氷竜?との戦い
皆様、おはようございます!
新話を更新致します。
改修も順次行っておりますのでペースが落ちます。
お楽しみ頂ければ幸いです。
「アダムス、戦の支度じゃっ!!!」
「はい、団長!全員戦闘準備!!!」
「「「応!!!」」」
現場に着いたとたん、団長から声が掛かる。
相手は吹雪のカーテンの中にいる様だ。
だが、好奇心旺盛の子竜が出てくると、その後をのそりと親ドラゴンが追って来る。
斥候の役目の目の良い「モーリス」から注意が飛ぶ。
「氷竜の子供が二匹、親竜が二匹、目視で確認!」
「紅玉殿の言っていた「狂乱」に注意せよ!」
「「「はい、副長!」」」
「一番乗りじゃあっ!!!」
そう言うと彼女は飛び出して行く。
「団長!?はぁ・・・仕方がない、後衛、弓と魔法の用意。迂闊に前に出るなよ!」
「「「はい!」」」
「前衛は私に続け!」
「「「応!!!」」」
「イフリータ、我に力を!!!」
ゴオォッ!!!
いつもの少し苛烈で気分屋の炎の精霊を召喚する。
「「ファイヤー・フィールド!!」」
「「シャギャー!!!」」
二匹の子竜がファイヤー・フィールドに正面から突っ込んだ。
後方からの弓矢も突き刺さる。
子竜はそこまで皮が硬くないのだろうか?
・・・何か違和感を感じますね。
「ヒャッハー!」
隊長は完全に戦闘モードになっているようだ。
その調子で子竜の相手をお願い致しますよ?
子竜の後から、のそのそと七~八m程の二匹の竜がこちらに寄って来る。
「一匹は任せます!」
「「「はい、副長!」」」
一匹の、右手前にいる竜に突っ込んで行く。
「レーヴァテイン流、フラム!」
イフリータからの力の脈動を感じる。
剣にその力を込め叩き斬る!
「ウオオオォォォ!」
爪で攻撃しようとしていた竜の懐まで飛び込む
その一撃で軸になっていた左前脚の目の前まで突っ込み、剣を一閃させる。
「ウオリャッ!!!」
ザグッ!
「ギャシャアアアァァァ!!!」
その一撃で左前脚を斬り飛ばす。
流石ですね、紅玉殿の作った武器は!
血を浴びる前にその場所から離れ、攻撃態勢を維持する。
すると氷竜は、右前足を失った事でバランスを崩し、のたうち回る。
その氷竜が盛大に転がっている間に追撃の一手を!
「レーヴァテイン流、「エクリクスィ」!」
剣身から炎を飛ばすスキルでその氷竜を火だるまにする。
「ガオオォアアァァン!!!」
弱い、手応えが無さすぎる。
・・・待て、紅蓮殿がこの程度の敵を脅威だと判断するのか?
仮にも公国や王国を救ったと言う英雄がこの程度の竜種を警戒していた?
違和感の正体は?
・・・まさか!?
「全員、傾聴!紅玉様が言っていた氷竜はこいつらではない!」
「「「な!?」」」
子竜を片付け、百人将達に合流した団長が言う。
「アダムス、誠か!?」
「紅玉殿程の人が、この程度の敵を脅威と言うはずがありません!」
「話は後だ!とにかく片付けるぞ、お前達!」
「「「応!!!」」」
「フリード、奴らに鑑定をかけて下さい!」
「かしこまりました!「鑑定」!」
その間に火だるまになっている氷竜と思われていた敵の首をはねる。
「ふ、副長!こいつらは『ホワイト・ウィルム』です!氷竜ではありません!」
やはり!
この竜種達は、あの紅玉殿が警戒する強さではなかった。
まさかとは思うが・・・。
「敵を速やかに排除しろ!本物の氷竜がいるかもしれない!」
「「「はい!」」」
「ゴアアアァァァ!!!」
「どりゃあ!!!」
団長の一撃を食らってその「ホワイト・ウィルム」は、首を切り落とされ絶命した。
「各員警戒しろ!動いている物はおらんか?」
「隊長、氷柱を発見しました!」
「でかした、すぐに壊せ!」
「ヘッケル、三人で行き速やかに破壊しろ!フリード、ガルド、付いて行け!」
「「うっす!」」
「警戒しろ、この程度の訳はないぞ!」
「了解っす!」
・・・こんなに簡単に?
氷竜とホワイト・ウィルムでは強さは違うだろう。
それに何処から現れた?
報告のあった氷竜らしい影ではなかった?
知らせを、送らねばならないだろう。
だが奥に本命がいる可能性は高い。
イレギュラーが発生している。
だが、二名も伝令に出す余裕はない。
どうする?
「・・・報告を出さない訳にはいくまい。」
「団長、それではこちらの戦力が・・・危険です。」
「じゃが、出さぬ訳にも行くまい?」
「団長、オーガの牙の方だけ出しましょう。」
「ふむ・・・紅玉殿なら気付くと言う訳じゃな?」
「そうです、オーガの牙もあの程度の敵に後れを取る事は無いと思いますが、これが一番良い方法かと思われます。」
「ジェフ!」
「っは!」
「オーガの牙へ至急伝えよ!今戦っている相手は亜竜種であると!」
「ただちに!」
そう言うとジェフは走って行った。
紅玉殿、済みません。
ですが、貴方なら気付いて下さいますよね?
ゴゴン!
ガラガラ・・・
「団長、氷柱を破壊しました!」
「良し、結界が治まるまで休憩じゃ。体を温めよ!交代で見張りを立てろ!」
「「「了解しました!」」」
湯を沸かし飲み込み暖をとる。
「団長・・・いつの間にか・・・雪が・・・。」
「ああ・・・吹雪がやんだのぉ・・・アダムス、油断するな、今回は右目がうずくぞ。」
団長の目にも、この雪は自然現象ではない事が映ったようだ。
場合によっては本陣に戻った方が良さそうですね。
最悪の場合グラキエースの側に護衛として氷竜がいるのか?
何匹いる?
見上げると空も曇って来た所だった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【セリス、クレア、いました・・・ですが、氷竜ではありませんね。】
「旦那様、何がいたのですか?」
【亜竜ですね・・・氷竜がいないのでしたらこのまま進みましょう。】
「ホワイト・ウィルムですか、主君?」
【亜竜種ですね、氷竜を弱体化させたような奴らです。】
「氷竜ではないのですか?」
【そうだね・・・二匹か丁度良いですね、セリス、クレア一匹ずつ戦ってみましょう。氷竜とグラキエースとの戦いの前哨戦です。】
「分かった、旦那様。」
「かしこまった、主君。」
うーん、読み間違えたかな?
ゲームとは違うと言った所か。
だが、相手が弱くなったと言うだけで安心は出来ない。
亜竜とは言え、竜種だ。
それに奥には・・・氷竜と目標らがいるはず。
【油断は禁物ですよ!】
「「はい!」」
【では、支援魔法をかけます・・・6th アイシクル・ガード。】
二人に冷気の対抗魔法を付与する。
【ブレッシング・オール。】
気が付けば、うっすらと雪が降っている。
その新雪に足跡を残しセリスとクレアはホワイト・ウィルムに向かって走る。
俺は万が一の為に後方で待機している。
この相手ならば二人で十分だろう。
ん、二人が気付かれましたね。
さて、このぐらいの敵ならば倒せるはずです。
期待しておりますよ、二人共。
「シャガアアアァァァ!!!」
「シャギャアアアァァァ!!!」
「クレア、左を頼む。私は右を!」
「了解!」
「ゴルァァォォォ・・・。」
「グルアァ?」
ん?
何か戸惑っている?
「ゴアアアァァァ!」
「グルルルオオオォォォ!!!」
右に駆け出したセリスを一匹のホワイト・ウィルムが追いかける。
止まっていた方のホワイト・ウィルムはクレアを警戒するようだ。
狙い通りに一対一になりましたね。
さあ、今の貴女達の実力を見せて下さい。
セリス、クレア!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「さあ、行こうか!」
ヘルムの面を下げ、素早くその亜竜に走り寄る。
すると息を吸い込みだした。
ブレスのようだな。
それならば!
私が左に二歩飛ぶと、亜竜はブレスを吐き出した。
「ゴアアアアァァァ!!!」
そのブレスが追尾するように私の方へ向かう。
二歩では足りないか。
ならばもう二歩!
追加で飛びブレスをかわす。
「ゴアアァァ・・・!!!」
四歩か、見極めたぞ!
ブレスの持続時間を見切り行動に生かす。
そして懐に入り旦那様の作ってくれた炎属性のリーフ・ブレイドで前に出ている左前足に斬り付ける。
ザシュッ!
ザグッ!
「ゴアアアァァァ!」
邪魔だと言う様に亜竜の右前足が襲い掛かって来るが、その時にはもう私の姿はそこにはない。
腋を潜り、今度は右後足を目標に斬り付ける。
ズバッ!
ドスッ!
「ギャオオオォォォン!」
首が右後足に向かっているがその頃にはもう尻尾を斬り付けている。
「ゴアアアァァァ!」
亜竜が息を吸い込むがそこに私はいないぞ?
すでに左前足に向かい斬り付けている。
ザグッ!
ガシュ!
「ゴバアアアァァァ!」
亜竜よ、そんな出鱈目にブレスを吐いても私はいないぞ?
その時には腹を斬り付けながら左前足に迫る。
素晴らしい切れ味だ。
流石だな、旦那様!
その武器を振るう。
ザグッ!
ドシュッ!
「ゴアアアァァァ!!!」
「遅い!遅すぎるぞ、亜竜よ!」
その調子で切り刻んで行く。
そして四肢に力が入らなくなった亜竜はとうとうその腹を地面につける。
「・・・亜竜よ、一思いに討伐してやろう!」
まだ健在の頭に向かって進む。
「ガオオオォォォン!!!」
牙が向かって来たがそれをかわし首に隣接する。
「フィフス・トラスト!!!」
ドドドドドッ!!!
旦那様からの課題で覚えた、必殺の五連撃だ。
「ゴブァッ!」
ブシャー!
首に空いた穴が大量に血を吹き出す。
「フシュー・・・・フシュー・・・。」
その首が地面に倒れる。
ザッ・・・ザッ・・・
こちらを恨みのこもった目で見つめて来る。
そんな亜竜の顔に近付く。
「流石だな、亜竜とは言え竜種に身を置く者よ・・・さらばだ。」
その眉間にリーフブレイドを突き立てる。
「ギャオオオォォォン!!!」
そしてその亜竜は息絶えた。
あの鍛錬の日々は間違いではなかった。
・・・私は強くなっている、確実に。
後で旦那様に褒めて頂こう。
だが、これで終わりではない。
【セリス、早いですね。】
「旦那様、私は強くなっています、確実に!」
【うん、亜竜とはいえ、圧倒してましたね。セリス、素晴らしい戦いでした。】
旦那様から褒められた!
素直に嬉しい。
「旦那様、血を採取しなければ不味いのではないか?」
【亜竜ですが竜種の血です、価値はあると思いますので、樽に貯めてバックパックに入れておきましょう。】
「はい、旦那様。」
空樽を用意すると、首から流れている血をその中に入れておく。
「旦那様、亜竜がいたと言う事は・・・。」
【そうだね、奥に氷竜と目的のグラキエースがいるかもしれませんね。】
「はい、気を抜かないように致します!」
【・・・強くなりましたね、セリス。】
「はい・・・はいっ!」
旦那様から認められた!
それが一番嬉しい。
そしてクレアが戦っている方に視線を移す。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ギャオオオオォォォン!」
「ほう、私の動きについて来れるようだな、亜竜よ!
セリスが確認出来る位置まで離れると、振り向き交戦準備をする。
さあ、私はここだ。
掛かって来るが良い!
「ギャオオオォォォ!」
空気を吸い込んでいるようだ。
ブレスが来るのかな?
だが、当たってやる訳にはいかん。
行動を起こす。
サイスの柄でバネのように地面を突き高速で移動する。
ガッ!
「ゴアアアァァァ!」
ブレスを吐いた亜竜の左前脚に移動した。
そしてサイスをクルリと一回転させる。
ジャキッ!
すると血飛沫をあげてその足が切れる。
うむ、主君の作る武器は素晴らしい物があるね。
「シャギャアアアァァァ!?」
ブレスを吐き終わった亜竜が切り離された左前脚を見ていた。
その頃には、私はサイスを振り回しながら左後足に移動していた。
もちろんだが、その柔らかい腹も切り刻む。
「ゴアアアァァァ!!!」
切り刻まれた腹から内臓をまき散らしながら亜竜が苦しそうな声を上げる。
そして目標に到着するとその足も斬る。
「ギャオオオォォォン!!!」
「亜竜よ!この程度で竜を名乗るのは、いささか物足りないのではないのか?」
のたうち回る、亜竜。
だが油断は無い。
サイスの柄をバネのように使い素早く移動する。
暴れている亜竜から離れ、安全を確保したのだ。
亜竜の動きが鈍くなって来た。
もう、止めを刺してやろう。
「・・・さらばだ、亜竜よ。」
ザシュッ!!!
そのまま亜竜の首に突撃をし、首を狩る!
「ギャオオオォォォン!!!」
その叫び声を最後に、亜竜の首は胴体より切り離された。
「うむ!」
ギュっと右手を握る。
私は確実に強くなっている。
全盛期を、超えたのではないだろうか?
主君とジュウベイ殿には感謝しかないな。
動かなくなった亜竜を見つめていると、主君とセリスがこちらに来た。
【クレア、強くなりましたね。】
「主君よ、武器のおかげだよ。ノーマルのサイスだったならば苦戦していただろう。」
【武器だけではこうはいきませんよ、貴女の努力が報われたのです。誇って下さい。】
「その言葉、ありがたく受け取ろう、主君。」
【では、血を採りましょう。それ以外は爺さんの部隊に任せましょう。】
そう言うと主君は樽を取り出し血を貯め始めた。
「クレア!」
「セリス!」
「私より、討伐が早かったのではないか?」
「ふふ、重量武器だからね。当たれば相手は倒れるさ。」
「そうか?」
「そうだとも、まあ、この武器が素晴らしいおかげだがね。」
「旦那様には感謝しなければな。」
「そうだ、結界の氷柱を壊さねばいけないのだろう?」
「旦那様、氷柱を壊してまいります!」
【ああ、気を付けて下さいね。】
「では行くぞ、クレア!」
「行こう、セリス!」
そして二人で氷柱を探す。
「これの事か?」
「それらしき物はこれしか無いね。」
「「ではっ!」」
「「ゴガッ!」」
パキッ!
パキバギッ!
ドザアアァァン!!!
「これでどうだ?」
「セリス、吹雪が治まって行くようだぞ。」
「これで、良いのだろう。旦那様が戻って来たら中央へ進もう。」
「了解だ・・・クレア、私は初めてだったのだが、竜種とはこの程度なのか?」
「セリス、ホワイト・ウィルムは亜竜に当たるので竜種とは強さが違うぞ?」
「旦那様もそれは言っていたな、この奥に本物がいるかもしれぬし、討伐個体もいるのだな・・・。」
「それに、亜竜とはいえ体を温められた。」
「本番はこれからと言う事か・・・腕が鳴るな!」
「そうだぞ、セリス。油断はするなよ?」
「そうだな、一番の大敵は油断だ。本物はこの程度のはずはない。」
【二人共、樽が満杯になったら蓋をして行きますよ。】
「分かった、旦那様。」
「準備は出来ているぞ、主君。」
結界の無くなった中に移動すれば、本物の竜種がいる可能性がある。
それに討伐対象も・・・まだまだ油断は出来ないであろう。
【セリスの倒した方にも行きましょう。蓋をして、一息入れたら出発しましょうか。】
「はい、旦那様。」
「かしこまったぞ、主君。」
吹雪も収まって来た。
暖かいお茶を入れ暖を取ってから目標のいると言う洞窟へと向かう。
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それでは 次話 本物の竜種(仮 で、お会い致しましょう!
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