢も取っていない。
素人か?
そう思っているとリーダーらしき人が命令をする。
「斬り捨てろ!」
そう言うその人は走って逃げて行く。
とりあえずアイツを追えばいいかな?
そう思った所にアンナの放った矢がその男の肩に当たる。
「ぎゃああああ!」
撃たれたその盗賊は地面を転がりまわる。
さすがアンナ。
俺は方向転換して後ろから男に当身を食らわす。
二人目を倒した所で全員沈黙していた。
これで残りは約三十五人。
そのうち戦闘要員は約二十人。
五人を縄で縛り上げ城門まで連れて行く。
「また捕えて来たんですか!?」
衛兵さん達が驚いている。
そして面倒な手続きをジャスティンに押し付け、もとい、してもらって、そろった所で再度オールド・オーカムへ向かう。
しばらく探索していたのだがそれ以上の成果が見込めなかった。
ジャスティンやダンが新人さんに剣の使い方を教えたりしている。
アンナやラフィアは戦闘の際の心構えなどを教えていた。
しばらくそんな調子でいると太陽が陰って来ていた。
探索が夜になりそうだったので一度城門に戻り腹ごしらえをするのだった。
此処まで読んで下さってありがとうございます。
今回は調子よく書けたと思います。
書き方が固まってきたのならば嬉しい事なのですが・・・
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それでは 次話 武具の真価(仮 でお会いしましょう。
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