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新しい人材

皆様、こんにちは。

新しい物語が綴れました。

よろしければ、お楽しみください。

楽しんで頂ければ幸いでございます。

ルイスとナナリー、サーラとヴァーチェさん。


四人を連れてオーカムに戻って来た。

ヴァーチェさんには仕事と住まいとの説明がある。

いつもの宿屋前から歩く事、数分。

目的の店に到着した。


もちろんヴァーチェさんに案内をする為だ。

サーラも見てないはずなので同じく見学してもらおう。


【ここが俺達の店となります。それなりの大きさですが、いかがでしょうか?】


「お、大きいですね。三階建てですか?」


「何て立派な御店なのでしょうか・・・。」


うん、新しく見た二人の掴みはオッケイ。


「私とナナリーさんは見ていたから・・・。」


「ええ、でも、オーカムの、どの御店より広くて立派ですねー。」


【内装は色々と模索中でしてね、まあ、近々開店予定です。】


「・・・が、頑張ります!」


【サーラは良くやってくれていますよ。その調子で頑張りなさい。】


「は、はい!」


「ヘファイストス様、この御店の従業員様を寝泊まりするのに寮とやらが必要なのは伺いましたが、貴族様とかはいらっしゃらないのよね?」


【貴族様はいらっしゃいませんよ。今後も雇う事は無いと思われます。】


「良かったわ、貴族様への対応は分かりませんから、どうしたらよいかと思っておりました。」


【はっはっは、僕もにわか貴族なので分かりませんよ?】


「では、何かありましたら貴方様へ相談いたしますね。」


【ヴァーチェさん、今のところは、それでお願い致します。】


「かしこまりました、婿様。」


婿様・・・なんかくすぐったいな。

店の中をざっと見て行くと、ルイスとナナリーが嬉しそうな声を上げる。


「こんな御店で働けるなんて・・・。」


「ヘファ君の夢でもあるのですねー。」


「このお店に私の作った物が並ぶんだ・・・しっかりしろ、私。」


サーラがポツリと言った事が聞こえた。


【サーラは、鉄のハイクオリティーは作れるようになったのかな?】


「もう一息だってフェイさんに言われたんです。それで鍛錬をしていまして・・・。」


【そっか、フェイが言うのならば心配はありませんね。】


「が、頑張ります!」


【頑張って下さいね。】


「貴方、サーラさんは頑張っているわ。」


「そうですよ、頑張っているのですよー。」


【二人が言うのですし、頑張っているのは手を見れば分かりますよ。】


「ヘファイストス様・・・。」


一階から見て行き二階、そして三階と移動して行く。


【ここがルイスとナナリーの、支配人と副支配人の部屋だね。】


「き、緊張して来たわ。」


「ふふっ、頑張りましょうね、ルイスさん。」


「ええ、ナナリーさん。」


御店は段々と出来上がっている。

ミカが連れて来てくれた親方集団の手によるものだろう。

ありがとうな、ミカ。


【ここで雇いたい人を後で勧誘に行きたいんだよね。】


「そうなの?」


【そうなんだよ、ルイス達の執事になる人と従業員となる・・・女性達だよ。】


「「・・・。」」


【な、何かな、二人共?】


「従業員さんなのよね?」


「従業員さんなんですよねー?」


【そうだよ、それ以外にはありえないよ?】


「「・・・。」」


【・・・。】


ぐう、二人の視線が痛い。


「浮気ものぉ・・・。」


「ヘファ君、お姉さんは悲しいのですよー。」


【だ、だってしょうがないじゃないか!】


「何処がしょうがないのよ!」


【その人達の事をを知るのに必要だったんだよ!】


「ヘファ君、次からは私達に相談して下さいねー?」


【はい、済みません・・・。】


「もういいわ、次からは気を付けてよね?」


【気を付けます。】


「あらあら・・・。」


【一通り見てもらったから、次は寮へ行こうか。】


「いよいよ、私の職場ですね。」


【ええ、ヴァーチェさんには寮の管理人をやって頂こうと思っております。】


「はい、その為の心構えはしてきました。」


【では、隣の寮に移動しましょう。】


「行きましょう。」


「お母さんの職場ですねー。」


「ふふっ、楽しみですね。」


店を出ると正面入り口に鍵をかける。

皆で隣に出来上がった寮へと向かう。

二階建ての建物で、部屋が一階に七部屋、二階に七部屋の計十四部屋だ。

それが二棟ある。


【ここですね、101号室は管理人の部屋となります。それ以外は基本的に従業員の部屋になります。】


そう言って101号室を案内する。


【こちらになります。ここにスイッチがあります。】


試しに明かりをつけてもらうと部屋全体を見回す。


「あらあらあら・・・。」


【ヴァーチェさん、何かありましたか?】


「いえいえ、思ったよりも素晴らしい部屋なので驚きましたわぁ・・・。」


【ライトの魔法は入り口の魔力版に魔力を流してもらえればつきますので、大丈夫ですか?】


「はい、大丈夫ですね。家具まで付いているのですね。」


【御不便があれば申し付けて下さいね。足りないものはすぐに用意致します。】


「部屋があるのね。」


【寝室ですね。奥にトイレもあります。下水にはスライムがいます。衛生面には気を配ってありますので、安心して御利用ください。】


「凄いですね、他の部屋も同じですか?」


【ええ、各部屋は同じ条件になっておりますよ。】


「成程、こちらの小部屋は何でしょうか?」


【本来は風呂を用意したかったのですが、源泉がありませんでした。そこで体を拭いたりして頂ければと。】


「御風呂!?湯船を作るつもりだったのですか!?」


【ええ、風呂に入りたいときは、着いた時の宿屋の物を御利用いただければよろしいかと。】


「それは案内しても良いのよね?」


【ええ、頼みますね、ルイス。】


他の部屋は後で従業員に来てもらうからね。


【早速ですが、本日には従業員を連れて来ますので準備を頼みます。後は、このアンケートをお願い出来ますか?】


「あんけーとでございますか?」


【ええ、何か家具が欲しいとかそう言った要望書の事です。ヴァーチェさんには早速の仕事になりますが、お願いしますね。】


「はい、御預かりしますね。」


そう言うとヴァーチェさんはアンケート用紙を預かってくれた。


「ねえ、貴方。従業員さんを連れて来るのよね?」


【そうだね。ルイスとナナリーにはその人達の教育をしてもらいます。】


「分かったわ。」

「分かりましたー。」


「サーラには採寸をしてもらいます。もちろんですが制服などを作るのに必要だからです。」


「分かりました。」


【一応即戦力ですが、二人には何をするのか?等々従業員の教育をして頂きます。」


「「はい!」」


【では、ヴァーチェさん。荷物をほどきましょうか。】


「はい、よろしくお願いしますね。」


荷解きはルイスとナナリー、サーラが手伝ってくれるようだ。

女性の荷物なので俺には厳しいだろうな。


さて、こういうのはやってもらわないと分からないからね。


その間に、用事を済ませてしまおう。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「こ、ここは・・・?」


【帝国の歓楽街だね。】


「「「・・・。」」」


「ヘファ君、歓楽街は一般の女性が入って良い場所ではありませんよー?」


【え、そうなの?】


「まさか従業員さんて・・・。」


やべえ、知らなかった。


【すみません、知らなかったです。】


慌ててゲートを出し直す。

女人禁制だったのか。

いつもの宿屋へと戻った所で、こってり絞られた。

仕方がないので一人で迎えに行く。


足は例の御店に向かって進む。


【うーん、ここに来るのも久しぶりだなあ・・・。」


門構えを見て、奥へと足を踏み入れる。


「お兄さん、一見さんかい?」


【いえ、この店の女主人さんと約束してるんですよ。】


「それはそれは、主人はこちらですよ。」


案内してもらった。

親切だな。

御座敷に女主人を見つけたので近寄って行く。


【やあ、主人。約束通り迎えに来たよ。】


「おや、坊ちゃんじゃないかい!ふふっ、少し見ない間に男前になったじゃないか?」


【ありがとう、主人。で、三人はいるかな?】


「坊ちゃん、ああ、実際に会ってもらった方が良いね。おい、オカモト、例の坊ちゃんだ。ルナ、レイラ、桜子とあの娘達を連れて来な。」


「ヘイ!」


【あれ、主人。あの子達とは?】


「坊ちゃんには初顔になるが訳アリさね。坊ちゃんは喜んでくれると思うよ?」


【そ、そうなの?】


ヤバイ、ルイス達には三人と言ってしまった。

達って事は複数だろ?

・・・何とか出来ると良いなぁ。

頑張ってくれ、未来の俺。


と、願いつつ丸投げした。


「坊ちゃんは景気が良さそうだね?」


【あ、そうだ、主人殿。これを使ってみてくれないかな?】


「坊ちゃん、何だいね?」


【毒物ではない「白粉」を作ってみたんだ。前の白粉より白くなっちゃうんだけどどうかなってさ。やっぱり専門の人に聞いた方が良いでしょ?】


「どれどれ・・・。」


女主人は容器の蓋を開けると驚いていた。


「こりゃあ・・・坊ちゃん、何て物を作ったんだい!?」


【試して良かったら教えてくれるとありがたい。ウチの御店で売るからさ、安く卸すよ。】


女主人は左手に白粉を塗って見ている。


「白くする専用の物なのかい?効果は?」


【白くしたい女性達に、安心安全を第一に作ったんですよ。】


「・・・痒くならないね。いいだろう店で使わせてもらおう。数はどのぐらい用意できるんだい?」


【今の現状だと、これと同じものが百ある。】


「分かった、全部買うよ。」


【金額を言っていないよ?】


「構うもんか、ぼっちゃんはそんないい加減な値段で安心、安全なんて言わないだろう?」


【初回って事で、安くしておくよ。】


「ありがとうよ、坊ちゃん。追加はどうすればいいんだい?」


【プルスィオス商会に連絡をくれれば、取引が出来る様にしておくよ。】


「ずいぶんと大店だね、分かったよ、坊ちゃん。」


【後はこっちなんだけど、「ファンデーション」と「乳液」、「化粧水」と言って「化粧品」と呼ばれる物なんだけど、こっちは数が無いから上のランクの御姉様方に聞いてみてよ。】


「けしょうひん?」


【人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増す物の総称なんだけどさ、良かったらこれも使ってみてよ。】


「あっはっは!美味い営業だね、坊ちゃん。その気になっちまったよ。」


【覚書を置いて行くから使ってみて、追加で欲しくなったら、プルスィオス商会に連絡をくれれば持って来るよ。】


「分かった、使ってみよう。」


【ありがとうね、御主人。】


「おっと、おい、かなで。」


「何でしょうか、主人。」


「この覚書の通りに、「鈴々」にこれらを使ってみてくれるか?」


「・・・分かりました。鈴々の姉さんに持って行きますね。」


「ああ、まずは「けしょうひん」とやらからだ。」


「かしこまりました。」


「ふぁんでーしょんとやらは結果を見てからだね。」


【ありがとうございます。その期待は裏切らない物と自負しておりますので。】


「はっはっは、言う様になったじゃないか、坊ちゃん。」


「「「坊ちゃん!!!」」」


【皆さん、お久しぶりです!】


「お、早かったね・・・そんなに会いたかったのかい、ルナ、レイラ、桜子?」


「ええ、お会いできる日を、迎えに来てくれると信じておりました!」


「ありがとう、坊ちゃん。生きていてよかった、こんなに嬉しいなんて・・・。」


「もう、姉様達はー、坊ちゃんは嘘を付くような人では無いと何度も何度もー。」


「さ、桜子だって泣いてたじゃないの!」


「そうだよ・・・でも、坊ちゃんは来てくれたんですね。」


「ふふっ、こんな嬉しい日は無いですねー。」


「あ、あのー・・・。」


後ろから遠慮しているような声が掛かる。

この子達が問題の女の子達なのかな?


【主人、この子達がそうなのですか?】


「ああ、三人共器量良しさね。ルナ達と同様に教養もある。カーリアから挨拶して行きな。」


「は、はい。坊ちゃん、御噂はかねがね・・・カ、カーリアと申します。二十二歳です。優しく可愛がって下さいませ。」


褐色の御姉様な感じのする。

優しそうな御姉様だ。


「次、アズ。」


「は、はい!アズと申します!十八歳です!末長く、よろしくお願いします!」


ほう、芯は強そうだけど・・・訳アリかな?

金髪美少女だ。


「次、フィーネ。」


「フィーネと申します。年齢は十六歳です。よ、よろしくお願い致します。」


十六歳でこの世界にきたのか・・・。

この子も訳アリなんだな。


「坊ちゃんに引き取ってほしいのは以上の六名だ。」


巨乳美女が三人も追加。

嬉しいんだけど、ルイス達を説得するのが大変だ。

そして何の噂を聞いたのだか、新しい三人は俺の下半身に視線が集中している。


【主人、えっと、働いてもらうって言う事は・・・?】


「言ってあるさ、でもね、坊ちゃん。その前に男として、主人としての在り方を示してあげるのが良いんじゃないかい?」


「「「・・・。」」」


「坊ちゃん、嫌でなければ可愛がっておくれよ。アタイらは坊ちゃんの事を思って寂しくても我慢してきたんだ。」


「私達はルナの姉様方の話を聞いているだけなので、ついでに可愛がって頂ければ、嬉しいです。」


カーリアさん、いったいどんな話なのやら・・・。

仕方がない。


【主人、部屋は開いているかな?】


「もちろんだ、坊ちゃん。時間の許す限りでいいさ、可愛がってやんな。ルナ、牡丹の間が開いているから連れてってやんな。」


「かしこまりました、主人様。」


「こらこら、アタイはもう主人じゃないよ?」


「はい、では、坊ちゃんと皆はこちらへ。皆、行くよ。」


「「「はい!」」」


こうして従業員を説得する為に頑張った。


頑張ったんだよ?



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「明日の朝じゃと?」


【はい、出発の時間は王国時間で八時ごろとの事です。】


「そうか、それでは、我らは村に戻り宿で一泊するのが良いな。」


「そうですね、隊長。紅玉殿、竜族の死体を集めるのを手伝って頂けまいか?」


【構いませんよ、どうしますか?】


「この洞窟が良いじゃろうな、頼めるか、紅玉殿?」


【中に入れておきますね。】


「それと、我らから二人見張りを出そう、交代要員はオーガの牙にも出してもらいたい。」


「では僕とダンが付きましょう。」


「構わないぜ、四人は戻って体を休めてくれ。」


「ある程度の竜族は山頂にいるであろうからな、一日ぐらいならば大丈夫であろうよ。」


【それでは集めて来ますね。】


「頼む、紅玉殿。」


ある程度の死体の位置を聞くと回収に向かう。

回収が終わり洞窟の中に死体を置くと、待たせている人達の所へ向かう。

今日は忙しいね。


リターンが大活躍だ。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



ここはとある御屋敷。


帝国でもこの地域はいまだに暖かい。

クーデリカから聞いた、俺の求める人材がいる。

そう、クーデリカに優しくしてくれたと言う人に会いに来たのだ。


ゴン!ゴン!


「・・・はい、どちら様でしょうか?」


【失礼、こちらは、マールス男爵の別宅でよろしいですか?】


「御間違い御座いません。」


【突然の訪問を失礼致します。俺は、ヘファイストス・フォン・エターナルと申します。】


ガチャッ


「こ、これはエターナル卿におかれましては大変失礼を。」


ドアを開け礼をすると跪いて来た。

メイド達も慌てて頭を下げる。

跪いている目の前にいる執事に箱に入った手土産を渡す。


【これは手土産のミルクレープと言うデザートでございます。よろしければ、皆さんで召し上がって下さい。】


「これは御丁寧に・・・誠にありがとうございます。」


【それでマールス男爵殿はいらっしゃいますか?】


「はい、御在宅でございます、失礼ですが玄関では何ですのでこちらへどうぞ。」


【失礼致しますね。】


居間に案内された。

ノモスの別荘と比べると見劣りはするが十分に立派な家だった。

しばらく待つのだが一向に男爵が現れる様子はない。


「申し訳ありません、エターナル卿。支度に手間取っておりますので、しばらく・・・。」


【無理を言っているのはこちらです。気になされない様に。】


「ははっ、様子を見てまいります。」


しばらくすると言い合う声が聞こえて来た。

なんかが割れた音がする。

忠言に耳を傾けない。

クーに聞いていた通りのようだな・・・。


しばらく待っていると、左頬を腫らせたロビンソン殿と主人であろう、マールス男爵が部屋にやって来た。

・・・こりゃあ聞いてたより悪い状況じゃないかな?


「あー、貴公がエターナル卿か?」


【突然の訪問を失礼致します、マールス男爵に、お話があってまいりました。】


「噂のエターナル卿が私に話ですと?」


【はい、願いを聞き入れて頂ければ、この鋼の剣を送らせて頂きます。】


バックパックから意匠の見事な鞘に入った鋼のロングソードを取り出す。

これは貴族様に渡す用の物でハイクオリティーだ。


「なんと!誠か!?」


【はい、こちらでございます。】


男爵は受け取ると剣を抜き放つ。


「おお、これは素晴らしい剣だな!して、話とやらは何だ?」


剣を鞘に納めると鼻息も荒く話を促せてくる。


【話と言うのは他でもありません、そこにいらっしゃいます「ロビンソン」殿を我が配下にしたく参上した次第です。】


「ん?こんな融通のきかないやつで良ければすぐにでも取引に応じるぞ?」


「だ、旦那様!?」


「ふん、貴様には暇を出そうとしておったのだ。こんなやつで良ければすぐにでも連れて行ってくれ。」


「旦那様・・・。」


「五月蝿いのがいなくなり、家宝にすべき見事な剣が手に入るとは・・・ロビンソン、支度をしてすぐに出て行くが良い!」


「だ、旦那様・・・。」


「何度も言わせるな!とっとと支度をし、出て行け!」


うーん・・・。

スムーズに行ったのは良いが、ロビンソンさんに辛い事を押し付けてしまったな。


身支度を整えたロビンソンさんと男爵邸を出る。

思ったより荷物が少ない。

マールス家から頂いた物はおいて来たようだ。

律儀だな。


そんなロビンソンさんに回復ポーションを渡す。


「これは・・・貴重なポーションではございませんか?」


【ロビンソンさん、男爵との事は失礼致しました。まずはそれを飲み、怪我を回復してください。】


「先代より三十年間勤めてまいりましたが、現男爵様には私の言が届いていなかったと思うと悔しく・・・。」


グイッと飲み干すと怪我が治ったようだ。

普段からこんな扱いだったのだろうか?


【ロビンソンさんには俺の、俺達の力になってほしくて今回、話をしに来たんだけど・・・辛い思いをさせてしまいましたね。】


頭を下げる。


「頭をお上げ下さい。エターナル卿のせいではありません。この身が忠勤に励んでも男爵様には届かなかっただけでございます。」


【それで、貴方には俺の嫁達の面倒を見て頂きたいのですよ。】


「この身が役に立ちますのならば、忠勤に務めます。私には家族もおりませんし、帝国を出るのに何の未練もありませぬ。」


【ルイスとナナリーなら貴方の言に重きを置くでしょう。安心してください。】


「奥様である御二人にお仕えすればよろしいのですな?」


うん、察しも良い。

この人を無能扱いで捨てるとは、男爵様の目は節穴だなぁ。


【それだけではないのですよ、ロビンソン殿。こんな話を御存じかな?とある少女の事だ、その少女は今俺の庇護下にいる、その少女から聞いた話だ。】


「少女・・・でございますか?」


【うん、その少女が言うには貴方に命を救われたと感謝しておりましてな、そのような人物は是非に俺の元に来てもらおうと思ったのだが、辛い選択をさせてしまった。】


「お気になさらずに、エターナル卿。いえ、若旦那様。」


【そう言われると有難い、かなり強引になってしまったからね。】


「私を必要として頂けるところで働ける。それは私にとって幸せな事でございます。」


【話を戻そう。その少女は貴方に受けた恩の事を俺に言って来るのです。ロビンソン殿が私を救って下さったと。】


「しばらく前に、砂漠の民だと言う少女が訪ねてまいりましたので少しの食料と水を与えました。その子の事でございましょうか・・・?」


【その少女の名前は「クーデリカ」と申します。大変に感謝しておりまして、そのような人物がいれば我らの力になってくださるであろうと思いましてね。】


「旦那様の言ではございますが、当たり前の事をしただけでございますぞ?」


【その、当たり前のことが出来る人物が少ない。貴方には感謝をしております。妹を救っていただき、ありがとうございます。】


丁寧にお辞儀をする。

この人がいなければ、クーデリカとの出会いは無かったかもしれない。


「旦那様、頭をお上げください。当然の事をしたまでです。」


【それで、今後は俺の嫁達の力になって頂きたい。何せ先日貴族になったばかりですのでね、作法などさっぱりです。】


「かしこまりました、忠勤に励む事を御約束いたしましょう。」


【そう言って頂けると心強い、ちなみに給金はいかほど頂いておりましたか?】


「月に銀貨を五枚でしたな。」


【では、月に金貨で十枚と住処、制服などの支給も致しましょう。】


「そ、そのような。身に余るお言葉でございます。」


【足りないものがあればその都度おっしゃってください。】


「かしこまりました、一層の忠勤に励みましょう。」


【頼みます、ロビンソン殿。】


「では早速、旦那様、私の事は呼び捨てになさいませ。」


【そんな物なのかい?】


「そんな物です。」


【分かった、以後気を付けよう、ロビンソン。】


「では旦那様、以後よろしくお願い致します。」


クーの言う通り会話の中にも誠実さが伝わって来るようだった。

こうして目標の人物達の協力を得た。


では、戻ろうか。


俺達のいるべきところに!

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

大変に励みになります。

皆様、ありがとうございます。

今回のお話で年内の更新は最後とさせていただきます。

今年もお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

また来年お会い致しましょう。

それでは、皆様方。

本年は大変にお世話になりました。

良いお年をお迎えください。

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