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家族と言う物

皆様、こんにちは。

新しい物語を紡ぎました。

楽しんで頂ければ幸いでございます。

商業ギルドに着くとカウンターへ。


カウンターにはアリシアさんがいた。


「こんにちは、ヘファイストス様。御弟子様の二人なら二番炉にいらっしゃいますよ?」


【こんにちは、アリシアさん。ちょっと様子を見に来ました。】


「ヘファイストス様、結婚式の時はドレスをありがとうございました。それと・・・お出かけされておりましたか?」


【ええ、ちょっと竜退治に行ってました。】


「竜と言うと、ドリュカス公が関わっている物ですね?」


【そうです、落ち着いたので明日の朝に回収部隊を送りに行くんですよ。】


「その竜の事が噂に上っておりまして、素材が市場に流れるのか、流れないのだとか。」


【ドリュカス公の事です。市場の活性化をさせる為に、触媒や素材を流して復興の為の資金にすると思いますよ?】


「そう願いたい物ですね、バイジンから商人が多数来ておるようで、オーカムの宿屋は一杯らしいですよ。」


【あー、王都のオークションも今は機能していないでしょうしね。】


「左様ですね、問題はそれだけではありませんが・・・。」


チラっと俺の方を見て来る。


【何かあります、アリシアさん?】


「ふう、ヘファイストス様は少し自分の事を学ばれた方がよろしいかと思いますよ?」


【自分の事を?】


「素材などを手に入れた商人達の()()()の事です。作成する武器や防具、依頼を出されるのは()()()()になりますか?」


【・・・俺の所か!?】


「左様ですよ、もう少し危機感を持たれた方がよろしいと思いますわよ?」


【でも、依頼はギルドを通しての依頼になるんじゃ?】


「・・・ヘファイストス様は来た依頼をすべて受けるつもりですか?」


【すみません、無理ですね。】


「考えて頂けると、よろしいかと思います。


【そうですね。御忠告ありがとうございます!】


「私からは、頑張って下さいとしか言えません。」


【何とかなりますよ、フェイもサーラもいますからね!】


「左様ですか・・・では、行ってらっしゃいませ。」


【ありがとうございます、アリシアさん。では、行って来ます!】


そう挨拶をするとフェイとサーラの所へと向かう。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「サーラ、そこや!」


「はいっ!」


カーン!


「見えて来たか?」


「いえ、まだまだです!」


「良い気概やな、まだ行くでぇ!」


「お願いします!」


・・・今は邪魔する訳にはいかないね。

室外の休憩所になっている所へ行き、椅子に腰を掛ける。

サーラも良い所まで仕上がっているようだ。

流石ですね、フェイ。


そんな事を思っていると、フェイと目が合った。

いや、合ってしまった。


「あれ、?坊ちゃんやないか?」


「ヘファイストス様!?」


「休憩室やで。」


二人共に気付いてしまったので、仕方なく鍛冶場に向かう。


「坊ちゃん、何時からいたんや!?」


【いやいや、今来たんですよ。サーラに話があってね。】


「私にですか?」


【サーラ、汗を拭いなさい。話はそれからです。】


「はい、ヘファイストス様。」


「坊ちゃん、サーラに用事やろ?今日の所は上がりでええで?」


「フェイさん、やっと掴んだんです!まだまだやれますよ!」


「坊ちゃんが話があるって言うとるやろ?」


「分かりました・・・また、お願いしますね!」


「おう、またやろうで!」


フェイはそう言うと自分の仕事に戻った。


カーン、カーン!


良い音が響く中、サーラを誘って休憩室へと向かう。

部屋に着き、椅子に腰を掛けると、その対面にサーラが座る。

バックパックから冷えたスポドリもどきを取り出し、渡す。


「ごくっ・・・っく・・・ふぁっ!ありがとうございます、ヘファイストス様、御疲れ様です。竜退治はどうだったのですか?」


【一段落着いたので、ドリュカス様に回収部隊の派遣をお願いしてきたところです。】


「さすがですね、ヘファイストス様。話とはその事でしょうか?」


【それもありますが、通り過ぎる村に、サーラの生家があったんだ。それで、サーラには済まないが家族に挨拶をして来た。】


「挨拶ですか?」


【これから家族になるのですから、義母様や弟妹達ていまいたちに婚約の挨拶を、貴女の兄弟は育ちざかりなので、お腹いっぱい食べてもらう様にとお話をしてきました。】


「そうですか・・・ありがとうございます。」


【当然の事ですよ、俺の義母でもあり弟や妹でもあるのです。】


「ヘファイストス様、家族には借金がありまして・・・全部あの野郎のせいなんです。」


拳を握っている。

昔の事を思い出しているのだろう。


【聞いたよ。父親が蒸発したってね。】


「はい、ろくでもない奴で・・・見つけたらぶん殴ってやるんです!」


【借金の事は何とかして来ましたよ。後はちょっと気が早いかもだったけど、一緒に住めるように話を通して来ました。】


「そ、そこまで・・・ありがとうございます、ヘファイストス様。」


【自分で解決できるように、しようとしてたんでしょ?】


「はい、ただ・・・母や弟、妹には申し訳なくて・・・。」


【それは、君のせいではない。気にするな、とは言わないが、枷にするのはもう止めなさい。】


「はい・・・。」


【これからするのは暗い話ではありません。サーラの家族を一時的にオーカムで預かるようにします。」


「よろしいのですか?」


【これからは、俺の家族になる人達です。放ってはおけませんからね。】


「ありがとうございます。」


【それと、オーカムで商売のやり方を学んでもらうつもりです。】


「なるほど、露店をさせるおつもりですね?」


【そうです、最終的には、王都でも露店や商店をやってもらおうと思っているからね。】


「了解いたしました。その間は私も面倒を見させていただきますね。」


【その後は、王都になるであろう「ブリテイン」へ移って頂きます。】


「王都にですか?」


【ええ、そこでも学び、商売をしながら生活をしてもらいます。】


「学び?ですか?」


【はい、ブリテインには学び舎の建設の予定があります。設備が整ったら、子供達にはそこで色々と学んでもらいます。】


「学び舎・・・。」


【手に職をつけると職場から声が掛かるかもしれませんしね。】


「そこまで考えて頂けるなんて・・・!」


【王都が復興していないので、今だ予定で話しておりますが、俺も頑張るので、サーラも一緒に頑張りましょう。】


「はい、ヘファイストス様!」


【それで・・・急ではありますが、一緒に家族と話に行きませんか?】


「家族と話す・・・?」


【貴女も久しぶりでしょう、母上や弟妹に久しぶりに会ってみてはいかがですか?】


「ヘファイストス様、少し情報を下さいませ。」


【情報ですか?】


「はい、例えば何処までを話てよいか?などです。」


【そうですね、オーカムに作った家に何件か空き家があるらしいので、支度が整ったらそこに引っ越して頂きましょう。】


「ヘファイストス様・・・あ、ありがとうございます!」


【あとはポーションの露店をして頂くと言う事、商売の仕方を勉強してもらうと言う話でしょうか?」


「そこまではお話してもよろしい内容なのですね?」


【ええ、そこまでなら大丈夫です。よろしいですか?では、支度をして行きましょう・・・家族も喜んでくれると良いね。】


「はい・・・はい・・・。」


【サーラ、泣くのは早いよ。待たせてるけど、結婚式だってやるんだからね?】


「ヘファイストス様~!」


抱き着いて喜んでくれた。

さて、準備をしに宿に帰りましょうか。

こうして俺達は宿屋へと向かう。


家族を迎えに行く為に。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



宿に着くとサーラは着替えに行った。


一応フォーマルの格好に着替えるように言っておいた。

きっちりとしたフォーマルの格好で迎えに行く。

ルイスとナナリーは着替えて一階にいた。

二人で紅茶を飲んでいるようだった。


何を話しているのだろうか?


「こんな風に紅茶を飲めるなんて・・・贅沢になったものですよね。」


「ヘファ君のおかげですからね、素晴らしい旦那様に感謝をしなければー。」


「こんな優雅に・・・あ、来たようですよ、ナナリーさん。」


「ヘファ君、こちらですよー?」


【お待たせ、二人共。準備は出来た?】


そう言って二人を見る。

うはー、OLのような凛々しい格好の二人がいた。

ちょっと前の世界を思い出してしまった。

ストッキングがあれば完璧だったのにな。


【綺麗だ・・・二人共・・・本当に・・・。】


「も、もう!それで、迎えに行くのよね?」


【そう、迎えに行くんだ。ルイスは結婚しているって紹介するからね。】


「う、うん。」


【ナナリーとサーラは結婚を待たせてるって言ってあるから、そこは納得して頂いていると、思ってますので。】


「分かりましたー。」


【落ち着いたら必ず式を挙げるから、待っててね、ナナリー。】


「お待ちしておりますよー。」


【御昼が近いから、何か作っていこうか、時間があまり無いから、簡単な物になっちゃうけどね。】


「何を作るの?」


【ナナリーのお母さんは鶏肉が好きなんだそうだ。鶏肉のホワイトシチューがいいかな。後はちょっとスカウトしたい人がいるんだよ。】


「スカウト、ですかー?」


【うん、少し話をしただけなんだけどね。気持ちの良い人、人材を見つけたんだよ。】


「「人材?」」


【ああ、俺と話しても気後れしないし、悪い事は悪いって言える人物なんだよ。】


「村にそんな人物がいましたかー?」


【ほら、ナナリー、思い出してあげて。あの村でナナリーの事を心配していた人物が一人だけいたでしょう?】


「んー・・・あ、もしかして、マーデンの事ですか?」


【そう、ああいう人物が前面に出て来ないのは、人材の無駄遣いだ。是非に爺さんとレガイアさんに紹介したい。】


「そうなんですね、ヘファ君のお眼鏡にかなうとはー。」


【ああ言う気持ちの良い人材には、もっと光を当ててあげないとね。】


「そんな人がいるのね。」


「それは良い考えですー!」


【今日の所はそこまでやっておきたい。腐らない様にして上げないとね。】


「ふふ、そうね」


「そうですねー。」


「ヘファイストス様、お待たせいたしました。湯で汗を流して来ましたので、遅くなりました。」


「構わないよ、そろったね。ちょっと料理をしてこよう。シチューならそんなに手間にならないかな。」


テーブルで話し始めた三人を見てから厨房へと移る。

料理を作ると三人を連れてゲートを潜る。


大切な人達を迎えに行く為に。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



ゲートを潜るとナナリーの家にでた。


「ここがナナリーさんの家なのね。」


「ウチといい勝負ですね。」


「ふふっ、隙間風は入るのですが、暖かい家なのですよー。」


懐かしそうに家を見ている。

ナナリーには思い出のある家なのだろう。


【では、行きましょうか!】


ドアをノックする。


「はいはい、あらあら・・・お待たせいたしましたね。」


【ヴァーチェさん、約束通り来ました。】


「ヘファイストス様、ようこそ、おや、ナナリーと初めてのお嬢さんが御二人も?」


『さ、さすが、ナナリーさんのお母さんよね。』


『ええ、ルイスさん。あの迫力はお母様です。』


そうなんだよね。

年齢的にも、俺のストライクゾーンだ。

なんだって?

巨乳ならだれでも良いんだろうだと?


違うんだな、その前に・・・っと、義理とは言えお母さんだからね?


【こらこら、二人共挨拶して!】


「し、失礼致しました、ヘファイストスの妻でルイスと申します。よろしくお願い致します。」


「はい、こちらこそ。」


「婚約者のサーラと申します。よろしくお願い致します。」


「サーラさん、よろしくね。」


ヴァーチェさんはそう言うとルイスとサーラの手を握りながら肯いていく。


「ヘファイストス様、この子達が嫁になる人達なのですか?」


【ルイスとは式を上げました、今では正式な妻です。ナナリーとサーラは待たせてしまっている状況なのですよ。申し訳ありません。】


「左様ですか、幸せなのですね・・・。」


ルイスの顔を見てニッコリと微笑むヴァーチェさん。


【まだオーカムには三人程待たせている人がいるんですが・・・。】


「そ、そんなに!?」


【それで、ヴァーチェさん。荷物は何処にありますか?】


「ふふ、家の中にありますよ。少し多くなってしまったようです。」


【では、預かりましょう。】


「よろしくお願い致しますね。」


案内された荷物をバックパックに入れる。


【では、皆さん、少々お待ち下さいね。】


「ここで待っているわね。」


「気を付けて、ヘファ君ー。」


「行ってらっしゃいませ、ヘファイストス様。」


「ん?何かあるのかしら?」


皆には先程作ったシチューを食べてもらっておこう。


【ルイス、ナナリー、サーラ。後を頼みます。】


バックパックからシチュー鍋を取り出すと三人に任せて俺は目的地へと急ぐ。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



皆の見送りを受けて村長の家に歩いて行く。


遠くからだが確認出来た。

その門の前にはターゲットの姿が見えた。


【やあ、マーデン殿。仕事はどうかね?】


「お、紅玉殿ではないか。と、言う事は許可証を取りに来たのかな?」


【ええ、もう一つ仕事があるんですが、こちらも大切なんですよ。】


「ほう、この村でそんな重要な事があるのかね?」


【マーデン殿、案内をお願い出来ますか?】


「応とも、紅玉殿。案内をするぞ。」


【お願い致しますね。】


中に入り村長と話をした。

ヴァーチェさんの街への移動すると言う戸籍のようなものだ。

空欄には何処に移るのかを書いてその街の銀行に預けるのだろう。


【それでは、失礼致しますね。】


そう言って村長と別れ、門まで戻る。


【そう言えば、マーデン殿。先日の事でお咎めは無かったのですか?】


「紅玉殿が気にする必要はない。あの事は後悔していないのだからな。」


何かあったんだろうなぁ。

でも聞いてくれるかわ分からないけど、スカウトしちゃうもんね。


【マーデン殿、少々時間を頂く事は出来ますか?】


「ああ、こんな田舎では犯罪などは滅多にないからな。」


俺は口は上手くないのでね・・・直球で行くぜ!


【退屈ではありませんか?】


「退屈だが、のんびりとな・・・だが、埋もれて行くのもな。」


【その考えがあるのならば、俺と・・・来て頂けないか?貴方の力が必要なんだ。】


「っは?」


もう一度言おう。

急だからびっくりしたのかもしれないしね。


【俺と共に来てくれないか、マーデン殿?】


「こ、紅玉殿に来いと言われれば行くしかないが、どう言う事なんだ?」


【恩人にこの人だと言う人材を紹介しているんだ。俺はその恩人に貴殿を紹介したい。】


「それはありがたいが、俺は田舎村の門番だぞ?」


【そうだ、このままこんな所で埋まらせるのはもったいない人材だと思っております。是非、一緒に来てその力を貸してほしいんだ。】


「・・・分かった、俺もこのままでは出世も出来ずに終わるだろう。それならば紅玉殿に紹介された居場所の方が・・・俺のいるべきところなのだろうな。」


【そう言って頂けると、こちらとしてもありがたい。後悔はさせないよ。】


「それで、何処の誰に仕えさせようとしているんだ?」


【その人の味方は少ない、だが守に値する人だ。】


「で、誰なんだ?紅玉殿と話しているんだ、驚きはしないさ。何処の貴族様なんだ?」


【その方の名は「レガイア・グラン・フォルティス・ブリタニア」様。】


「・・・。」


黙ってしまった。

が、この人をレガイアさんの力にする事が優先事項だ。


【国王陛下の力になってくれないか?】


「ちょ、ちょっと待ってくれ?こ、国王陛下だと!?俺は田舎村の村長の家の門番だぞ?」


【俺がこれだと思った人材だ。それ以上の事は必要無い。】


「紅玉殿・・・。」


【マーデン殿、貴殿はこんな所で埋もれて良い人ではない。是非、王国の為、王国民の為に勇気ある決断をしてくれたまえ。】


「紅玉殿、貴方様にそこまで買って頂けている、それだけでも俺は・・・それに、貴方の指示した道はやりがいのある仕事のようだな!」


ブルブルと震えている。

武者震いだろうか?


【七の日中に迎えに来る。準備をしておいてくれ。巨乳の嫁さんと共にな!】


「任された、紅玉殿に選ばれたのだ。我が名に恥じぬような働きをして見せよう!」


【では、支度をしておいてくれ。後日迎えに来る。】


「分かった、準備をしておくぞ!」


【では、後日!】


「後日!」


そう言って別れ、ナナリーの家に向かう。


王国の北に向かう途中で会えた、この人ならばと思う人材は二人。

選んだのは本気でやってくれるかと言うその誠実さの一点。

アーディとマーデン。

誠実な二人なら、レガイアさんや爺さんの力になってくれるだろう。


そう思いながらルイス達の元へ帰る道を進む。


次はサーラの家族だ。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「あー・・・戻って来るんじゃなかった。」


そう、昼御飯を食べれると知った兄弟達のマナーが・・・と言うかそんなものは無かったのだ。

我先にと鍋に自分のスプーンを突っ込んですくい食べる。

折角、ヘファイストス様に作って頂いた料理なのに・・・。

いただきますも言えない兄弟達を見る。


母さんも青い顔をしている。


ヘファイストス様は気にしないだろうが、これはあまりにも・・・。


「こ、こら!アンタ達!あああ・・・。」


母さんの顔が赤くなったり青くなったり・・・。

それに、折角作って頂いたホワイトシチューが無残な事になってしまった。


美味うっま!美味いよ!肉が入ってる料理なんて久しぶりだよ!」


「美味し、美味し、美味し!」


「美味しいの!すごいの!お肉なの!」


「美味しいね、お肉がいっぱい入ってるよ!」


「おいしいの、おいしいの、おいしいの!」


テーブルの上は酷いありさまだった。

あ~・・・婚約破棄されても良いような状況だ。

がっくりしているとルイスさんとナナリーさんが、かいがいしく弟達の口を拭いてあげている。

ヴァーチェさんも加わって落ち着いたかのように見えた。


ヘファイストス様、怒りはしないけどがっかりしただろうなぁ・・・。


そーっとその人物に視線を移すとニコニコしている。

そうです、こんな田舎村の欠食児童にマナーなんか求めていた私が馬鹿だった。

するとヘファイストス様がすっと立ち上がった。

ああ、どうなるんだろう。


ルイスさんとナナリーさんに何か言うとヘファイストス様は台所へ行ってしまった。


「おねーちゃま、どうしたの~?」


恥ずかしさに顔を赤くして俯いていたら末っ子のセーラが聞いて来る。

あ~・・・もう消え去りたい。

ルイスさんやナナリーさんだったから良かった。

他の人に見られたら・・・。


ああ、家族がいるのも楽ではない。


ヘファイストス様はどう思っているのだろうか?

怖くて顔が見れない。


「おねーちゃま、おいしいのよぉ~?」


「う、うん、御行儀良く食べてね?」


「はいなの~!」


私達は先程ヴァーチェさんの家で食べて来た。

ヘファイストス様が手続きしている間にお話をしながら楽しく食べた。

帰って来たヘファイストス様もそこで食べた。

食べ終わった状態だったのが助かった。


うう、兄弟達、もう少しだけでいいから綺麗に食べてね。


と、甘い匂いがして来る。

なんだろう?

そう思っていると切り分けたケーキが皆の目の前に置かれる。


「こ、これも食っていいのか!?」


「美味しそうね!」


「ごくり、美味そうだよ!」


「美味しそうです!」


「おいしそうなの!」


【うん、甘いお菓子は嫌いかな?】


「「「甘いの!?」」」


【うん、チーズケーキって言うんだ。甘いからね。そうだね、今度はゆっくりと食べてごらん。】


「ゆっくりと?」


【そう、ゆっくりと食べると美味しいんですよ。】


「そうなんだ?」


「ゆっくり食べるの!」


「ゆっくり食べます!」


「ゆっくり・・・。」


「ゆっくりなの!」


「「「美味い!!!」」」


ゆっくり食べてくれたのは一口目だけだった。

うう、お願いだからこれ以上は・・・。


そんな心配をしていたら食事は終わった。


弟達がお腹いっぱいになった事で眠ってしまった。

ヘファイストス様がベッドへと運んでくれる。

私も手伝わなければ!

その様子を見ていた母さんが土下座しだした。


「も、申し訳ございません!!!」


【御義母様、お止め下さい。サーラ、止めさせて!】


母を抱え込み土下座をやめさせる。


「母さん、ヘファイストス様はこんな事では怒らないから、やめて!」


「いや、しかしね!?」


「いいから、やめて!」


「子供のやった事です、御義母様も気にする事ではありませんよー?」


ナナリーさん、ナイスフォローです!

ヴァーチェさんはそんなナナリーさんを見て優しく微笑んでいた。


「それで、本日はどのような御用件でございますか?」


【一段落着いたら迎えに来ますので、一度オーカムへ来てもらえないかと言う御話に参りました。】


「一段落で、ございますか?」


【はい、そうです。今は色々と立て込んでおりまして・・・それが落ち着けば、オーカムへといらっしゃっていただきたい。】


「あ、あのー、オーカムで過ごせと言う事なのでしょうか?」


【ええ、オーカムへ引っ越しをしていただきます。そこで街での暮らしに慣れてもらおうと思っております。】


「街での生活、で、ございますか?」


【その通りでございます。知っておくべき事や、常識と言ってもよいのか、そのような事を勉強していただきます。】


「あの、畑仕事とかは・・・。」


【ございません。畑に何かこだわりが?】


「そ、そんな事はありませんが・・・その、子供達も食べさせないと、それと、仕事も探さないといけませんよね?」


【安心してほしいのですが、皆様には私の仕事を手伝って頂きます。】


「ヘファイストス様の仕事をですか?」


【そうです、なあに、そこまで複雑な仕事はありません。義母様達には、主に露店を手伝っていただこうかと思いまして。】


「ろ、露店でございますか?」


【はい、しばらくはそちらがメインになるかと思います。】


「それでお金を稼ぐと言う事ですね?」


【はい、それと一通りの仕事をそこで学んでいただきます。もちろん子供達と一緒にです。】


「一緒でよろしいのですね、良かった・・・。」


【そこで露店の事や相場の事、それに対冒険者の商売のやり方など一通りの事を学んでいただきます。】


「あの、その、大変にありがたいお話なのですが・・・御給金はどうなるのでしょうか?」


【もちろんお出しいたしますよ、子供達にもです。】


「未、未成年でもでしょうか?」


【未成年でもです。売り物を言っておりませんでしたね。売って頂くのは俺の作った「ポーション」等です。】


「ポーションでございますね。」


【それと材料の秘薬は重要な物なので、計算の出来ない子供達に採ってもらいます。】


「秘薬採りなら大丈夫です。」


【子供達が未成年でも出来る仕事なので、俺の妹分の「リズベット」達と一緒にポーションの販売や秘薬の採取をして頂きます。】


「その方から仕事を習う、と、言う事ですね?」


【そうです、それと、御義母様は計算は出来ますか?】


「一通りの事は出来ますが・・・。」


【なら、大丈夫です。そこで商売のやり方を家族で学んでいただきます。】


「長男のマティと次男のアディも簡単な計算なら出来ます。」


【いいですね、計算が出来るのは心強いです。】


「では!」


【ええ、即戦力ですね。安心して仕事を任せられます。】


「ああっ!家族にも仕事を与えて下さり、ありがとうございます!」


【しばらくは、オーカムの街に住んで頂きますので、そこで村と街の違いを経験して下さい。】


「はい、お任せください、ヘファイストス様。」


【軌道に乗るまでは、露店で頑張って働いて頂きます。家族と過ごせるので良い条件だとは思いますが、いかがでしょうか?」


「家族で一緒など、とても良い条件でございます!喜んでお手伝いさせて頂きます。」


【こちらこそ、よろしくお願い致しますね。何かあれば遠慮なくどんどんおっしゃって下さい。義理ですが息子になるのですから。】


「気遣いを、ありがとうございます。」


御辞儀をしてくれた。

サーラの家族はこれで大丈夫だろう。


ヴァーチェさんにも寮での事は言ってあるので安心だね。


【他に質問が無ければ、本日の所はこれで終了とさせて頂きますね?」


「はい、御嬢様方、よろしくお願い致しますね。」


「こちらこそ、よろしくお願い致しますね。」


「同じく、よろしくお願い致しますー。」


リズ達の紹介は後日で良いだろう。

まずはヴァーチェさんに仕事と住居に慣れて頂かねばね。


【今日の所はお話だけですが、近いうちに迎えに来ますので、準備をお願いしますね。】


「はい、何から何まで・・・本当にありがとうございます。」


前もって話をしたのは、心構えをしてもらう為だ。

次に来た時にはオーカムでの生活が待っているだろうからね。


さてと、やりたい事はまだまだあるから頑張らねば!

ここまで読んで頂き、誠にありがとうございます!

まずは、いつものから!

評価、イイネ、ブックマーク等々。

皆様には感謝しかございません。

それでは 次話 新しい人材(仮 で、お会い致しましょう。

年末年始の事は報告活動に書いておきました。

御確認下さいませ。

では、皆様、御疲れ様でした!

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