皆、昼御飯食べる派だった
読んで下さっている方、初めましての方こんばんは。
執筆終了しました!
それではお楽しみください。
アンナとラフィアはジャスティン達から聞いていたのだろう。
ミカへの挨拶を普通にする。
「ミカさん。よろしくね~。」
「よろしくお願い致します。」
俺にも挨拶を言って来た。
「アーサー君。よろ~。」
「アーサー様!本日はよろしくお願い致しますわ!」
二人が抱き着いて来る。
ミカがジトーっという目つきでこちらを見ている。
「アンタ、まさかとは思うけれどその二人に手を出してたりしないわよね?」
【キノセイデスヨ。】
「それなら良いのだけれど。・・・ラフィアさんは何で赤くなっているのかしらね?」
【ははっ。何を言っているんだいミカ?久しぶりに会えて感激しているだけじゃないか!】
「そ、そうですわ!また可愛がって頂きたいなんて思ってはおりませんわっ!」
ラフィアさん、バレチャッテマスヨ。
「まぁ、良いわ。ルイスさんには内緒にしておいてあげるわ。これ以上はあの子が可哀そうだからね。」
【流石、ミカ。話が分かる!】
「次は無いわよ?」
【カシコマリマシタ。】
部屋に着くと早速だが二人にデザインを選んでもらう。
「あ~っしは・・・これかなー?動きやすそうなヤツが良いかな~。」
ああ、皮の面積が一番多いヤツか・・・残念。
「アーサー様!私はこちらでお願い致しますわ!
一番面積少ないけれど、ローブで隠れちゃう!
俺がガックリしているとミカが言って来る。
「そろそろお昼ね、昨日言ってた『はんばっが?』っていうのを作って来なさいよ!」
【ミカそれを言うならハンバーグだ!】
「いいからさっさと作ってこい!」
バキッ!
【いってーな蹴るなよな!】
「まだ足りないの?」
【ははっ、ミカ様と二人の麗しきレディの為に作ってまいります。】
「よろしい、とっとと行ってこーい!」
【かしこまりました!】
そう言って俺は食堂に向かう。
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「あの~、ミカさんはいつもこ~なんですか~?」
「いつもって?」
「いや~、あのアーサー君に蹴りを入れたりですよ~。」
「左様です!あれではアーサー様が可哀相ですわ!」
「いつもって訳じゃ無いんだけどね。アイツといるとこう、何と言うか、やれるのにやってないって言うような感じがしちゃって頭に来るのよね。」
「あ~、分かるかも~、オーガの時もそうだったもんね~。」
「でも、やる時にはやる方なんですよ?」
「分かるんだけどね。アタシの八つ当たりも入ってるのかもしれないわ。」
「八つ当たりでございますか?」
「そう、アタシはもっと上を目指して鍛冶師達の目標にならないといけないの。」
「そうなんですか~?今でも十分目標になってますよね~?」
「左様です。黒玉の鍛冶師様と言えば「藍玉」や「黄玉」と並ぶ人達の一人ではありませんか?」
「それよ!その二つ名があるから、アタシはアタシでいられるのよ!」
「ふむ、あの二人以上になりたいと~?」
「そう!でも才能に出会ってしまったのよ。アイツという才能に・・・。」
「「・・・。」」
「今、アタシは行き止まりなのよ。だから壁を壊したいのよ!それでアイツに付いて行って学べばと思ったんだけれど実力を思い知らされるばかりで。」
「二つ名持ちも大変なんさ~。」
「そうですわね。でも、貴女らしくやればよろしいのでは?」
「アタシらしく?」
「そうですわ。自分は何の為にとかには捕らわれすぎないようにすれば良いと思いますの。」
「アタシらしく・・・か。」
そうするとアーサーと呼ばれるアイツが顔を見せた。
【そろそろ炊きあがるから、食堂に来てくれるかな?】
そう言って来た。
その間抜けな顔を見て入っていた力が抜ける。
そうだ、才能が何だ!
アタシはアタシだ!
こんな所で躓いている場合じゃない!
そう切り替えてアイツの言っていた『ハンバーグ』と言う物を食べに食堂に向かう。
見てなさいよ!
才能なんかに負けてたまるか!
アタシは黒玉の鍛冶師なんだ!
そう思うと少し気が晴れたような気がした。
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食堂に着くとまず米を研ぎ御飯を炊く。
御飯は昨日の実験で十五分程で炊けたのでその間にハンバーグを作る。
ん?
昨日作ったのは晩餐会用の物だからだよ?
玉葱を刻み始める。
御飯が炊ける前に付け合わせの人参を串切りにし砂糖とバターを入れフライパンで蒸す。
蒸篭で同じく串切りにしてジャガイモを蒸かしておく。
更に水を入れた鍋にいんげんと塩を少し入れて煮込む。
木のボウルに刻んだ玉葱、挽肉、牛70%、豚30%に卵とパン粉を適量、卵を二個入れ牛乳と塩を少し入れる。
そして混ぜる。
スキルのおかげで十回ほど混ぜると粘りのある肉種が出来上がる。
形を成型する。
掌に乗せて右手、左手でパンパンと往復させ空気を抜く。
そして肉種が丁度無くなるように女性用の小さいハンバーグを十五個作るとフライパンで五個ずつ焼いて行く。
火が通る様に弱い火でじっくり焼こうとするのだがスキルのおかげですぐにじっくり焼いた物になる。
反対側も焼く。
焼いている間に作っておいたデミグラスソースをかけて一緒に焼く。
良い匂いがして来たら焼けているのだが念の為に串を刺し肉が焼けているかを見る。
うん、完璧だね。
今日もスキル様は絶好調だ!
良い感じに出来上がると甘く煮た人参と蒸かしたジャガイモ、いんげんと一緒に皿に盛り付ける。
そろそろ米も炊けそうなので火を弱めて蒸しておく。
そしてスープ。
ブイヨンを作っておいたので具沢山のコンソメスープを作った。
冷めないうちに呼びに行こう。
部屋に着くと何かを話していたようだ。
【そろそろ炊きあがるから食堂に来てくれるかな?】
と、声を掛けると皆が移動してくれる。
【おや?】
「これは、ヘファイストス様。」
「ヘファイストス様達も御昼ですかー?」
【ええ、そうですよ。よろしかったら御一緒にどうですか?】
「よ、よろしいのですかー!?」
【構いませんよ、皆さんも良いですよね?】
「もちなんさ~、アーサー君の御飯は美味しいんさ~!」
「ナナリー様も、味わって頂くのがよろしいと思いますわ!」
「ナナリーちゃんもアリシアさんもどうぞ。」
「このドワーフは・・・。」
【まあまあ、では、行きましょうか。】
丁度、ナナリーさんとアリシアさんも昼御飯らしいので是非御一緒にと呼んでみた。
さあ!
召し上がれ!
ハンバーグランチを!
今日は洋風らしく木のフォークとナイフにしてみた。
計六人でのお昼ご飯だ。
「それでは、いただきます!」
「「「いただきます?」」」
ああ、デジャブ。
「神様に御飯をありがとうって祈る言葉だよ!冷めないうちに食べよう。お代わりもあるからね!」
段々適当になって行くな。
ごめんなさい、『アリステリア様』。
「「「いただきます!」」」
まずハンバーグから食べる。
うん、美味いね。
皆の言葉が無い。
するとミカがガツガツと食べ始めると皆も食べ始める。
「アンタやっぱり鍛冶師やめて料理人になった方が良いわよ?」
「アーサー君、これすごく美味しい~!」
「さすがですわ!」
「アーサーとはどちら様の事ですか?」
アリシアさんがそう言って来たので答えておく。
【ああ、ここでは俺の事はアーサーって言う事にしておいてくれると助かります。】
「かしこまりました。アーサー様、美味しいとはこういう事を言うのですね。」
「ヘファ、アーサー様!これは美味しいですー!」
ナナリーさんはヘファイストスで言い慣れているので大変だろうな。
どうやら皆満足しているようだ。
晩餐会が楽しみだね。
ニヤニヤしていると早くも食べ終わったミカが言って来る。
「ニヤついてないで米お代わりよ!」
【了解です、ミカ様!】
「張っ倒すわよ!ハンバーグも持ってくるのよ!」
「アーサー君、アタシもお代わり良いかな~?」
【アンナさんとラフィアさんは採寸してあるので大丈夫ですよ!】
「それなら遠慮なく~!」
「私もよろしいですか?美味しいと言う物をもう一度頂きたいです。」
「あのー、ヘファ、アーサー様、私もよろしいのでしょうかー?」
【分かりました!皆さんの分を持ってきますね!少々お待ち下さい!】
大盛況だった。
ハンバーグはミカとアンナが三個ずつ食べた。
御飯もお代わりしていた。
他の人は二個ずつだ。
アリシアさんが美味しいと微笑んで食べていた。
うん、良い事だ。
あれ?
十五個焼いたはずだよな?
俺達が六人で・・・食べたのは十四個だな。
残りの一つは誰が食べたのだろうか?
と、思っていたら食堂のおばちゃん達が勝手に四人で切り分けて食べていた。
「うちの旦那も作ってくれないかねぇ。」
「すごく美味しいねえ!これなんて言う料理なんだい?」
「うちの子供にも食べさせたいねぇ。」
「こりゃー美味いねぇ、黒パンと食べるかね。」
皆食べたかったよね。
ごめんね、おばちゃん達。
今度は振舞うからさ。
こうして楽しい昼食が終わったのだった。
此処まで読んで下さってありがとうございます。
多人数の読み合わせは難しいと改めて思わされます。
そんな今回はどうだったでしょうか?
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早い物でもう12月も半ばでございます。
皆様も風邪など引きません様に暖かくして下さいませ。
それでは 次話 アンナとラフィアとミカの成長(仮 でお会いしましょう。
それではお疲れさまでした!




